湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第2節(2025年2月22日、土曜日)
血湧き肉躍るギリギリの勝負だった・・堪能させてもらった・・(サンガvsレッズ、1-1)
すごかったネ〜・・
両チームがブチかました、まさに「魂の闘い」。
とはいっても・・
そう、「魂」のエネルギーレベルとしては、チョウ・キジェ京都サンガに、一日の長ありとするのが、フェアな評価だと思う。
そう、ボール奪取プロセス(守備)での、「気持ちの入り方」。
特に、チェイス&チェック(寄せ)の内実では、かなりの時間帯、チョウ・キジェ京都サンガが、レッズを凌駕していた。
チェイス&チェック(寄せ)・・
「そこ」にこそ、選手のパーソナリティーの質が、如実に現れてくる。
わたしの表現では、攻守にわたるハードワークの量と質っちゅうコトね。
とにかく・・
優れたプロには、その「現象面」から、明白に、分かるんだよ。
・・あっ、コイツは、必死に、ボールを奪いにいってない(ぬるま湯の寄せ!)・・
・・ガンガン行けば、次、その次で、ボールを奪い返せるのに・・
・・コイツの「ぬるま湯プレス」で、周りの「闘う意志レベル」にも、悪い影響を与えちゃう・・
もちろん、チョウ・キジェが、そんな「ぬるま湯」を許すはずがない。
とにかくサンガでは、すべての「寄せアクション」に、「強烈な闘う意志」が充満しているって感じた。
もちろん、レッズも、サボッているわけじゃない。
それでも、チーム全体の「雰囲気」を、一つにまとめ、一体になって、積極的&攻撃的ボール奪取プロセス(守備)の勢いを、極限まで高められていたかといったら・・
うん、言わずもがなかな・・
そこは、チョウ・キジェの、心理・精神的マネージメントのウデに、脱帽するしかないでしょ。
とはいっても・・
そう、時間を追うごとに、レッズの「意志の勢い」も、充実していったと感じた。
いや、サンガの「心理パワー」が、徐々に、落ち着いていった!?
もちろん、その「変化」にともなって、レッズは・・
スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、「危険な匂い」を振りまけるようになっていった。
なんか、微妙なニュアンスのコラムになってしまったけれど・・
とにかく、冒頭で書いたように、全体としては、ギリギリの「魂の闘い」という表現が相応しい、秘術を尽くした、スーパーなせめぎ合いマッチではあった。
観ていて、わたしは・・
手に汗にぎりながらも、強烈なだけじゃなく、ある意味で「美しく」もある局面デュエルの内実に、舌つづみを打っていたよ。
ところで、渡邊凌磨のケガによって、グラウンドに立った、サミュエル・グスタフソン。
たしかに、ボール奪取プロセス(守備)では、全体的なダイナミズムに「プラスの勢い」を与えられるわけじゃない。
それでも・・
そう、ボール奪取プロセス(守備)で「穴」を創るコトなく、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、優れた「眼とスキル」によって、とても効果的な「ゲームメイク」を魅せていた。
どうなんだろうね〜・・
わたしは、サミュエルの「全体的な価値」は、高いとは思うけれど、相手が、「あの」チョウ・キジェ京都サンガだったわけで・・
そこでの、ガチガチの「パワーのせめぎ合い」で、存在感を発揮できるかといったら・・
まあ、疑問符はつく。
さて、全体的な評価だけれど・・
攻守にわたる、チームとしての「組織的」な機能性にしても、最前線の「仕掛け人の個のクオリティー」にしても、両チームが同格だったってな印象が残った。
とはいっても・・
そう、最前線の「個のチカラ」という意味では・・
レッズは、先発以外にも、松尾佑介や長倉幹樹、そして中島翔哉など、ハイクオリティな「サブ選手たち」を抱えている。
レッズに、一日の長ありか・・!?
とにかく、血湧き肉躍るギリギリの勝負だった。
堪能させてもらった。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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