湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2022年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第23節(2022年7月30日、土曜日)
- 「前からプレス」というやり方・・それを、ホントの意味で機能させるためには、「次のボール奪取プロセス(守備)」を、それまで以上に、充実させなきゃいけない・・(コンサドーレvsグランパス、2-2)
- レビュー
-
- 前からプレス・・
それは、ボール奪取プロセス(守備)の、一つの「やり方」だよね。
もちろん、「それ」をうまく機能させるためには、選手それぞれの「イメージング」を、しっかりと連動させなきゃいけない。
そう、このゲームでの長谷川健太グランパスは、「より積極的&攻撃的」にボールを奪い返しにいったんだ。
私は、その「連動イメージング」が、うまく機能していたという印象をもった。
でも逆に・・
そうなんだよ。
グランパス選手たちが、前からプレスが、うまくいっているコトを「体感」していることで・・
「より」積極的に、ボールを奪い返しに(そう、ショートカウンター狙いネ)いったんだ。
なんか、これまでのミハイロ札幌コンサドーレの「やり方そのまま」ってな感じのグランパスなんだ。
わたしにとっては、チト違和感があるゲーム展開ではあった。
ここで、前述の「逆に・・」と書いたコトの背景に触れますよ。
そう、ミハイロ札幌コンサドーレがブチかます、カウンター気味のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)が、何度も、ツボにはまりそうになった・・という事実。
微妙だね〜・・
「より」積極的&攻撃的にボールを奪い返そうとするグランパス。
でも、うまくスペースを攻略できないし、ゴール機会も創りだせない。
逆に・・
グランパスのボールをタイミング良く「かすめ取る」コンサドーレが、効果的に、カウンター気味の仕掛けをブチかますんだ。
なんかサ〜・・
前述のとおり、ミハイロ札幌コンサドーレのお株を奪うような、長谷川健太グランパスだったんだよ。
だからこそ、このテーマを、意の一番にビックしようと思ったわけさ。
言いたいコトは・・
そう、やっぱり、チーム&ゲーム戦術的な視点じゃ、バランスを崩して(!?)ボールを奪い返しに「行き過ぎ」たら、しっぺ返しを喰らっちゃう危険性が、とても大きくなるっちゅう事実ね。
だからこそ、タイトルにも書いたように・・
積極的&攻撃的にボールを奪い返しに行く、「前からプレス」をブチかますチームは、素早く効果的な攻守の切り替えから、いつもの「勢い」に輪を掛けて、守備にもどらなきゃいけないんだよ。
そう、イビツァ・オシムが率いた、当時のジェフ市原のようにね。
サッカー人、「それをやるのが」とても難しいって知っている。
だからこそ、イビツァに対する「レスペクト」が、天井知らずってなコトになったわけだ。
ところで、ミハイロ率いるコンサドーレ札幌・・
彼らの、ボール奪取プロセス(守備)イメージングが、「より」バランシングを意識したモノへと、洗練してきているっちゅうコトなのか!?
たしかにグランパスは、イニシアチブを握っている「ように」見えていた。
でも、その流れのなかからは、まったくと言っていいほど、ゴール機会を創りだせなかった。
まあ、「あの」マテウスの個の勝負を除いてね。
逆に、ミハイロ札幌コンサドーレは、グランパスのボール奪取プロセス(守備)イメージングの「間隙」をぬうように、効果的な仕掛けをブチかましていく。
そして実際に・・
前半31分、駒井善成からのタイミング良いタテパスを受けた荒野拓馬から、グランパス守備ブロックの「隙間」に入り込んだ深井一希へのラストパスが通った。
右足一閃っ!!
素晴らしい先制ゴールではあった。
何せ、相手は、「あの」ランゲラックだから・・ね。
ところで、その後のゲーム展開。
面白かったのは・・
後半にかけて、コンサドーレが、少しだけ、「前へのエネルギー」を高揚させはじめたんだ。
そして・・
難しいネ〜・・
言いたかったコトは・・
そう、コンサドーレが、攻め上がるグランパスの「仕掛けの流れ」を、うまく抑え切れなくなった・・っちゅうことなんだ。
グランパス同点ゴールシーンでは、後方から攻め上がってきた、レオ・シルバを、誰もマーキングできていなかった。
またグランパス勝ち越しゴールのシーンでも・・
ダイレクトでシュートを決めたマテウスは、「ほぼ」フリーで、ボールを枠内に叩き込んだ。
ということで、ピックしたテーマ・・
そう、「イメージングの重心」が、どこにあるのか・・
そのテーマを、選手たちが、しっかりと把握できているかどうか・・というコトだね。
============
最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
-
===============
重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
==============
ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
-
-
-
-