湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2024年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第33節(2024年10月5日、土曜日)
- 今日のレッズは、足が動かない、「アナタ任せ」のプレー姿勢に終始・・それじゃ、ホントに、お先真っ暗だぜ・・とにかく、マチェイ・スコルジャの、心理マネージャーとしての「ウデ」に期待するしかない・・(レッズvsセレッソ、0-1)
- レビュー
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- これは、重症だ。
前節マッチもそうだったけれど・・
とにかく、人の動き(意識と意志ポテンシャル!)が、最低レベルなんだ。
自分がからんだプレーの後、次のアクションが、まったく連動しない。
そして、例外なく、足を止めちゃう。
そこには、パス&ムーブなんていう「イメージ」なんて、アタマの片隅にもない!?
それじゃ、人とボールの動きを、加速することなんて、出来るはずがない。
前半のレッズのサッカーを観ながら、腹立たしい思いにかられていた。
特に、前戦プレイヤー。
攻守にわたる「動き」を活性化させるための守備は、「そこ」から、はじめなきゃダメなんだ。
そう、最前線からの、「ホンモノ」の、チェイス&チェック(寄せ)を活性化しなきゃ、レッズのサッカーが、沈滞の奥底まで落ち込んでしまう。
要は、闘う意志という、「とらえどころ」のない、心理・精神的バックボーンが、まったく充実していないということ。
たぶん・・
・・オレが「行った」って、どうせ(!!)チームメイトは、付いてこない・・
・・という消極マインドで、すべてが、様子見になってしまっているんだ。
とにかく、いまのレッズの低迷は、「戦術」なんていうレベルじゃなく、もっと深層の、心の問題としてとらえなきゃいけないと思う。
後半・・
たしかに、少しは「動き」がもどったけれど・・
それでも、攻守にわたって、ボールがないところでのアクションの量と質は、まったくといっていいほど、高揚していかない。
そんな体たらくを観ながら、私は・・
監督の、効果的な「心理マネージメント」だけじゃなく、チームのコアとなるべき「心理的リーダーシップ」も、欠けていると感じていた。
そりゃ、一朝一夕に解決する問題じゃないわけだけれど・・
ところで、原口元気・・
わたしも、少しは期待していたけれど・・
前節のプレー内容も含めて、まったくといっていいほど、「自らアクション」を起こしていかない。
ハードワークとリスクチャレンジ(創造的な仕事!!)を、自ら探しまくる・・なんていう態度とは、かけ離れたプレー姿勢なんだよ。
そして、ボールをもっても、単なる「安全パス」に逃げるばかり。
一度だけ、中盤で、タテのスペースをつなぐ高速ドリブルは、魅せたけれど・・
意義あるプレーは、単に、それだけ・・
彼に期待するのは、中盤でのリーダーシップじゃ、なかったのか?
リーダーシップは、自らのアクションで引っ張っていけなければ、ホンモノには、決してならない。
それについては、以前のコラムも、ご参照あれ。
とにかく、彼は、率先して攻守ハードワークとリスクチャレンジを「探しまくる」ような、主体性プレー(闘う意志!)を、魅せなければいけないのではないか??
退任したヘグモ監督については、少し選手たちを、戦術的なイメージに引っ張りすぎ(カタチから入りすぎ!?)だとは感じていた。
そして・・
期待していた、マチェイ・スコルジャ「も」、選手たちの「闘う意志」を高揚させられないのか!?
たしかに・・
中島翔哉と小泉佳穂が入ってからは、すこしは、攻守にわたる、ボールがないところでのアクションの量と質が、アップした。
面白いモノで、チームのなかで、人とボールの動きが活性化すれば、その「活力」が、チーム全体の「人とボールの動き」に、ダイナミズムを与えるモノなんだ。
もちろん、ボール奪取プロセス(守備)の活性化こそが、その、唯一の原動力なんだ。
そんな効果をもたらした、二人の交替選手という「刺激」!?
そして、レッズの、ボール奪取プロセス(守備)における「熱量」がアップする。
そして、それに呼応するかのように、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での、ボールがないところでのアクションの量と質も、明らかに高揚していった。
そんなポジティブ変容を、感じながら・・
こちらは、同点ゴールへの期待が高まったモノさ。
でも・・
そう、そんな期待が充たされることなく、タイムアップのホイッスルを聞くことになった。
とにかく・・
いまのレッズは、攻守ハードワークとリスクチャレンジを、主体的に探しまくるという「プレー姿勢」を充実させなければ、ジリ貧のベクトルに、乗ってしまう。
たしかに、戦術は、大事さ。
それでも、「それ」を、積極的&攻撃的に「機能」させるための「絶対ファクター」は、選手一人ひとりの「意識と意志ポテンシャル」だからネ。
今日のゲームのように、全員が、足を止め、「アナタ任せ」の姿勢でプレーしているようじゃ、もう、ホントに、お先真っ暗だぜ。
まあ、マチェイ・スコルジャのことだから、そんな心理・精神メカニズムについて、十分な造詣を持ちあわせているハズ。
とにかく、心だぜ、心。
ということで、今日は、マチェイ・スコルジャの、心理マネージャーとしての「ウデ」に期待して、怒り半分という不健全な心理で、キーボードから離れることにします。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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