湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2023年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第17節(2023年6月10日、土曜日)
- 両チームの強者どもが、一人の例外なくブチかまし合った、究極の「仕掛け合い」・・堪能した・・(セレッソvsヴィッセル、2-1)
- 強い両チームが展開した、エキサイティングな動的均衡マッチ。
堪能した。
動的!?
そりゃ、あれだけ、両チームが、仕掛けしまくるんだから、ゲームが天井知らずってな感じで、盛り上がっていくのも道理。
やっている(解放されまくっている!?)選手たちだけじゃなく、観ているコチラも、心から楽しんでいたよ。
わたしは、両チーム選手諸君、両監督に対し、同じサッカー仲間として、心からの称賛と感謝の拍手をおくっていました。
たしかにゲームは、「あんなカタチ」で勝負がついてしまったけれど・・
サッカー内容的には、「総体」互角だったというのが、結論かな。
でもサ・・
わたしは、微妙な内容で、ヴィッセルに一日の長を感じ取っていたんだ。
その「微妙な内容」は、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の内実にあった。
そして、それは・・
「個のチカラの差」ってな感じで表現できるような現象だったんだ。
ハンパない、大迫勇也、抜群のインテリジェンスとセンスに支えられた武藤嘉紀、スピードスター汰木康也・・
彼らが醸しだす「微妙な差」、それには、見るモノを魅了する内容が秘められていた。
もちろんセレッソにも、レオ・セアラ、クルークス、奥埜博亮といった個の才能はいるけれど・・
でも、最終勝負での「一味」という視点では、やはり、ヴィッセルに、僅かに、軍配が挙がるのかな。
特に・・
そう、世界レベルのポストプレイヤー、ハンパない大迫勇也。
彼にボールが入ったら、必ず、よいスペースにボールが「出て」くるんだよ。
周りも、そんな大迫勇也の「才能」を絶対的に信頼しているからこそ、ボールがないところでのアクションの量もアップする。
そう、彼らは、ボールがないところで、しっかりとスペースへフリーランニングを敢行しつづけるんだ。
ところで、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での、個のチカラ・・
もちろん、その代表格は、ドリブル勝負さ。
でも、大迫勇也が「創り」だす「タメ」のコノテーション(言外に含蓄される意味)には、スペース攻略とシュートにつながる、根源ファクターがテンコ盛りだった。
わたしは、堪能していたよ。
そうそう・・
そんな選手タイプの代表としては、もちろん、浦和レッズの興梠慎三を挙げなきゃいけない。
彼の、最前線でのキープ力(タメ)、展開力、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを演出するチカラ・・
また、最終勝負で、決定的スペースへ走り込む感性、シュートの巧さなどなど・・
やっぱり最終勝負の仕掛け人という視点じゃ、大迫勇也と興梠慎三が、二大巨頭だろうね。
あっ・・日本人の中では・・ね。
とにかく、両チームともに、「勝ちたいオーラ」を、ものすごい勢いで、振りまきつづけていたんだ。
ボール奪取プロセス(守備)では、チャンスを見出した誰もが、全力でチェイス&チェック(寄せ)を忠実にブチかましつづけ、そのアクションに、周りの全員が呼応する。
また、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、これまた、チャンスを見出した誰もが、サボることなく、押し上げていく。
この試合は、BSで生中継されたわけだけれど、日本サッカーのプロモーションという意味でも、我々サッカー人は、彼らに、感謝すべきだよね。
とにかく・・
各論に入ったら、切りがないコトは、皆さんも、ご存じの通り。
ということで・・今日は、こんなトコロで・・
とにかく、堪能させてもらった。どうも、アリガト〜
そして、お疲れ様でした〜・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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