湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第18節(2024年6月15日、土曜日)

 

戦術イメージングという「カタチ」から解放されてからの(!?)レッズは、立派な、主体性プレーを魅せ、惜しいところまで追い上げた・・相手は、強い、小菊昭雄セレッソだから、そこで得られた体感は、次につながる・・(セレッソvsレッズ、2-1)

 

レビュー
 
そういうコトなんだろうね・・

この試合でのヘグモ浦和レッズのプレー姿勢・・

それが、徐々に「解放」されていったって感じられたんだ。

そう・・

セレッソに、二つ目のスーパーシュートをブチ込まれ、2点リードを奪われてからの時間帯ね・・

もちろん、そこからのレッズは、もう何も「失うモノ」がなくなったっちゅうことね。

だから彼らのプレー姿勢が、より、積極的&攻撃的なボール奪取プロセス(守備)をブチかませるまでに、高揚していったんだ。

そして、その、ダイナミックなプレー姿勢は、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)にも、反映されていった。

そう、解放されたサッカー・・

もちろん、それは、自ら、攻守ハードワークとリスクチャレンジの可能性を、探しまくるような、「主体性プレー」のコトだよ。

たしかに、マティアス・ヘグモは、優れたプロコーチだと思うよ。

彼に関するポジティブ評価は、わたしも、ドイツ経由で、聞いている。

でも・・

チーム&ゲーム戦術イメージングを、カチッと「表現し、浸透させすぎた」場合・・

もちろんチームは、そのイメージングベースを踏襲しようとする。

でも、多くの場合、特に、チームの全体的な「調子」が良くない場合・・

チームの全体プレー内容は、変に、縮こまっていくモノなんだよ。

そんな、どちらかといったら「受け身のプレー姿勢」に対して・・

自分から(積極的&攻撃的にっ!!)、仕事を探しまくるってな態度が、前面に押し出されるような雰囲気が出てきたら・・

チームの機能性は、必ず、高揚してくるモノなんだ。

もちろん、失うモノがなくなった場合は、選手全員が、自然と、そんな「積極&攻撃モード」に入っていくよね。

そう、2点リードを奪われてからのレッズ・・

彼らは、目標イメージが明確になったことで、全員が、まず、ボールを奪い返そうと、目の色を変えた。

だからこそ、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の「勢い」も、倍増した。

そして、リンセンのヘディングで、1点差に迫った後・・

スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の勢いも、天井知らずってな感じで高揚していった。

それは・・

選手たちの「解放された主体性」に、あふれていたからに、他ならない。

そして後半86分・・

このゲームで、もっともスーパーな、ゴール機会シーンが訪れる。

左サイドの大畑歩夢から横パスを受けた、興梠慎三。

スッと、なかへワンタッチトラップを魅せ、そのまま中央ゾーンのリンセンの足許へ、強いパスを送り込むんだ。

ほぼ同時に・・

リンセンの前方にいた渡邊凌磨が、リンセンの眼前スペースへ抜け出した。

そして、そこへ、ベストタイミングのダイレクトパスが送り込まれたっちゅう次第。

そう、それは、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが成就しかかった瞬間だった。

わたしも、完璧にフリーズさせられた。

でも・・

そう、渡邊凌磨が放った、渾身の左足シュートは、セレッソキャプテン、西尾隆矢にブロックされちゃうんだ。

最後の、渡邊凌磨にボールが渡るまでの、素晴らしい人とボールの動きは、まさに、理想的な、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションだった。

鳥肌が立った。

ということで、この試合・・

ヘグモ浦和レッズの、主力(パフォーマンス・キャリアー)とも言える、サミュエル・グスタフソンと中島翔哉が、ケガで不在だった。

また、前節マッチで、調子をアップさせた、オラ・ソルバッケンも、不在だった(ケガ!?)。

それでもレッズは、前述したように、失うモノが何もなくなってからは、立派な「主体性プレー」をブチかましつづけた。

たぶん、その「体感」は、確実に、次につながると思う。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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