湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第2節(2024年3月1日、金曜日)

 

これって、歴史に残る「ドラマ」だった!?・・ここでは、時間を追って、そのドラマのメインコンテンツをピックしました・・また、両チームのPK・・まさに勇気が凝縮したスーパーPKだった・・(フロンターレvsジュビロ、4-5)

 

レビュー
 
わたし・・

レベルを超え「過ぎた」ドラマ゛たったから、それを文章に落とす自信は、ないね。

とにかく、文章家ではないと自認している筆者だから・・さ。

ということで・・

このゲームの、ドラマチックな要素を、箇条書きでピックアップすることにしました。

・・まず何といっても・・

・・強いチームのホームゲームという基本シチュエーションがある・・

・・でも、そこで、アウェーチームが・・

・・シチュエーション的には、「エッ!?」てな感じの、唐突なゴールを、三つもブチ込んじゃう・・

・・あっ、2点目の、ジャーメイン良のヘディングシュートは、見事に一言だったけれどサ・・

・・とにかく、アウェーチームが、0-3ってなリードを奪っちゃったのが、ドラマの「取っ掛かり」・・

・・でも、強いチームは、そこから、これぞ本物のゴール機会ってなチャンスを何度も創りだし・・

・・見事に、同点まで追いついちゃうんだ・・

・・前半36分エリソン、後半10分エリソン、そして後半14分にマルシーニョ・・

・・これで、3-3・・

・・フ〜〜ッ・・

・・普通だったら、これで、レベルを超えたドラマだったってなコトになるよね・・

・・でも、そこから、どんどん「レベルを超えて」いっちゃう・・

・・まず、横内昭展ジュビロが・・

・・そう、勇気マンマンの、積極的&攻撃的なボール奪取プロセス(守備)を絶対ベースに・・

・・素晴らしくダイナミックなスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)をブチかましていくんだ・・

・・そこで、ジャーメイン良の、タテへの全力の抜け出しに、スーパーなスルーパスが通っちゃう・・

・・そして、抜け出したジャーメイン良を、フロンターレGKチョン・ソンリョンが、身体で倒す・・

・・PK・・

・・そのPKを、ジャーメイン良が、チョン・ソンリョンに「読まれて」いたにもかかわらず、見事に、ゴール左上角に、ブチ込んじゃう・・

・・そのPKのコースと強さは、まさに「勇気が凝縮した」と表現できるモノだった・・

・・後半34分のことだった・・

・・でも、ドラマは、終わらない・・

・・そこで、フロンターレ鬼木達は、一挙に「4枚替え」をブチかますんだ・・

・・それまで、エリソンとともに、フルパワーで、チェイス&チェック(守備)と、ものすごく危険なドリブル突破チャレンジを繰り返していたマルシーニョ・・

・・また、超絶の「才能プレー」をブチかましつづけていた家長昭博・・

・・この2人は、それまで、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でキーパーソンだった・・

・・そんな彼らを、フィールドから、お役後免にしちゃうんだ・・

・・チト、首をかしげた・・

・・たしかに、それでも・・

・・フロンターレは、仕掛けの「勢い」だけは、高みでキープしていた・・

・・とはいっても・・

・・マルシーニョと家長昭博が、肝心なトコロで創りだしていた、ものすごく危険な「最終勝負の流れ」は、うまく創りだせなくなっていたよね・・

・・そんなコトを思っていたとき、コトが起きるんだ・・

・・そう、交替出場した、山田新が、右サイドを駆け上がり、スルーパスに追いついたんだ・・

・・そのカバーリングに突っ込んでいったのは、ジュビロ守備の重鎮リカルド・グラッサ・・

・・でも彼は、最後の最後のトコロでボールに触れず、山田新を引っ掛けてしまうんだ・・

・・これで、今度は、フロンターレに、PKが与えられた・・

・・ここで、もう一つの「タイプ」のドラマが展開されるっちゅうわけだ・・

・・そう、「オレに蹴らせてくれ〜っ!!」ってなオーラを放散しながらボールを抱え込む、山田新・・

・・たしかに、彼が、リカルド・グラッサのファールを誘って、PKを獲得した・・

・・それでも・・

・・誰もが、そんな、「もう一つのドラマ」を注視していた・・

・・そして・・

・・山田新が、半分、諦め気味に、エリソンにボールを譲ったんだよ・・

・・でも・・

・・そう、次の瞬間、そのエリソンが、山田新の胸に、ボールを突っ返したんだ・・

・・オマエ、、蹴れっ!!・・

・・そこからの「PK心理ドラマ」は、もう、レベルを超えていた・・

・・新加入の、山田新・・

・・それも、交替出場したばかり・・

・・そして、自分が、自身を「追い込む」ように、エリソンにPKを譲らせたってなシチュエーション・・

・・わたしも、「この選手はダイジョウブなのか?」なんて、いらぬお世話の心配までしちゃったよ・・

・・でも、「全世界」が注視する、PKの瞬間、山田新は・・

・・ものすごいスピリチュアルエネルギーを放散しながら、「勇気」が凝縮したシュートを、左サイドの上角へ、ズバッとブチ込んじゃうんだよ・・

・・これで、4-4・・

・・そして最後は・・

・・またまた、タテへタイミング良く抜け出した、ジャーメイン良とフロンターレ選手との絡み合いから、そのフロンターレ選手のハンドを誘って、PK・・

・・もう、いい加減にしろよっ!!・・

・・そんな、(神様のいたずらに対する怒りの!?)心の叫びが口をついてたモノさ・・

・・あっ、スミマセン・・

・・そして、ジャーメイン良が、与えられたPKを蹴るわけだ・・

・・2度もつづいた、PKによる「心理ドラマ」・・

・・そして、その3度目のPKが・・

・・またまた、「勇気が凝縮した」素晴らしいシュートとなって、ゴール左上角へ飛び込んでいった・・

・・このゲームで発生した「三つのPK」は、すべてが、見事なゴールになった・・

・・まあ、普通だったら、あり得ない・・

・・そこでの、キーワードは、何といっても、勇気・・

・・そういえば、ダゾン試合後インタビューで、ジャーメイン良が、こんなコトを言っていた・・

・・今日は、勇気を振り絞ったからこそ、満足のいくサッカーができた・・

・・そう、その「勇気」という表現は、横内昭展が、グラウンドへ出ていく戦士たちに、おくった言葉らしいんだよ・・

・・開幕戦では足りなかった「勇気」を、このゲームではグラウンドにぶつけよう・・

・・そういって、ジュビロの強者どもを、グラウンドへ送り出したプロコーチ横内昭展・・

・・よい仕事をしているじゃないか・・

ということで、これまでで最高にエキサイティングな(!?)ドラマが、完結したっちゅう次第でした。

あ〜〜、面白かった。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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