湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2023年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第24節(2023年8月18日、金曜日)
- まず、チームに良い刺激を与えている(!?)ホセ・カンテの、特筆の「感性」と、後半に本領を発揮した、(西川周作先生も含めた!)強いレッズ守備ブロックというテーマは、いかが?・・(レッズvsグランパス、1-0)
- 前言は、撤回しないよ。
そう、ホセ・カンテ。
彼の、シュートを打つ体勢への入り方、そしてシュートを決め切る「感性」には、たしかに、特別なモノがある。
まあ、ポーランドリーグでの成功が、自信になっているというコトなんだろうね。
また、先制ゴールシーンはもちろんのこと、その後も、1本、2本、後半立ち上がりの3本目と、ドリブル中距離弾やダイレクトシュートなど、彼が打ったら、不思議と「期待感」が高まる。
フムフム・・
ポーランドリーグで、ゴールゲッターとして存在感を発揮していたホセ・カンテ。
マチェイ・スコルジャも、「その才能」に、殊の外、期待していたっちゅうコトか。
ポストプレー、ヘディングの競り合い、守備、局面キープやドリブル勝負、鈍足など、プレーの内実についちゃ、わたしの総体的ネガティブ評価は、あまり変わっていない。
それでも、プレーする機会が増えたことで、周りとの「イメージ・コンビネーション」にも、結果がもてるようになっているんだよ。
だから、良いカタチでパスを受けられるようにもなっている。
そして、ホセがシュートを決め切っちゃうコトに対する期待感の、異様なまでの増大ね。
うん、ということで、ホセ・カンテには・・
特に、攻めあぐんだ状況での、中距離キャノンシュートに期待しましょう。
ということで、ゲームだけれど・・
やっぱり、後半の、攻め立てられたゲーム展開が、注目点だよね。
とにかく、前線からのプレスバック(ゲーゲンプレス)や、チェイス&チェック(寄せ)が、まったくといっていいほど効かない(というか、やらない、できない!)。
だから、中盤での寄せや、インターセプトも機能せず、グランパスのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)を受けるばかりになってしまう。
一度だけ・・
たしか、大久保智明だったと思うけれど、レッズが攻め上がった状況で、彼が、ボールをキープしたんだよ。
それまでは・・
タテにボールが出たら、例外なく、「エイヤッ!!」で行っちゃい、次の瞬間に、終わってしまうような体たらくシーンの連続だったんだ。
でも、そのときは、違った。
そう、後方のチームメイトにしてみたら、「最前線でのボールの落ち着き」が演出されたわけで、そりゃ、バックアップ・サポートしたくなるでしょ。
そして、全体的に押し上げることで、前述のような「ジリ貧」の展開は、いったんは、落ち着かせることができた。
でも・・
そう、そんな落ち着きの雰囲気は、すぐに「ブチ壊され」、グランパスの攻勢がつづいちゃうんだ。
それでも・・
とても強いレッズの、最終守備ブロックだから、(偶発的なエマージェンシーは除き!)結局は、決定的ゴール機会は(その流れは)、数えるほどに抑え切れた。
どうなんだろうね・・
あんな、押し込まれる展開は、やっぱり、どこかで断ち切らなきゃいけないんだよ。
そう、最前線からのチェイス&チェック(プレスバック)や、中盤での、相手パスを読んだ、パスレシーバーへの寄せ(インターセプト・チャレンジ)など・・ね。
でも、この気候条件だから、そんなエネルギー(意識と意志パワー)を増幅させるのは、ものすごく難しい。
そしてレッズ選手たちは、「流れ」に押し流されつづけてしまうんだよ。
だからこそ・・
そう、西川周作先生も含めた、レッズ最終ディフェンスブロックの「強さ」ばかりが目に付いたっちゅうわけだ。
たしかに、何度かは、決定的なゴール機会を与えはしたけれど・・さ。
ということで、最後に・・
レッズが魅せた、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でのポジティブな変化というテーマ。
それは・・
「組織」と「個」の仕掛けプロセスの「バランス」がよくなっている・・という視点。
「組織パス」ばかりで攻め上がっても、やっぱり、相手に「次、その次」を読まれ、そのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)は、潰されてしまうことが、ほとんどなんだ。
でも・・
そう、このゲームで、関根貴大が、何度か魅せた、ドリブルシュートと、勇気マンマンの中距離シュート。
もちろん大久保智明も、負けちゃいない。
そんな「個の勝負プレー」が、目立っていたんだよ。
もししたら、その背景に・・
そう、「あの」ホセ・カンテの、ドリブル中距離シュートという「強烈な刺激」があったりして・・。
とにかく、いまのマチェイ浦和レッズでは、この「組織と個のバランス」が、より「ダイナミック」に、積極的&攻撃的になっているって感じているのは、わたしだけじゃないでしょ。
期待しましょう。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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