湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2024年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第32節(2024年9月27日、金曜日)
- この日の鬼木達フロンターレが、様々な意味で、「フッ切れた」美しい質実剛健サッカーを魅せてくれたコトは、確かな事実だった・・(フロンターレvsアルビレックス、5-1)
- レビュー
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- このゲームからピックするテーマだけれど・・
それは、やっばり、人とボールの動き・・かな。
そう、鬼木達フロンターレが魅せつづけた、美しい、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)を、ディスカッションの中心に据えたいんだよ。
もちろん、松橋力蔵アルビレックスも、しっかりとボールを支配しながら、危険な攻めを「創れる」だけの実力を秘めている。
でも・・
そう、アルビレックスの場合は、どうも、一つひとつのステーション(ボールホルダー≒次のパスレシーバー)のところで、ボールの動きがスムーズに流れないんだ。
それに対して、鬼木達フロンターレでは・・
とにかく、スムーズに(とても素早いリズムで!)人とボールが、動きつづける。
彼らの場合は、その人とボールの「動きのリズム」もまた、とても大事なファクターだよな。
そんな「素早いリズム」で、人とボールが動かすことで、次、その次の勝負スペースへの、ボールがないところでの「動き」も、加速させられるっちゅうわけだ。
わたしは、そんな「人とボールの動きの連動メカニズム」について、「イメージング」こそが、もっとも大事なファクターだと、主張する。
イメージング・・
ボールホルダーや次のパスレシーバー、ワンツーの「壁」になる選手や、その周りで、仕掛けのフリーランニングをブチかます3人目、4人目の仲間たちが、脳裏に描くイメージのこと。
そして、そんな「複数のイメージ」が、どの程度うまくシンクロしているかこそが、成功のための決定的ファクターなんだよ。
・・一人が、タテパスを受ける・・
・・その選手は、事前に、まわりの味方のポジションや動きを、イメージングできている・・
・・もちろん・・
・・その(まわりの)味方選手も、また、次のパス展開をイメージングできている・・
・・だからこそ・・
・・そう、「ワン・ツー・スリー」なんていう、美しい、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションだって、成就させられる・・
・・それだけじゃなく、その人とボールの動きに、3人目や4人目のチームメイトが、同じ「イメージング」を描きながら、その「勝負の流れ」に乗っていく・・
・・そんな、人とボールの動きは、相手ディフェンスのイメージングを「超越」する・・
・・だからこそ、ウラの決定的スペースだって、パスを組み合わせること(人とボールの動き)によって、うまく攻略できるっちゅうわけだ・・
よく、鬼木達が、こんな表現をする。
・・出して走る、出して動く・・
シンプルな表現だけれど・・
そこには、人とボールの動きを「加速させるエッセンス」が内包されている。
そう、相手守備のイメージングを「超越」する、人とボールの動き・・ね。
そして・・
そんな、人とボールの動きが、うまく機能しているからこそ・・
マルシーニョに代表される才能ドリブラーによる「個の勝負」も、より効果的に、活かさせるっちゅうわけだ。
あっと、ゲームだけれど・・
フロンターレが、これまた素晴らしいコンビネーションからの2点目を奪ってからは、松橋力蔵アルビレックスも、しっかりとボールを保持しながら、攻め上がっていった。
ただ、前述したように・・
そこでの、人とボールの動きに、うまく「勢い」を乗せられない。
彼らは、素早い「ボールの動きのリズム」を、うまく演出できないんだよ。
そう、各プレイヤーの「イメージング」が、うまくシンクロさせられていない。
そして、だからこそ、各ステーション(ボールホルダーや次のパスレシーバー)のところで、ボールの動きが、停滞気味になってしまう。
そんなだから、アルビレックスのボールの動きは、常に、フロンターレ守備の「守備イメージング」の餌食になってしまうのも道理。
いや、もちろん・・
そう、松橋力蔵アルビレックスのサッカーは、十分に美しく、魅力的なんだよ。
でも、「この日のフロンターレ」のフォームは、攻守にわたって、レベルを超えていた。
たぶん・・
そう、ウルサンと対峙した、ACLエリート試合で、「あの」劣悪なピッチにもかかわらず、粘勝をおさめたコトが、殊の外、彼らの自信と確信を深めた・・!?
まあ、とにかく・・
この日の鬼木達フロンターレが、様々な意味で、「フッ切れた」美しい質実剛健サッカーを魅せてくれたコトは、確かな事実だった。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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