湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2023年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第3節(2023年3月3日、金曜日)
- 紆余曲折があった・・でも(退場後も含めた!)内容からすれば、ケヴィン横浜マリノスにとって、「勝ち点2」を失ったってな感じかな!?・・(マリノスvsサンフレッチェ、1-1)
- レビュー
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- 面白かったネ〜、堪能した。
そう、とてもレベルの高い、動的な均衡マッチ。
とはいっても・・
全体的には、やっぱり、ケヴィン横浜マリノスが、実効イニシアチブを握ったよね。
とはいっても・・
そう、マリノスの永戸勝也が、後半32分にレッドカードを喰らってからの約20分間は、さまざまな意味合いで、ゲームが盛り上がっていったよね。
そこで、わたしは、こんなコトを感じていた。
数的に優位に立った、ミヒャエル広島サンフレッチェ・・
彼らは、もっと積極的に、人数をかけてスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)をブチかましていくべきだったってネ。
そうなんだよ・・
相手に退場プレイヤーが出たときにこそ、根源的なプレー姿勢(意識と意志のポテンシャル)が、問われるんだ。
そこで、フッ切れた心理で、より攻撃的に仕掛けていけるかどうか・・
そこに、そのゲームでの、心理バックボーンが現れるんだ。
そう、ミヒャエル広島サンフレッチェは、やっぱり、ケヴィン横浜マリノスに対して、少し「受け身で控えめの感性」に苛(さいな)まれていたっちゅうコト。
だから彼らは、フッ切れ「切れなかった」!?
へへっ・・
ところで、ケヴィン横浜マリノスが魅せた、「少しのアドバンテージ」というエネルギー。
両チームともに、とても優秀なプロコーチの元、強いサッカーを魅せているからね。
だから、最後は、「少しのアドバンテージ」が、効く。
その本質は、言うまでもなく、ボール奪取プロセス(守備)の内実に、如実に現れる。
ケヴィン横浜マリノスは、「行き過ぎる」ことなく、でも「待ちすぎる」こともなく、とてもバランス良く、しっかりと「寄せ&プレス」をブチかましつづけたんだ。
そう、チェイス&チェック・・ね。
その、第一アクションに合わせ・・
周りのチームメイトたちが、一人としてサボることなく、しっかりと連動した、効果的なカバーリング、プレッシングの輪を創りだす。
その「作業」では、なんといっても、喜田拓也と渡辺皓太で組むダブルボランチの活躍が目立ちに目立っていた。
聞くところによると、チームの全体運動量では、ケヴィン横浜マリノスが、リーグのトップを走っているらしい。
そりゃ、そうだろうね。
選手一人ひとりが、例外なく、攻守ハードワークとリスクチャレンジのチャンスを、積極的に「探しまくって」いるわけだからね。
まあ、その視点じゃ、ミヒャエル広島サンフレッチェも、同格(に近い!?)ではあるけれど・・・・
それが、彼らの強さの根源っちゅうわけだ。
ということで、最後に・・
両チームがブチ込んだ、先制ゴールと同点ゴールについて、簡単に。
その二つのゴールは、とても素晴らしいかったんだよ。
サイドからの決定的クロス・・
そこでの「最終勝負シーン」をしっかりと「イメージング」し、ゴール前で、最終勝負アクションをブチかました二人のゴールゲッタ〜・・
前半4分の先制ゴールは、ミヒャエル広島サンフレッチェ東俊希。
前半19分の同点ゴールは、ケヴィン横浜マリノスのアンデルソン・ロペス。
二人とも、ラストクロスが送られてくる「コースとタイミング」を、明確に「イメージング」していたんだよ。
だから・・
そう、二人とも、しっかりと「タメ」を演出し、マーカーの「視線を盗んで」、最後の瞬間に、その相手の「眼前スペース」へ飛び出して、ゴールをブチ込んだ。
ちょっと、鳥肌がたったよ。
ホント、素晴らしいゴールではあった。
両チームの、とても微妙な「差異」と、二つのスーパーゴールを、味わい尽くしていた筆者なのであ〜る。
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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