湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第13節(2024年5月11日、土曜日)

 

両チームが魅せつづけた、積極的&攻撃的な、ボール奪取プロセス(守備)とスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)・・それこそがサッカーの隆盛を呼び込むんだよ・・堪能した・・(アルビレックスvsレッズ、2-4)

 

レビュー
 
本当に、良い(!)サッカーを魅せてくれる、アルビレックス新潟・・

監督の、松橋力蔵は、とても優れた仕事をしている。

いつも書いているけれど、わたしが、プロコーチの「優れた仕事」として高く評価するのは・・

攻守にわたって、選手たちが、主体的に、そして解放された意識と意志パワーで(!!)仕事を探しまくるような、積極的&攻撃的な「プレー姿勢」に対するモノなんだよ。

そう、戦術を「超えた」主体性プレー・・ね。

そして・・

松橋力蔵アルビレックスは、そんな優れたサッカーをベースに、何度も、ゴール機会までも創りだすんだよ。

前半、小野裕二を中心に、何度も、クロスからの、決定的ヘディング”ゴール機会”を創りだした。

また、1点差まで詰め寄った後半での二つのゴールとも、クロスから生まれたっけね。

その、クロス攻撃だけれど・・

そこでは、クロスを上げる選手がターゲットにする「最終勝負スボット」と、「そこ」に入り込むフィニッシャーの「イメージング・シンクロ」が、生命線なんだ。

だからこそ・・

その「イメージング・シンクロ」という視点でも、松橋力蔵の「ウデ」を感じるわけさ。

ホント、彼らのサイド攻撃&クロス仕掛けは、危険きわまりなかった。

イメージトレーニングも含め、ホント、よく鍛え上げられたチームだ。

もちろん・・

その「最終勝負シチュエーション」までの、「ゲーム創り」も、一流だよ。

そう、人とボールの動きが、とてもスムーズで、常に、レッズ守備の「薄い」スペースを、うまく突いていくんだ。

でも、逆に・・

そう、ヘグモ浦和レッズは・・

松橋力蔵アルビレックスがブチかます、積極的&攻撃的なスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での「前への勢い」を、巧みに、活用しちゃうんだ。

先制ゴール、追加ゴール、そして3点目も、基本的には、カウンターの流れから生まれた。

要は、アルビレックス守備ブロックが「整う」まえに、スペースを攻略しちゃうっちゅうこと。

後半、サミュエル・グスタフソンが決めた2点目、また前田直輝がブチ込んだ3点目、ともに、素晴らしく効率的なレッズのカウンターから生まれた。

もちろん・・

カウンターシーンで、そのチャンスを、「成就させられるかもしれない・・」で、フルスプリントで走り上がったフィニッシャーたちの、ボールがないところでのアクションの量と質も、称賛しなきゃ。

そう、そんなフルスプリントにこそ・・

サッカーにおいて、もっとも重要な、具体的ターゲットイメージに誘(いざな)われる、強烈な「意識と意志パワー」が込められているわけだからネ。

あっと、ヘグモ浦和レッズ・・

もちろん彼らのサッカーも、全体的には、とてもレベルが高かったよ。

ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションもふくむ、クリエイティブな人とボールの動き・・

そして、その「流れ」に、タイミング良くミックスされる、個の勝負ドリブル・・

前半18分、チアゴ・サンタナからの「ダイレクトパス」が、中島翔哉にわたった、ゴール機会。

その、中島翔哉の「個の才能」が光り輝いた絶対チャンスシーンは、秀逸だった。

とはいっても、このゲームでは・・

前述したように、松橋力蔵アルビレックスの「勢い」が優っている時間帯の方が、長かったかもしれないね。

言いたかったコトは・・

とにかく、両チームともに、とても優れた、積極的&攻撃的サッカーで、しっかりと仕掛け合ったということ。

だから・・

ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても、「間断なく」楽しめた。

そして筆者は・・

そんな「高質サッカー」こそが、サッカーの「ホンモノの隆盛」を、呼び込むってな、組織(産業全体の!?)マネージメント・コンセプトを、ぶち上げるんだ。

決して、勝つことだけが、プロサッカーにおける「KFS」じゃ、ないんだよ。

KFS = Key Factor for Success

サッカーの「王道」を突き詰めようとする、原理主義者(!?)の筆者でした〜・・

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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