湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第17節(2024年5月31日、金曜日)

 

ものすごくクオリティーの高い、せめぎ合いだった・・でも、ゴール機会という視点で、FC東京に(わずかな!?)一日の長があった・・両チームには、美しいプロサッカーの「隆盛を支える」という視点で、称賛と感謝の拍手を送ります・・(サガン鳥栖vsFC東京、0-1)

 

レビュー
 
積極的&攻撃的サッカーを魅せつづけた、両チーム。

ものすごくエキサイティングな、せめぎ合い(攻め合い!?)だった。

そのコトもあって、このゲームじゃ・・

スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)で気を吐いた、両チーム左サイドの「突貫小僧」を、採りあげざるを得ないと思った。

そう、FC東京じゃ、俵積田晃太・・

サガン鳥栖では、横山歩夢・・

とにかく、この突貫小僧どもがボールをもったら、こちらの期待感が、ハンパなく高まるんだよ。

それほど、彼らの、仕掛けプレーには、美しさと魅力が、満載なんだ。

サイドハーフのドリブラー・・

まあ、ウイングってな表現もあるけれど・・

以前とは違い、攻守にわたって彼らに担うべき「仕事」は多岐にわたるわけだから、昔の「ウイング」なんていうイメージからは、隔世の感だね。

あっと・・

この突貫小僧どもが、様々な意味合いで「目立ちまくれていた」のは・・

両チームが、前述したように、ものすごく積極的&攻撃的に、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)をブチかましつづけていたからに他ならない。

ボール奪取プロセス(守備)については、両チームともに、プレイヤー全員が、しっかりと、「主体的」に仕事(ハードワーク)を探しまくるなど、まあ、互角。

そして、その積極的&攻撃的ボール奪取プロセス(守備)があるからこそ・・

より高い位置でボールを奪い返せるし、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)も、ダイナミックに展開できる。

そう、両チームともに、ボール奪取プロセス(守備)での積極性&攻撃性が(そのマインドが!)・・

直接的に、次の、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)における、ボールがないところでのアクションの量と質となって、現出してくるっちゅうわけだ。

観ているコチラのエキサイトメントも、天井知らずってなコトになるのも道理。

面白い・・

こんなダイナミックなサッカーを魅せてくれる、両チーム監督に、サッカー仲間として、心からの称賛と感謝の拍手をおくります。

サガン鳥栖の、川井健太。

そして、FC東京の、ピーター・クラモフスキー。

あっと、突貫小僧というテーマだった。

彼らは、二人とも、二十歳そこそこと、若い。

そして、自信と確信に満ちあふれた「怖いもの知らずオーラ」を、振りまく。

いや、ホントに、頼もしい。

また、両チームともに、そんな突貫小僧たちを抑えるために、それなりの覚悟をもったディフェンダーと、協力プレス(ゲーム戦術)の輪を、組むんだよ。

ところで・・

どうして、突貫小僧のドリブルが、存在感を発揮するのかって??

そりゃ、それが、近頃のサッカーにおける、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)において、もっとも「価値」のある仕掛けツールの一つだからサ。

もちろん、基本は、パス。

そう、人とボールの動き。

でも、近頃では、すべてのチームが、そんな「人とボールの動き」というテーマに取り組んでいるコトで(!?)、いくら動かしても、うまくスペースを突いていけないコトが多いんだ。

そう、「組織」では、スペースを、うまく突いていけない昨今なんだよ。

だからこそ、そこで、もっとも威力を発揮するのが・・

そう、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションっちゅうわけだ。

ということで・・

近頃のサッカーじゃ、個のドリブル勝負と、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションこそが、もっとも効果的ツールなんだよ。

先日の、浦和レッズ対ゼルビアでも、そのコトを体感させられた。

その試合では、誰もが危機感(恐怖心)を抱くような「突貫小僧ドリブル」をブチかませる中島翔哉が、不在だったんだ。

彼は、ドリブルだけじゃなく、そのドリブルに威力があるからこそ、必殺スルーパスにも、ものすごく高い「実効レベル」を載せられる。

その試合で、レッズは、悔しい敗北を喫したわけだけれど、その大きな要因の一つが、突貫小僧ドリブルの不在だったと思うのさ。

そして・・

そう、そんな仕掛けツールが揃ったときに、はじめて、放り込みクロスや、ミドル弾、セットプレーでの「狡猾なプラニング」も、より高い実効レベルで、活かされるっちゅうわけだ。

あっと、書きすぎ・・

ということで・・

このゲームの総評としては、攻守にわたって、ほぼイーブンの「せめぎ合い」を魅せた両チームだったけれど・・

最後の「ゴール機会の量と質」という視点では・・

そう、FC東京に、(僅かな!?)一日の長があったとするのが、フェアかも知れない。

もちろん・・

サガン鳥栖がブチかました、積極的&攻撃的なサッカーは、「美しいプロサッカーの隆盛を支える」という意味で、称賛に値するけれど・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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