湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第25節(2024年8月7日、水曜日)

 

相手は、「あの」強いミヒャエル広島サンフレッチェ・・だからこそ、そこで城福浩ヴェルディが魅せた、立派なサッカーには、とても貴重な、普遍的コノテーション(言外に含蓄する意味)が、内包されていた・・(ヴェルディvsサンフレッチェ、0-1)

 

レビュー
 
城福浩ヴェルディにとって、内容的に、とても、とても残念な結果になった。

ところで、その城福浩ヴェルディ・・

彼らは、ホントによくなっている。

まさに、サッカーの「王道」をいく、進化&深化のベクトルじゃ、ないか。

サッカーでは、ゲーム展開が、瞬間的に、白から黒へ、黒から白へってな具合に、大きく変わる。

イレギュラーするボールを足で扱うサッカーだから、当たり前の「メカニズム」なんだよ。

だからこそ選手たちは・・

それぞれの状況で、記憶タンクに溜めている「体感イメージング」を駆使し、自分が最良と思ったプレーを、勇気をもって、実行していくんだ。

それこそが、クリエイティビティ(創造性)の大原則だし、そこでの勇気あるリスクチャレンジこそが、進化&深化の、絶対ベースなんだよ。

そうそう・・

このゲームは、雷雨のために、1時間半も、中断したんだっけ。

だから、そのあいだ、セレッソ対ゼルビアを、観ていた。

そして、思った。

・・たしかに、ゼルビアは、その戦術的な徹底度に、脂が乗りはじめている・・

・・ボール奪取プロセス(守備)での、忠実&ダイナミックな、チェイス&チェック(寄せ)・・

・・そしてボールを奪い返したら、安全&安定な足許パスをつなぎながら、最終勝負のカタチに、もっていく・・

・・そう、一発勝負のクロスや、放り込み・・

・・そして彼らは、そこでの「こぼれ球」を、ものすごい集中力で、狙いつづける・・

たしかに、そのやり方(戦術的な考え方)では・・

ボールを奪い返せる可能性をアップさせられるだろうし・・

また、シュートチャンス(ゴール機会)を創りだせる確率だって、比較的高いだろうな。

でもサ・・

そんな徹底(戦術)サッカーで、選手たちのクリエイティビティ能力がアップするかといったら、大きな疑問符がつく。

わたしは・・

・・「変化こそ常態」という、哲学の絶対ベースが示唆しているように・・

・・The only constant since time began is “change”ね・・

・・サッカーでは、攻守にわたって、いかに、「変化」に対応できるか・・

・・また、いかに、相手のイメージングのウラを突く「変化」を、創りだせるか・・

・・そんな発想こそが、サッカーコーチングの大原則だと思っているんだよ。

そこでは・・

決して、選手たちを(そのイメージングを!)、あるカタチに押し込めちゃいけない。

そう、選手たちは、人間であり、ロボットじゃないんだ。

そして、もう一つ・・

もし選手たちが、サッカーの大原則である、「自由」を制限されたら、それは、確実に、彼らの可能性(前向きな意識と意志ポテンシャル!)を逆流させちゃうんだ。

もちろん、そんな「自由」を謳歌できるためには・・

選手たちの「意識と意志ポテンシャル!」を、最高レベルへ引き上げなきゃいけない。

そして、多くの場合、選手たちの「意識と意志ポテンシャル!」を、高めていくプロセスが、理想的に進められず、うまく勝ち点を積み重ねられないままに、失速しちゃう。

だからこそ・・

そう、徹底(戦術)サッカー的な「やり方」と・・

リスクチャレンジ因子を内包する「やり方」・・

それらを、うまく使い分けるというのが、長いシーズンを闘ううえでの、プロコーチのミッションなんだろうね。

それでも・・

将来へむけた「進化&深化」を、効果的に推し進めていくための唯一の「やり方」が・・

リスクチャレンジ溢れる、積極的&攻撃的サッカーであるという事実は、誰にも変えられない。

そう、このゲームで、城福浩ヴェルディが、魅せつづけたようにね。

相手は、「あの」素晴らしいサッカー内容の、ミヒャエル広島サンフレッチェだったから・・

そこで魅せた、立派なサッカーには、ものすごく貴重な、普遍的コノテーション(言外に含蓄する意味)が、内包されているっちゅうわけだ。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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