湯浅健二の「J」ワンポイント


2022年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第24節(2022年8月7日、日曜日)

 

リーグ最高峰のコンテンツが詰め込まれた、素晴らしく美しい質実剛健サッカーの応酬だった・・(フロンターレvsマリノス、2-1)

 

レビュー
 
とにかく・・

まさに、ドラマそのものってな結末も含め、最高クラスの「せめぎ合いマッチ」だった。

ボール奪取プロセス(守備)においても、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても。

さすがに、日本を代表する、美しい質実剛健サッカーを標榜する両雄の激突じゃないか。

この試合・・

わたしは、次、その次の、局面デュエルをイメージしながら観戦していた。

要は、両チームの、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での、次の人とボールの動きを予測しながらの観戦だったっちゅうことだね。

ということは・・

もちろん、そのために、両チームのボール奪取プロセス(守備)の内実も、しっかりと視野に入れなきゃいけなかったっちゅうことさ。

だからこそ、最高レベルのサッカーを体感できたんだよ。

心から堪能した。

もちろん、心底、楽しめた背景には・・

ダゾンのカメラワーク(ズーミングワーク)が、とても良かったコトもある。

だからこそ、次、その次のスペースまで(攻守イメージングのせめぎ合いまで!)視野を拡大できたっちゅうことだね。

そして・・

そう、だからこそ、両チームがブチかまし合った、素晴らしい「攻守イメージングの内実」まで、しっかりと堪能できたんだよ。

そのなかで、こんなコトも感じていたっけ。

それは・・

ケヴィン横浜マリノスが展開する、攻守にわたる「組織プレー」の内実が、フロンターレの「それ」を、少しだけ上回っているってな感覚・・。

特に・・

そう、ボール奪取プロセス(守備)。

そのプレー要素は・・

攻守の切り替え(トランジション)、チェイス&チェックや局面デュエル、マーキングやカバーリング、協力プレスへの集散、そして最終勝負シーンでの「最後の半歩」・・等など。

それら全般で、ケヴィン横浜マリノスの実効レベルが、少しだけ、上回っている・・って、感じられたんだよ。

あっと・・

ここでいう「最後の半歩」だけれど・・

それは、決定的なパス(クロス)やシュートをブロックするだけじゃなく、最終勝負シーンでの「ギリギリの!」マーキングやカバーリングを、着実に「イメージングできる能力」も、含むんだよ。

その、マリノスの、優れたボール奪取プロセス(守備)だけれど・・

もちろん「それ」は・・

次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での、人とボールの動きを、加速させる。

守備と攻撃は、心理・精神的(イメージング)にも、物理的にも、とても広く、深く、有機的に、つながっているんだよ(表裏一体!)。

そう、だからこそ・・

ボールがないところでの「ボール奪取アクション」が活性化すれば、その流れで奪い返したボール「も」、自分自身(人)も含めて、より活発に動くようになるっちゅうわけだ。

わたしは、そのメカニズムを、攻守の「イメージング連鎖」って呼ぶ。

そう、イメージングなんだよ・・

その、イメージングの内実を、着実にリンクさせるコトこそが、最重要っちゅうわけだ。

どうなんだろうね・・

フロンターレの名将、鬼木達は、こんな戦術エクスプレッション(表現)を開発している。

そう・・

・・出して走る・・出して動く・・

そのイメージングが、フロンターレの人とボールの動きを加速させる原動力に違いないよね。

そして、そのアクションを代表するのが、ワンツー。

それをスムーズに積み重ねることで、最終勝負シーンでも、究極の、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを完遂させられる(・・はず!?)。

とはいっても、このゲームでは・・

チーム戦術イメージング自体が、同じレベルの両チームだったことで・・

そう簡単には、そんなギリギリの状況で、スムーズで創造的な人とボールの動きを演出することは叶わなかったけれど・・さ。

とにかく・・

リーグ最高峰のコンテンツが詰め込まれた、素晴らしい、動的均衡ゲームだった。

日本サッカー人の一人として、両チームには、心からの称賛と感謝の拍手をおくります。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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