湯浅健二の「J」ワンポイント


2023年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第26節(2023年9月2日、土曜日)

 

ミハイロ札幌コンサドーレは、攻守にわたって、「仕事」を探しまくる、究極の主体性プレーを魅せた・・堪能した・・(コンサドーレvsガンバ、4-0)

 

テーマは、決まったっ!!

そう、ミハイロ札幌コンサドーレの、ボール奪取プロセス(守備)。

変な「気抜けプレー」が、まったくみられなかった。

集中力の高揚!?

いや、わたしは、守備で「仕事」を探しまくる「主体性プレー」のレベルアップって表現したい。

そこじゃ、守備ファクターの、マーキングとカバーリングが特筆の機能性を発揮したんだ。

あっと、なんか、巷では・・

ミハイロ札幌コンサドーレが、「オールコート・マンマーク」をしている・・ってなコトが言われているようだけれど・・

そんな表現を聞くたびに、「??」ってなクエスチョンマークが、アタマを占拠するんだ。

だって・・

たしかに、ミハイロ札幌コンサドーレ選手たちは、ボールを奪われたら、間髪を入れずに、「人を見る仕事」を探しまくるよ・・

でも、それは・・

決められた相手をマークするなんていう、次元の低いボール奪取プロセス(守備)じゃなく・・

あくまでも、臨機応変に、「相手」を探すってな「やり方」なんだよ。

わたしは・・

マン・オリエンテッドな「やり方」って表現する。

そういえば、「あの」フォルカー・フィンケは、「ボール・オリエンテッド」なんていう戦術的な表現をつかっていたっけね。

オリエンテッド・・

要は、次のプレーを主体的に「探す」ときの、戦術イメージング的な、判断基準っちゅうわけだ。

そうそう、わたしは・・

守備の「やり方の表現」である「マン・オリエンテッド」に対しては、「ポジショニングバランス・オリエンテッド」なんていう表現も使う。

要は、効率的なマークの「受け渡し」ね。

まあ、「それ」にしても、次のプレーを、主体的に「探しまくる」ときの、戦術イメージング的な、判断基準には変わりはない。

まあ・・

この「オリエンテッド」という表現の、コノテーション(言外に含蓄される意味)については、このコラムじゃ、これ以上、突っ込んでいかないけれど・・

とにかく、自分で(主体的に!)考えながら「仕事」を探して決断し、勇気をもって、リスクにチャレンジしていくという、「イメージング・プロセス」のコトなんだよ。

あっ、スミマセン、もう止めます。

ということで、ミハイロ札幌コンサドーレの完勝・・

久しぶりに、溜飲を下げた。

なにせ・・

「あんな」良いサッカーを展開しながらも、最後のところで、「変な失点」をして負けちゃう・・ってな悔しいゲームがつづいていたわけだからね。

そのテーマの背景には・・

選手たちの「主体性プレー」のレベルをアップさせるのは、とても難しい作業だといコトがある。

ちょっとでも、本当に、ほんのちょっとでも「考えるプロセス」が遅れたら、すぐに、ウラを取られて失点しちゃうのがサッカーだからネ。

そう、「一瞬の思考の空白」ね。

まあ、集中力・・

ということで、ミハイロ札幌コンサドーレについての、最後のテーマだけれど・・

それは、このゲームで先発した選手の「組み合わせ」・・

両サイドバック(菅大輝&ルーカス・フェルナンデス)と、ダブルボランチ(荒野拓馬&馬場晴也)が展開した、攻守での「躍動」は言うまでもない。

それに加えて、今日先発したスリートップの、攻守での「質実剛健パフォーマンス」には、心躍らされたよ。

そう、攻守にわたる、スーパーレベルの「主体性プレー」。

彼らは、まったく「空白」なく、仕事を探しつづけたんだ。

そして、もう一つ・・

たしかに、ミハイロ札幌コンサドーレは、4ゴールをブチ込んだけれど・・

それ以上に、ガンバの攻めを「ゼロ」に抑えたコト「も」、とても大きな意味と意義を内包していると思う。

わたしは、このゲームの内実をとおして、サッカーが、ホンモノの「組織ボールゲーム」だっちゅう絶対事実を、再認識していたよ。

たしかに、ミハイロは、「個のチカラ」じゃ、優れた選手も、抱えている。

それでも、やっぱり・・

サッカーは、ボールを奪い返さなきゃ、そして、相手の仕掛けを受けるときに、しっかりとボールがないところでの相手アクションを「抑え切れなきゃ」、美しい質実剛健サッカーは、実現できないんだよ。

わたしは、このゲームで、そんな絶対ベースを、反芻し、噛みしめていた。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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