湯浅健二の「J」ワンポイント


2023年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第16節(2023年6月3日、土曜日)

 

「強豪」の、ミハイロ札幌コンサドーレに、乾杯っ!!・・(レイソルvsコンサドーレ、4-5)

 

・・いったいミーシャは、どこまでサッカーを面白くしてくれるんだ??・・

ミハイロ・ペトロヴィッチが、浦和レッズを率いていた当時、サッカージャーナリストの大住良之さんが、わたしに、そんなコトを言ったことがある。

そう、まさに、そういうコトなんだよな〜。

わたしは、このところ、ミハイロ札幌コンサドーレは、着実に「リーグの強豪チーム」というレピュテーション(名声)を確実なモノにしている・・なんて書いている。

そんなわたしの評価の絶対バックボーン・・

それは、とりもなおさず、選手たちのモティベーションの高さだと思っているんだよ。

いや・・

モティベーションというよりは、彼らが、主体的に、「とことんサッカーを楽しめている・・」っちゅう表現の方が、正しいのかもしれない。

そう、彼らは、あくまでも、自分主体で、サッカーを楽しめているんだ。

そのためには、もちろん、常に、自分が達成したいイメージングを、アタマに描きつづけていなきゃいけない。

そしてミハイロは、そんな、ものすごく雑多な「個のイメージング」を、一つのチームにまとめる作業を、とても効果的に進めているっちゅうわけだ。

もちろん・・

基本的な、戦術イメージングは、ミハイロが創り、それを選手たちに浸透させるわけだけれど・・

そこからの、自らの「イメージングの進化&深化」は、それぞれに、自由にトライさせるわけさ。

そう、ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても。

わたしは、ミハイロが、北海道コンサドーレ札幌を率いるようになってから、常に、そのチームとしての進化&深化プロセスを、追いかけていいた。

もちろん、その背景には、選手個々のチカラの増幅だけじゃなく、サンフレッチェ時代から、ミハイロを支えつづけた、杉浦大輔コーチの存在も、大きい。

その杉浦大輔さん、彼は、わたしの、ケルン体育大学の「後輩」に当たるんだけれど、ミハイロは、サッカー的にも、人間的にも、とても優れたパートナーに恵まれていると思うのさ。

ところで今日の観戦&コラム・・

実は、ヴィッセル対フロンターレ戦を、楽しみにしていたんだよ。

でも・・

そう、皆さんもご存じのように、台風の影響で、そのゲームが中止(変則マッチ!)になってしまったんだよ。

だから、そのコトを残念に思いながら・・

FC東京vsケヴィン横浜マリノス、グランパスvsセレッソ、またJ2の、ジェフ千葉vs町田ゼルビアなど、さまざまな視点で、自分自身の学習機会としても楽しんでいたっちゅうわけさ。

でも・・

そう、冒頭の大住良之さんの素敵な言葉に集約されているように・・

選手だけじゃなく、観ている方にとっても、この上ないワクワク感に包まれるミハイロ札幌コンサドーレのサッカーは・・

いつ観ても、楽しいコト、この上ないんだ。

その絶対バックボーンだけれど・・

それは、何といっても、選手たち自身が、サッカーを愉しめているからに他ならない。

彼らは、誰かに「やらされている」のではなく・・

全員が、ホントに一人の例外もない全員が・・

自らクリエイトする(ミハイロの基本を自分なりにアレンジする!?)攻守イメージングを成就させようと、健康的な(!)自己主張をブチかまし「合う」んだ。

まさに、主体性プレーとスピリットにあふれた、リスクチャレンジサッカーじゃないか。

だからこそ、観ている方も、ワクワク感に包まれ、心から楽しめちゃう。

また、そこには、誰一人としてサボらず、さまざまな「イメージング」を、主体的に(!)美しくハーモナイズさせちゃうってな観戦の醍醐味もあるよな。

そして、そこには・・

スーパープロコーチ、ミハイロ・ペトロヴィッチの面目躍如っちゅうファクターもテンコ盛りなわけさ。

まあ、彼らのサッカーについちゃ、もう何度も表現しているから、これ以上は書かないけれど・・

とにかく、ヤツらの「オレがっ!!・・オレがっ!!!」っちゅう、ポジティブな自己主張パワーを感じるたびに、元気をもらえるんだよ。

もちろん・・

前述した他の勝負マッチのなかには・・

ものすごくパワフルな「寄せ」が爆発しつづけるような、超絶の「徹底サッカー」がぶつかり合う、ジェフvsゼルビアといった、フルパワーの「殴り合い」ってなダイナミックマッチもあるさ。

でも、ミハイロのトコロじゃ・・

ボール奪取プロセス(守備)では、「行くとき」と「落ち着くとき」のバランスが絶妙なんだ。

またスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも・・

ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションに代表される、高質な人とボールの動きと、個の勝負が、とてもうまくバランスしているし・・さ。

そこでのキーワードは「バランス」なんだけれど、それって、すべての事象にあてはまるわけだから、ディスカッションは、無限っちゅうわけだ。

だから、ここじゃ、このレベルまでで、ディスカッションを止めにしよう。

とにかく・・

一つのグラウンド上の現象をビックし、その物理的&心理・精神的バックボーンを、自分なりの解釈で、声高に主張する人たちの多いコト。

そして、そのほとんどの人たちが、システムとか、立ち位置等などの「カタチ」を語りはじめる。

サッカーには、「カタチ」がないからこそ、美しいにも、かかわらず・・ね。

へへっ・・

とにかく・・

「強豪」の、ミハイロ札幌コンサドーレに、乾杯っ!!

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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