湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第3節(2024年3月9日、土曜日)

 

超絶の徹底サッカーが、炸裂した・・(ゼルビアvsアントラーズ、1-0)

 

レビュー
 
・・やるコトが、決まっている・・

・・迷いなく、プレーできている・・

黒田剛ゼルビアの選手たちが、そんなコトを言っていたとか。

フムフム・・

このゲーム、その表現だけで、完璧に、表現できちゃうって感じるよ。

とにかく・・

ゼルビアが展開した、「徹底サッカー」は、見事の一言だったんだ。

ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)にしても。

まずボール奪取プロセス(守備)だけれど・・

とにかく、チェイス&チェック(寄せ)が、ハンパなく、忠実でダイナミックなんだ。

特に、前半は、アントラーズ選手たちが、「タテへの仕掛けイメージング」を、アタマに描写できないほどの勢いで、前からプレスをブチかました。

そう、アントラーズ選手たちは、まったく余裕が、もてなかったんだ。

ゼルビアは、それだけじゃなく、次の局面デュエルに絡む、マーキング&カバーリングが、特筆に「忠実&ダイナミック」なんだよ。

冒頭の、「やるコトが決まっている」っちゅう表現そのままに、自然とカラダが動いちゃう。

ものすごく高い、実効レベルの、「オートマティゼーション」っちゅうわけだ。

そうか・・

ゼルビアが展開するサッカーのキーワードは、攻守のオートマティゼーション・・!?

イメージングと身体アクションに、まったく「切れ目」がないわけだからね。

またスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも・・

そう、これまた、素晴らしく徹底している。

彼らのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)じゃ、ホントに、横パスやバックパスが、少ない。

チャンスがあれば、必ず(!)タテへ、仕掛けていくんだよ。

そして、狙い目を逃さず、迷わずに、クロスを送り込む。

そう、冒頭で書いた、「迷いの無いプレーができている・・」っちゅうコトね。

このゲームでの、決勝ゴールシーンでも・・

ボールを奪い返したゼルビアは、「そこ」から、柴戸海が、迷いなく、ダイレクトで、タテへ仕掛けパスをブチ込んだ。

このダイレクトでの仕掛けパスについて、この試合で、エネーチケー解説を担当した、森岡隆三も、絶賛していたっけネ。

その、素早く正確な、ダイレクトのタテパスがあったからこそ、それが、平河悠の決勝ゴールにつながった。

ゼルビア選手たちは、「足許のテクニック」がしっかりしているだけじゃなく・・

「どのように仕掛けていくのか・・」というグループ&チーム戦術テーマについて、確実に、「イメージング・シンクロ」を構築している。

後半・・

たしかにアントラーズが攻め上がり、イニシアチブを握るシーンがつづいた。

それでも、アントラーズが創りだせたチャンスは、まさに、数えるほど。

逆に何度か、ゼルビアの必殺カウンターに、追加ゴールを奪われそうになった。

とにかく・・

ゼルビアが、ブチかます「徹底サッカー」には、実が詰まっているって感じるよ。

微妙だね〜・・

美しくはないし、魅力的でもない。

それでも、たしかに、結果を残すという視点じゃ、スーパーな効率を魅せる。

何といったって、黒田剛は、高校サッカーの名将だからネ。

「そこ」じゃ、プリンスリーグが始まる前は・・、まあ今でも、大会は、一発勝負だけ!?

そう、負けたらおしまい。

たぶん黒田剛は、教え子に、なるべく「長く」サッカーを楽しませたいと、こんな「方向性」のチーム&ゲーム戦術を考えだし、それを徹底させたんだろうね。

それは、それで、理解できる。

ということで・・

これからも、彼らの「動向」を、できるかぎり注視していこううと思っている筆者なのだ。

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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