湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2024年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第27節(2024年8月17日、土曜日)
- 守備が「堅い」両チームの対峙・・だから、ゴール機会ではなく、中盤での「攻守せめぎ合い」に、エキサイティングな見所が満載だった・・また、鈴木優磨と中島翔哉という「アクセントプレイヤー」の内実も、比べてみましたよ・・(アントラーズvsレッズ、0-0)
- レビュー
-
- 内容は、見所満載のエキサイティング・コンテンツへと、ゲームのなかで「成長」していった。
それでも・・
そう、両チームともに、ボール奪取プロセス(守備)が、とても「堅い」んだ。
だから、攻守の「せめぎ合い」という視点じゃ、たしかにエキサイティングではあったけれど、ゴール機会を創りだすという視点では、逆に「静」の印象の方が強かった。
たしかに・・
カウンター気味の「タテに速い」スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、特に前半のレッズが、多くのゴール機会を創りだした。
でも、「組織と個のバランス」という視点では、アントラーズに、一日の長ありというのが、わたしの正直な印象だった。
たしかに、人とボールの動きという「組織プレー」では、まあ、互角。
でも、そこに絡んでくる「個のプレー」では、アントラーズに軍配が挙がるという印象なんだ。
その象徴が、鈴木優磨。
彼は、ドリブル勝負といった、典型的な「個の勝負プレー」だけじゃなく、周りのチームメイトを、ほんとうに巧く活用しちゃう。
そんな、「個人プレーのなかの組織プレー」が、素晴らしいんだ。
そう、ボールキープ(タメ)と、そこから繰り出す、絶妙な勝負パスね。
わたしは、そんな、周りを巧く利用する「組織プレー」という視点で、途中から交代出場したレッズの中島翔哉にも、大いに期待していたんだよ。
でも、結局は・・
勝負シーン(ゴール機会)を創りだすどころか、「安全パス」ばかりが目立ってしまっていた。
ケガの後遺症!?
それは、分からないけれど、わたしは・・
今シーズンの中島翔哉がブチかましつづけた・・
「個の勝負プレー」と、そこからの、ドリブルシュートや、決定的「勝負パス」を、ものすごく効果的に使い分ける「才能プレー」を期待していたんだよ。
彼のプレーコンテンツからは、落胆しか残らなかった。
何だろうネ・・
何度も、大きなケガを経験したことで、積極的&攻撃的に「個の勝負プレー」をブチかましていくための、「フッ切れたマインドや勇気」が、足りない!?
難しいネ・・
とにかく、局面での、リスキーな「勝負プレー」は、結局は、個人の心理ファクターで決まってきちゃうわけだからね。
そう、「恐怖を克服する」勇気とか、心配や不安なんていうネガティブ感性を超越する、「ゾーン」に入り込む、フッ切れたマインドとか・・
まあ、表現は、難しいけれど・・
ということで・・
全体からすれば、まあ、ドローがフェアな結果だったという評価が妥当なんだろうね。
============
最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
-
===============
重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
==============
ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
-
-
-
-