湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第22節(2024年7月6日、土曜日)

 

山口智ベルマーレが、最後の最後まで、ブチかましつづけた、攻守ハードワークとリスクチャレンジあふれるダイナミックサッカーに対し、サッカー仲間として、心からの称賛と感謝の拍手をおくります・・(レッズvsベルマーレ、2-3)

 

レビュー
 
すごかったネ〜、ベルマーレの「粘り」・・

いや、粘りというか・・

それは、「執念の積極的&攻撃的サッカー」といった方が、ピタリとはまる。

そう、山口智ベルマーレは、最初から、最後まで、勝ち点3を、なんとしても掴み取ろうと、これ以上ないほどの「覚悟と執念」を、燃やしつづけたんだ。

攻守ハードワークとリスクチャレンジに溢(あふ)れかえるような、積極的&攻撃的サッカーをブチかましつづけたベルマーレ。

とにかく、見応え十分の、魅力的サッカーだった。

もちろん、そんな、レベルを超えた「ガンバリ」の心理バックボーンは・・

彼らが、「降格リーグ」でも、ギリギリのボーダーラインを超えそうなランクにいるという現実。

彼らが、決して諦めることなく、最後の最後まで、まさに全精力を傾けて「闘い」つづけたのも、頷けるっちゅうモノだ。

そして彼らは、結果まで、掴み取った。

闘い・・

もちろん「それ」は、自分との闘いも含む。

ベルマーレがブチかましつづけた、攻守ハードワークとリスクチャレンジを観ていると・・

彼らが、一人の例外もなく、「自分の弱さ」を乗り越えつづけていたと、感じられる。

もちろん、その背景には・・

優秀なプロコーチ、山口智による、「何か」を超越するような、優れた「心理マネージメント」が、あったということなんだろうね。

わたしは・・

そんなベルマーレの、立派なサッカーを観ながら、不確実なサッカーが、究極の心理ボールゲームという真実を、噛みしめていたっけ。

ところで、ヘグモ浦和レッズ・・

ゲームが流れていくなかで、彼らは・・

そんなベルマーレの「勢い」に、何度も、呑み込まれそうになりながらも、逆に、イニシアチブを握りかえすだけじゃなく、逆転ゴールまでブチ込んじゃうんだよ。

そう、後半も、残り15分というタイミングで、チアゴ・サンタナが逆転ゴールをブチ込み、レッズが、「2-1」のリードを奪ったんだよ。

わたしは、その、ドラマチックな逆転ゴールを観ながら、「これで、たぶん・・」なんて、安易に考えてしまっていた。

でも・・

そう、皆さんもご覧になった通り・・

ベルマーレは、そんな逆転ゴールに「めげる」雰囲気など、まったく感じさせず・・

その後も、攻守にわたって、積極的&攻撃的サッカーを、ブチかましつづけたんだ。

どうなんだろうね〜・・

チアゴ・サンタナの逆転ゴールが決まってから、レッズの雰囲気が、少し「イージー方向」へ、偏っていったのかもしれない。

その「イージーな雰囲気」は、もちろん、攻守にわたる、ボールがないところでのアクションの量と質に、如実に(ネガティブに!)反映される。

後で、その視点で、ゲームを見直してみよう。

とにかく・・

このゲームで、ベルマーレがブチかましつづけた、「サイコロジカル・パワー」には、格別のコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されていた。

山口智ベルマーレからは、またまた、貴重な「学習機会」を与えられることになった。

とにかく、彼らには・・

同じサッカー仲間として、心からの称賛と感謝の拍手をおくります。

============

最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





[トップページ ] [湯浅健二です。 ] [トピックス(New)]
[Jデータベース ] [ Jワンポイント ] [海外情報 ]