湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2023年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第21節(2023年7月16日、日曜日)
- レッズは、小菊昭雄セレッソに完敗を喫した・・でも次の対戦では、まったく違ったゲームになる・・そう、不確実だからこそ「自由」にプレーせざるを得ないサッカーのコトだからさ・・(セレッソvsレッズ、2-0)
- それにしても・・
セレッソは、試合のイニシアチブ(実質的な攻守の流れ)を握りつづけたよね。
その絶対ベースは、言うまでもなく、忠実なボール奪取プロセス(守備)を、ハイレベルに機能させつづけたこと。
彼らの場合は、ポジショニング・オリエンテッドな「基本アイデア」から、しっかりと、寄せ、カバーリング、協力プレスの集散などが、とても「忠実」に連動していたんだ。
そう・・
プレイヤー個々が、瞬間的に変化する局面に、「柔軟」に対応できているからこそ・・ね。
わたしは、そんなセレッソの、ハイレベルに連動しつづけるボール奪取プロセス(守備)に舌鼓を打っていた。
何せ、そこには、サッカーの本質バックボーンである「主体性プレー」のテイストが、プンプン匂っていたわけだから・・。
あっと・・
そんなハイレベルな、組織ボール奪取プロセス(守備)を、イメージ的に(!)リードしていたのが、「あの」香川真司と、喜田陽だったね。
そんな素晴らしいディフェンスの「主体的な機能性」をマネージした、セレッソ監督、小菊昭雄は、とても良い仕事をしていると思う。
そんなセレッソに対して・・
レッズのボール奪取プロセス(守備)のペースが上がってこない。
まあ、たしかに、後半は、イニシアチブを取り返す時間帯もあったけれど、それが、ゴール機会につながってこない。
とにかく、レッズのチェイス&チェック(寄せ)の量と質がアップしてこないコトに業を煮やしていた。
寄せが甘いから、セレッソが、余裕をもって人とボールを動かしつづける。
そして、その余裕があるから、前線の外国人プレイヤーの才能を、うまく活用できる。
あっと、そのセレッソの外国人プレイヤーだけれど・・
ワントップのレオ・セアラ、サイドのジョルディ・クルーズとカピシャーバ・・
彼らは、チェイス&チェック(寄せ)や局面デュエルで、抜群の存在感を発揮していたよね。
まあ、そんなハードワークがあるからこそ、彼らにボールが集まるっちゅう、サッカー的な「チームスピリット・メカニズム」が回りつづけていたっちゅうコトか。
さて、レッズ・・
もちろん、徐々にペースを奪い返していった彼らも、たまには、良いスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)は、魅せた。
でも結局は、人とボールの動きに、良い「リズム」を醸し出せたのは、わずかだった。
選手たちは、感じていた!?
・・今日は、相手が、とてもよくまとまり、強いサッカーをブチかましている・・
・・今日は、難しいな〜・・
そんな、ネガティブマインドが、「エイヤッ!!の爆発」が、出てこなかった要因の一つだった!?
エイヤッ!!の爆発・・
・・勝負のパスを「呼び込む」、3人目の決定的フリーランニング・・
・・相手がビビるほどの「気迫」を込めた勝負ドリブル・・
・・まさにキャノン・シュートってな勢いの鋭いクロス・・
・・意を決した、フルパワーのミドル弾・・
・・等など。
単発では、何度か「爆発的」な勝負プレーは観られたけれど、「連動性」という視点では・・
ということで・・
この試合は、小菊昭雄セレッソに完敗を喫したっちゅう評価がフェアなんだろうね。
まあ、こんな日もあるさ。
でも・・
次の、小菊昭雄セレッソと対戦するときは、たぶん、まったく違うゲームになる。
何せ、究極の「心理ボールゲーム」であり、不確実な要素が満載だからこそ、最後は「自由」にプレーせざるを得ないサッカーのハナシだから・・ね。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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