湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2024年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第33節(2024年10月4日、金曜日)
- まさに、サッカー「的」なドラマを完結させた、アビスパ小田逸稀のスーパー決勝ゴール・・ビックリした・・(アビスパvsグランパス、1-0)
- レビュー
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- 11試合、勝てていない、長谷部茂利アビスパ・・
対する、長谷川健太グランパスは、前節まで、3連勝と調子を上げている。
前半・・
そんな両者の、「現状」を反映するような、ゲーム展開になった。
まったく、効果的にスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)を繰り出せない、アビスパ。
それに対して、ゲームを支配しながら、何度も、まさに100%ってなゴール機会を創りだしてしまうグランパス。
たしかに、決定機をゴールにつなげられずにいたけれど、ゲームのイニシアチブは、完全に、長谷川健太グランパスが、握っていた。
そんなゲーム展開を観ながら、思った。
・・これは、このまま、ゲームの趨勢は、グランバスに傾きつづけるんだろうな・・
そんな判断は、グランパスの、ボール奪取プロセス(守備)の内実が、とても充実していたからに他ならない。
だからこそグランパスは、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、ボールがないところでのアクションの量と質をアップさせることで、危険な「最終勝負」をブチかましていけたんだ。
そして、案の定・・
後半になっても、グランパスの、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の勢いは、まったく減退する気配をみせなかった。
そして・・
前半でも、2本あったけれど、後半の立ち上がりでも・・
グランパスの北欧(デンマーク)ストライカー、キャスパー・ユンカーが、二度も、決定的ゴール機会を創りだしちゃうんだ(左ポストとバー直撃シュート!!)。
でも、決め切れない・・
そして・・
そう、今度は、ホームのアビスパが、イニシアチブ(勝負の流れ)を握り返しはじめるんだよ。
チト、信じられないゲーム展開の「変遷」ではあった。
でも、だからこそ私は、そんな「逆転現象」のバックボーンに、思いをめぐらせるわけさ。
もちろん、アビスパの、特にチェイス&チェック(寄せ)の勢いも含め、ボール奪取プロセス(守備)の実効レベルがアップしたことは言うまでもない。
そして、その現象を、もう少し深掘りしたら・・
やっぱり、後半の時間の経過とともに、アビスパが、「意識と意志ポテンシャル」を、何倍にも増幅させたって感じられたんだよ。
そんな、心理・精神ファクター増幅のバックボーン・・
そのキッカケになったのは、たぶん・・
・・前述した、キャスパー・ユンカーの、決定的なゴール機会だったのかもしれない。
そう、ネガティブな「刺激」・・
それで、アビスパ選手たちは、落ち込むのではなく、完璧に「フッ切れた」!?
・・このままだったら、いつかは、やられちゃう・・
・・そんなコトになったら、惜敗なんてことじゃなく、まさに恥ずべき敗戦ってなコトになる・・
・・そんなコトには、耐えられない・・
そう、そんな、ネガティブ刺激・・
そしてアビスパ選手たちの、攻守ハードワークとリスクチャレンジ姿勢が、何倍にも、アクティベートされたんだよ(あっ・・オレの感性的な評価ね)。
また、そこでは・・
グランパスの長谷川健太が仕掛けた、選手交代にも、ゲームペースの「変動」のキッカケが潜んでいたのかもしれない。
そう後半10分に、三人のプレイヤーを交替させたんだよ。
キャスパー・ユンカーだけじゃなく、前半から、チャンス創造の主役を演じていた、山岸祐也と山中亮輔。
わたしのアタマのなかでは、クエスチョンマークが、踊りまくっていた。
なんで・・??
そして、グランパスの、サッカーの「熱量」が、いや、ボール奪取プロセス(守備)でのダイナミズムが、徐々にダウンしていったんだ。
だから、グランパスが、ゲームを支配されるなかで、何度も、ピンチを迎えちゃうのも、道理。
とはいっても・・
そう、アビスパのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)には、何か、「一味」が足りない。
彼らは、ここ数試合で、ゴールを奪えていない。
その「一味」については、アビスパのコトを、詳しく知らない筆者だから、突っ込まない。
たぶん、長谷部茂利のコトだから、その背景は、十二分に、理解しているはず。
サッカーには、二度と同じプレーはないわけだから・・ね。
そして・・
「まあ、このままドローかな・・」なんて思いはじめていた後半43分、コトが起きた。
ロングスローからのこぼれ球を、アバウトなヘディングを二つつなげることで、右サイドでフリーになっていた小田逸稀の足許へ、ボールが、コロコロ・・
そして、まさに「フッ切れた」小田逸稀が、右足ダイレクトで、グランパスゴールへ、シュートを叩き込んだっちゅうわけだ。
その瞬間、ビックリし、フリーズしちゃったよ。
もちろん素晴らしい決勝ゴールだったのは、確かな事実。
そして、思っていた。
・・あっ、これで、まさに、サッカー「的」なドラマが完結した・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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