湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2023年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第30節(2023年10月20日、金曜日)
- 前半と後半では、ゲーム内容が大きく変容した・・そのバックボーンは??・・(レッズvsレイソル、2-0)
- さて、「どちら」の視点から、前半と後半のゲーム内容の変化を、捉えようか・・
そうなんだよ・・
皆さんもご覧になった通り、前半と後半じゃ、様相がかなり違ったゲーム展開になったんだ。
そして・・
その変容を、ボール奪取プロセス(守備)の視点か、それとも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の視点から考察しようかっちゅうコトなんだけれど・・
そこまで書いて・・
やっぱり、こう考えるのが常道だろうな・・って考え直した。
そう、攻撃と守備は、まさに「表裏一体」っちゅう基本メカニズムに、のっとってね。
ということで、まず、ボール奪取プロセス(守備)という視点から考えようか・・
後半の、レイソルの「それ」が、レッズのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の変容に、ついていけず、振り回されていた・・という視点ね。
そう・・
後半のレッズが、ボールがないところでのアクションの量と質を、格段にアップさせ、人数を掛けて攻め上がっていったんだ。
そして、そのことで、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の全体的なダイナミズムも、格段にアップしたというわけだ。
そう・・
スペースを攻略していくための、もっとも効果的なツールである、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションの実行レベルが、まったく違ったんだ。
前半では・・
取り敢えず、ポゼッションでは、少しだけ、上回っていたレッズだったけれど・・
でも、最終勝負プロセスへ「入り込んでいく」選手の量と質が、決定的に、足りなかった。
だから、まったくといっていいほど、スペースを攻略できずにいた。
ということで・・
レイソル守備も、余裕をもって、レッズの次のボールの動きを「正確に予想」し、彼らの攻めの流れを効果的に潰せていたんだ。
レッズを応援する方々も、観ていて、フラストレーションが溜まったでしょ。
でも、後半は・・
(マチェイの檄が効いたのか!?)、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でのダイナミズムが、異次元レベルに増幅したんだよ。
サッカーは、究極の「心理ボールゲーム」。
そりゃ、レッズ選手たちの、仕掛けていく「意識と意志パワー」が何倍にも増幅したんだから、ゲーム展開がまったく違ったモノになるのも道理ってなわけさ。
ことほど左様に、タテパスをブチ込む(!!)、そして、その流れに乗ってオーバーラップしていく(!!)意志が、目に見えて、活性化しつづけたんだよ。
だからこそ、レイソル守備ブロックも・・
そんな、ボールがないところでの、レッズのアクションの量と質の「増幅」に、レイソル守備のイメージングが、ついていけなかった!?
まあ、そういうコトだったんだろうね。
その守備の、やり方だけれど・・
両チームともに・・
ポジショニングバランス・オリエンテッドな、ボール奪取プロセス(守備)を構築する。
それが、とてもうまく機能していたから、両チームともに、簡単には、スペースを攻略していけなかった。
とはいっても、前述したように・・
レッズのポゼッションが、何となくレイソルを上回ってしまったことで!?
逆に、レイソルに、(無為な!?)人とボールの動きのスキを突かれてボールを奪われ、何度か、カウンターピンチを(自ら!?)招いてしまった。
ここで、筆者は、サッカーの根源フィロソフィーを、反芻するわけさ。
・・不確実なファクターが満載のサッカーは、究極の「自由なボールゲーム」・・
・・だからこそ最後は、選手たち自身が、主体的にプレー(リスクチャレンジ)せざるを得ない・・
・・だからこそ、攻守ハードワークとリスクチャレンジを、全力で、主体的に、探しまくらなきゃ、良いサッカーなんて(進化&深化なんて)望むべくもない・・
その視点で、後半のレッズは、とても素敵な「主体性プレー」を、チーム全員で積み重ねられていたと思う。
それは、シーズンが押し詰まったこの時点だからこその、とても貴重な「体感」ではあった。
でも逆に・・
一人でも、「闘う意志」に陰りが見えたら、そのネガティブヴィールスが、すぐにでも、チーム全体に蔓延しちゃうモノなんだ。
だからこそサッカーは、究極の「心理ボールゲーム」っちゅうわけだ。
あっ、スミマセン、また語っちゃった。
とにかく、マチェイ浦和レッズには、これからも、こんな「素敵な体感」ベースの進化&深化を、積み重ねてもらいたいと期待している筆者なのであ〜る。
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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