湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2022年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第9節(2022年4月16日、土曜日)
- 素晴らしい「内容」が詰め込まれた、エキサイティングな動的均衡マッチだった・・また、松木玖生と中島大嘉についても、簡単に・・(コンサドーレvsFC東京、0-0)
- レビュー
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- 面白かったネ〜〜・・
秘術を尽くした、攻守にわたる主体性プレーの、ガチンコ勝負。
堪能した。
そりゃ、そうだ。
何たって、ミハイロ札幌vsアルベル東京・・だからね。
皆さんも、ご存じの通り・・
監督によって、チームが黒から白へと(また、その逆へと!?)、まったく別物に生まれ変わっちゃったり、時の経過とともに、目に見える進化&深化を遂げたりする。
ミハイロの場合は、継続的な優れたコーチングの結果として、コンサドーレを、順調な進化&深化へと導いている。
そのコトについては、衆目の一致するところでしょ。
対する、新任のアルベル率いるFC東京・・
彼らの場合は、比較的短い期間で、組織プレーと「個」の勝負プレーの「バランス」が、かなり進化しているって感じる。
まあ、ここからは、この進化の内実を、どこまで継続的に高めていけるかというポイントに、アルベルの手腕が見えてくるっちゅうわけだ。
そんな、とても良いサッカーをする両チームの激突。
もちろん、エキサイティングな動的均衡マッチへと高揚していくのも道理さ。
ボール奪取プロセス(守備)にしても、スペース攻略プロセス(攻撃)にしても・・
そして、互いに、イニシアチブを握ったり、握られたりってな、「動的に変容しつづける」せめぎ合いを魅せつづける。
たしかに、結果としての「数字」は、シュート数を除いてほぼ互角(シュート数は、ミハイロの方が、倍、ブチかましたけれど、その内実は!?)。
そんな数字の比較のなかで、もっとも明確に「ゲーム&勝負の実態」を現すのが、「ゴール機会」という視点なわけだけれど、そこでも、まあ、ほぼ互角だったね。
そんな両チームだけれど、わたしは・・
ミハイロ・ペトロヴィッチが、コンサドーレを、堂々たる「強豪チーム」にまで育て上げている・・という事実に対して、心からの拍手をおくりたい。
ということで、ここからは・・
二人の若者にスボットライトを当てたい。
そう、FC東京の松木玖生(18)と、コンサドーレの中島大嘉(19)。
彼らが、「あれほど」活躍できている(相手のプロ選手たちにとって怖い存在でありつづけられる!?)バックボーンは??
もちろん、物理的な「持って生まれたモノ」については書くまでもない。
そうではなく、ここじゃ、やっぱり、両人の「意識と意志の内実」にスポットを当てたい。
要は、二人とも、(ホンモノの!)自己主張が、抜群に強いっちゅうこと。
彼らは、アタマのなかに描く、攻守のイメージング(まあ、理想型ね!?)を実現させたいと強烈に願望し、ソレに向かって全力をブチかましつづけるんだ。
彼らは、常に、自ら、攻守ハードワークとリスクチャレンジのチャンスを「探して」いるんだよ。
そんな彼らの「意志のプレー」は、誰にとっても、魅力的でしょ。
厳しい「仕事」を、主体的に探しまくるプレー姿勢こそが、「際ビジネス」で活躍しようとするプロ(個人事業主)として、望まれる姿勢なんだ。
まあ、プロだから、当たり前ではあるけれど、彼らは、まだハイティーンだからね。
もって生まれた感性!?
まあ、そういうコトなんだろうね、たぶん・・
だからこそ・・
その優れた感性を、それを抑えつけようとする(!?)様々な文化的(!?)抑圧から「解き放った」バックボーンが知りたい。
そのために、ものすごく大きな意味をもっていたはずの、彼らの育った、物理的、心理・精神的な「環境」が知りたい。
とにかく、その「環境バックボーン」に、とても興味をそそられるんだよ。
どうなんだろうね・・
どなたか、日本サッカー発展のために(!)、彼らの育った「environment」や「surroundings」についてドキュメントしてくれないだろうか・・
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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