湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2023年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第2節(2023年2月25日、土曜日)
- 全体的な(サッカー内容と結果の!)流れでは、とても強いケヴィン横浜マリノスの完勝・・でもマチェイ浦和レッズは、そのなかでも、明日のポジティブな光明だけは、しっかりと感じさせてくれた・・(マリノスvsレッズ、2-0)
- レビュー
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- フムフム〜・・
まあ、全体としては、ケヴィン横浜マリノスの実力勝ちというのがフェアな評価だろうね。
たしかに、いまのケヴィン横浜マリノスは、サッカー内容で、向かうところ敵なし・・。
とはいっても、マチェイ浦和レッズについては・・
前節で書いたように、彼らも、さまざまな意味合いを内包する「明日へのポジティブ光明」は、感じさせてくれた。
まあ、でも、先制ゴールをブチ込まれるまでの出来は、チト、ヒド過ぎた。
まさに「受け身で消極的なサッカー」に終始したマチェイ浦和レッズだったんだ。
それを観ながら、チト、力が抜けたモノさ。
とにかく、その時間帯でのマチェイ浦和レッズは・・
ボール奪取プロセス(守備)でのイメージングに、「主体性」が感じられなかったんだよ。
だから、ケヴィン横浜マリノスの、素早く広い人とボールの動きに、「後追い」で翻弄されまくるのも道理ではあった。
そんなサッカーを観ながら、とても、とても落胆していたんだ。
とにかく、先制ゴールをブチ込まれるまでのマチェイ浦和レッズは、繰り返し、ウラの決定的スペースを攻略され、何度も、決定的ピンチに陥ったわけだからサ。
そんな、ジリ貧の「流れ」・・
そこじゃ、とにかく誰もが、「アナタ任せ」のプレーに終始していた。
もちろん、目前の相手は、マークするし、局面デュエルでも、簡単には負けない。
それでも、「ボールがないところでの相手の動き」に、まったくといっていいほど、付いていけない(感じてはいたけれど、マークする意識と意思に欠けていた!?)。
そして何度も、スペースを攻略されまくるんだよ。
要は、相手に、フリーで、スペースを使われまくったっちゅうコト。
あの「流れ」は、ホントに、反省しなきゃダメだ。
そんなジリ貧の「流れ」を止めるためには、もう、全員が、120%で、ボール奪取プロセス(守備)に挑まなきゃいけなかった。
そう、ボール奪取プロセス(守備)こそが、すべてのスタートラインなんだ。
そこじゃ、誰も、リーダーシップを握ろうとしていなかった・・!?
まあ、そういう側面も否めない。
でも、そんなジリ貧のマチェイ浦和レッズだったけれど・・
そう、ゴールを奪われたことで、徐々に、選手たちが「覚醒」していったんだ。
・・これじゃ、ダメだ、ジリ貧じゃネ〜〜かっ!!・・カッコ悪い〜〜・・
・・とか、ね。
そんな「意識と意志」が、ボール奪取プロセス(守備)でのイメージングを、「より主体的」なモノに変容させていった!?
そう、やっと彼らが、自ら、攻守ハードワークとリスクチャレンジを探しまくるようになったんだ。
それにしても、時間がかかった。
また、最前線の外国人プレイヤーも、前節につづき、とても落胆させられる内容に終始したよね。
パスを受けても、まったくといっていいほど、キープできないから、そこから次に展開できない。
対する、ケヴィン横浜マリノスの外国人(アンデルソン・ロベスとエウベル)のパフォーマンスの、素晴らしいこと。
彼らは、常に、攻守ハードワークとリスクチャレンジで、光り輝いていた。
もちろん、周りの日本人選手たち(水沼宏太、西村拓真、渡辺皓太、喜田拓也)の、攻守ハードワークとリスクチャレンジ「姿勢」も、素晴らしいの一言だった。
あっと、覚醒したレッズだった・・
そう、やっと覚醒し、本来の、持てる実力を発揮できるまでに回復したんだ。
それだけじゃなく・・
後半になって登場した興梠慎三が、最前線の「核」として、無類の「強さ・巧さ」を発揮した。
最前線での「ボールの収め」からの「創造的なボール展開」、そしてスピードと巧さを発揮する「最終勝負の仕掛けリーダー」。
また、それに伴って、両サイドの「タテのポジションチェンジ」も、より活性化したよね。
明本考浩と大久保智明、モーベルク(後半は大久保智明)と酒井宏樹。
そんな、ポジティブな主体性サッカーを観ながら・・
光明だ、光明だ・・なんて感じていたわけさ。
でも・・
そう、後半20分を過ぎてからケヴィン横浜マリノスがブチかました選手交代によって、再び彼らに、イニシアチブを握り返されちゃうんだ。
イニシアチブ・・
要は、攻守にわたって、いかに、「主体的」にゲームの流れを「掴めているか」っちゅうテーマ。
抽象的だけれど、具体的なグラウンド上の現象は、まさに「無限」だから・・ね。
ということで・・
ケヴィン横浜マリノスが、ホントに、良いリザーブを揃えている・・って体感させられたわけだ。
もちろん彼らは(交替出場した選手たちは!)、先発でも、まったく遜色ない実力を備えている。
だから、出てきた次の瞬間から、攻守ハードワークとリスクチャレンジを探しまくる、とても魅力的な「主体性プレー」を披露できるのも、道理。
そしてケヴィン横浜マリノスが、カウンター的な流れから、逆サイドでまったくフリーになった(交替出場した!)ヤン・マテウスが、決定的な2点目をブチ込んだっちゅうわけだ。
さて、わたしは・・
たしかに、まだ少し時間はかかるだろうけれど、わたしは、マチェイ・スコルジャ監督は、チームを、しっかりと上昇機運に乗せてくれる(はずだ!)って期待しているんだよ。
彼については、ドイツ経由で、いろいろなポジティブ評価を拾っているからね。
まあ、4月29日、5月6日のACL決勝までには、チームのフォームを、かなり高いレベルまで引き上げてくれるに違いないって確信している筆者なのであ〜る。
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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