湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2022年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第11節(2022年5月3日、火曜日)
- ・後半のゲームは、まさに期待に違わぬ、エキサイティング動的均衡マッチへと盛り上がっていった・・堪能した・・(鳥栖vsセレッソ、1-1)
- レビュー
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- この試合、とても楽しみにしていました。
何せ・・
サッカーの方向性として、私が、とても高く評価する両チーム(両監督!)の激突だからね。
そう、川井健太サガン鳥栖と、小菊昭雄セレッソが、秘術を尽くして、美しくダイナミックな質実剛健サッカーをブチかまし合ったんだよ。
とはいっても、前半は・・
そう、全員守備、全員攻撃のトータルフットボールという視点では、まあ、そこで振り絞られる「ダイナミズムの内実」という評価基準かな・・
川井健太サガン鳥栖に、明白な一日の長があった。
そして鳥栖が、ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃)でも、明確な「差異」を感じさせつづけたんだ。
彼らは、何度か、かなり内容の濃い「ゴール機会」まで創りあげた。
でも後半・・
サスガに小菊昭雄だね・・
後半のセレッソが放散しはじめた、攻守ハードワークとリスクチャレンジを自ら探しつづける「主体性プレー」のオーラが、何倍も膨れ上がったと感じた。
さて、これからだな・・
観る者の期待値が、ガンガン膨れ上がっていくのも自然な成り行きだった。
ダイナミックな動的均衡マッチへと成長していくゲーム。
そうそう、コレだよ、コレ・・
わたしは、そんなエキサイティング動的均衡マッチを、心から楽しんでいた。
ところで・・
誰もが、心から楽しめるエキサイティング動的均衡マッチになったバックボーンは??
もちろん、ボール奪取プロセス(守備)での、積極的&攻撃的イメージングのシンクロは語るまでもないけれど・・
やっばり、両チームのスペース攻略プロセス(攻撃)の量と質にも注目しなきゃいけない。
とにかく彼らは、しっかりとしたスキルから、有機的に、人とボールを動かせるんだ。
だからこそ、次、その次の局面デュエルに対する期待が高まる。
そう、そんな期待は、グラウンド上でプレーする選手たちもまた、抱けているんだよ。
だからこそ、彼らの「動き」が、「変に」止まり気味になったりしないっちゅうわけだ。
そして、だからこそ、ゲームの質が、限界まで高まっていく。
そんなエキサイティングな展開から、両ゴールの後も、両チームともに、何度か、スペースを攻略したゴール機会まで創りだしてしまうんだ。
そりゃ、極限の「見所満載エキサイティング勝負マッチ」になるのも、道理。
そう、誰もが期待したようにね。
あ〜〜、面白かった。
堪能させてもらった。
日本サッカー人の一人として・・
サッカーの本格的プロモートに「も」貢献してくれた両チーム(両監督)に対して、心からの称賛の拍手をおくります。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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