湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2022年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第16節(2022年5月28日、土曜日)
- 優れたチーム同士の、ギリギリのせめぎ合い・・でも時間の経過とともに、ミヒャエル広島が秘める実力(サッカーコンセプト!?)が、グランパスを凌駕していった・・(サンフレッチェvsグランパス、1-0)
- レビュー
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- とても良いサッカーを展開する両チームが魅せた、ダイナミックな動的均衡マッチ。
ミヒャエル広島、長谷川健太グランパス。
その長谷川健太グランパスだけれど、やっと、調子を上げてきた。
またサンフレッチェは、ミヒャエル・スキッベの就任は遅れたけれど、そのわりには、チーム戦術が、とてもスムーズに(実効あるカタチで!?)浸透しているって感じる。
そう・・
両チームともに、ボール奪取プロセス(守備)にしても、スペース攻略プロセス(攻撃)にしても、イメージをうまくシンクロさせながら、効果的にプレーできているんだよ。
そして、攻守のチーム戦術を、しっかりと浸透させられているからこそ・・
個々の「主体性プレー」のレベル「も」高揚させられる。
まあ、とはいっても私は、ゲーム展開を観ながら・・
攻守の切り替え(トランジション)、チェイス&チェックやカバーリングの実効レベルという視点で「も」、ミヒャエル広島に、一日の長があるって感じていた。
その視点は、ボール奪取プロセス(守備)についてだけれど・・
ソレがうまく回っているからこそ、次のスペース攻略プロセス(攻撃)も、スムーズに回る。
ミヒャエル広島では、人とボールの動きが、とてもスムーズで創造的なんだよ。
その視点についてだけれど・・
ミヒャエルも、コーチングエリアから、何度も大声を張り上げていたっけね。
・・クイックプレーッ!!・・クイックプレーッ!!・・
・・なんてネ。
それをドイツ語で言うと・・
・・シュネル・シュピーレンッ!!・・
・・っちゅうコトになる。
私も、ドイツ留学時代は、コーチに、口を酸っぱくして言われたモノさ。
へへっ・・
たぶんミヒャエルは、一つひとつのステーション(パスレシーバー)のところで、ボールの動きが「停滞」するのを、かなり嫌っているんだろうね。
また・・
ミヒャエル広島は、全体として、積極的にタテへ「ズバッと行く」だけじゃなく、サイドゾーンから仕掛けていくイメージも、徹底されている。
そして時間の経過とともに・・
そう、ミヒャエル広島が、徐々に、攻守にわたるイニシアチブの「量と質」を、どんどん高めていったんだ。
そんなゲーム展開を観ながら・・
・・そう、やっぱりボール奪取プロセス(守備)の内実こそがキーポイントだ・・
・・また、その絶対ベースがうまく機能しているからこそ、次のスペース攻略プロセス(攻撃)での人とボールの動きも活性化させられる・・
いいね〜、ミヒャエル広島サンフレッチェ。
ということで、最後のポイント・・
それは、ゲーム残りの20分あたりにおける「勝負プロセス」。
そう、ミヒャエル広島が、しっかりと余裕をもって、ゲームを勝ち切れるか・・というポイント。
その視点でも、満足のいく「内容」だったと思う。
たしかに、マテウスに、チト危険なダイレクトシュートをブチかまされたけれど、それにしても、大迫敬介の守備範囲ではあった。
そういえば・・
決勝ゴールをブチ込んだ、野津田岳人、スーパーな満田誠と両サイドバック(藤井智也と柏好文)、危険この上ないツートップ(ジュニオール・サントスとベン・カリファ)、そして、日本を代表する、佐々木翔、塩谷司、GK大迫敬介、などなど。
ミヒャエルは、優秀な選手に恵まれている。
もちろん・・
そう、そんな優れた「個々の攻守イメージ」を、うまくシンクロさせるのが監督のウデだから・・
まあ、いまのサンフレッチェ広島は、強いチームの要素が、とてもバランス良く備わっているっちゅうことか。
とにかく・・
今後とも、ミヒャエル広島から、目が離せない。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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