湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2022年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第4節(2022年3月11日、金曜日)
- 三浦淳寛ヴィッセル・・意識と意志とイメージングが炸裂するような主体性プレーの内実に課題があると感じる・・彼らは、もっと、もっと、出来る!・・(ヴィッセルvsアントラーズ、0-2)
- レビュー
-
- ・・そうだったんだろうな〜〜・・
試合のスタッツを見ながら、様々な思いがアタマを駆けめぐっていた。
そうなんだよ・・
負けたヴィッセルの方が、ボール支配率やパスの数、そしてその成功率などで、完璧にアントラーズを凌駕していたんだ。
ヴィッセルのパスの数は、アントラーズの2倍以上で、その成功率も15%高かった。
でも・・
結果と、そのバックボーンであるシュート数でも、ゴール機会の量と質でも、アントラーズが、微妙に上回っていたんだ。
そう、その数字は、実際のゲーム内容を反映したモノじゃなかった。
ヴィッセル攻撃の内実は、決して、スペース攻略(シュートやゴール機会の創出)につながっていなかったというわけだ。
実際には・・
パスが多いのは、アントラーズのブロック守備を崩せず、安全(逃げの!?)パスを回していたからに他ならないっちゅうわけだ。
そりゃ、パスの成功率だって高くなるはずだ。
前半立ち上がりの7分・・
アントラーズ三竿健斗の、相手を抑え込む、巧みな(!!)ボディー・デュエルからのヘディングで、先制ゴールを奪われたヴィッセル。
そんなヴィッセルは・・
ガンガン、リスクチャレンジパス(仕掛けのタテパス)をブチ込むような、危険な仕掛けを繰り出しつづけなきゃいけなかったんだ。
もちろん何度かは、とても危険なスペース攻略プロセス(仕掛け)は魅せた。
でも、量と質が、どうみても足りない。
そんなヴィッセルを観ながら、わたしは・・
チーム全体の「意識と意志」が足りないことで、勇気レベルも高まっていかない・・と、感じていたんだ。
勇気こそが、最後は自由にプレーせざるを得ないサッカーにおいて、ホンモノの主体性プレーをブチかませるかどうかの決定的ファクターであるにもかかわらず・・。
でも・・
アントラーズに追加ゴールを奪われた(後半9分に鈴木優磨が放ったキャノンミドル弾)あたりから、チームの雰囲気が変わった。
そう、失うモノがなくなり、フッ切れた主体性プレーが出はじめたんだ(攻守ハードワークとリスクチャレンジの内実アップ!)。
だからこそ、ボールがないところでのサポートの動きが風雲急を告げた。
だからこそ、タテへの仕掛けパス(リスクチャレンジ)の勢いが格段にアップした。
だからこそ、ワンツーの量と質をアップした。
そして、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションも繰り出せるようになった。
でも、相手は、あの「堅いアントラーズのブロック守備」だからね。
たしかに人とボールの動きは、大きくアップしたけれど・・
でも、実際のスペース攻略&ゴール機会を演出するまでには至らなかった。
選手本来の(!?)能力レベルでは、リーグトップと遜色ない、三浦淳寛ヴィッセル。
とにかく・・
もっともっと、攻守ハードワークとリスクチャレンジを、自ら、探しまくるっちゅう「主体的な!!」闘うプレー姿勢を期待したいね。
三浦淳寛の優れたウデ(心理マネージメント)に、期待しましょう。
============
最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
-
===============
重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
==============
ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
-
-
-
-