湯浅健二の「J」ワンポイント


2025年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第22節(2025年6月28日、土曜日)

 

このゲームで叩き込まれた三つのゴール・・すごかったネ〜〜・・やっぱりゴールは(特にこのゲームでのゴラッソは)サッカーの華だ・・(サンフレッチェvsグランパス、1-2)

 

ミドル弾・・

一昨日のクラブワールドカップでも、レッズが、モンテレイに、強烈なキャノンミドル弾をブチ込まれたっけ。

そして、このゲームでも・・

そう、三つのゴールともに、素晴らしいミドル弾だったんだ。

二つは、まさに「キャノン」シュート、一つは、素晴らしいミドル・テクニカルシュート。

キャノンとテクニカルの二つを決めたのは、グランパスのマテウス・カストロ。

サンフレッチェのキャノン・シュートをブチ込んだのは、新井直人。

とにかく、三つとも、目の醒めるようなスーパーシュートだったんだよ。

そんな圧倒的なゴールを観ながら・・

「J」でも、もっと、もっと、そんな「エイヤッ!」のミドル弾を観たいと思っていた。

手元には、「数字」はないけれど・・

どうなんだろうね・・

印象的には、「行ける」のに、逡巡してパスに「逃げる」ようなシーンが、まだまだ多いってな感じ。

2007年7月11日に刊行した拙著、「日本人はなぜシュートを打たないのか(アスキー新書)」では・・

・・シュートでは、「その結果には責任がともなう・・」なんてコトが、最初にアタマを占拠してしまうのが日本人だから、そんな変な呪縛から解放してやるのが監督・コーチの仕事・・

そんな内容を主張したっけね。

そして今では、日本でも、そんな「変な呪縛」は過去のモノになっている!?

まあ、とはいっても実際は、まだまだだという現実を思い起こさせてくれたのが、現在進行形のクラブワールドカップだったっちゅうことか。

やっぱり、「世界」では、組織と個のバランスレベルが、ハンパなく、高いよね。

基本は、人とボールの動き・・

それでも、チャンスとなったら、「個」が、躊躇なく、爆発する。

あっと、試合。

前述したように、グランパス、マテウス・カストロのスーパーシュートが、結果まで引き寄せた。

まあ、たしかにサッカー内容では、サンフレッチェに、一日の長があったとは感じたけれど・・

それでも、可能性の高い「ゴール機会」という視点では、長谷川健太グランパスに軍配を挙げざるを得なかった。

サンフレッチェは、「組織」に重きを置きすぎていた!?

対するグランパスでは、タテへの仕掛けの「勢い」という視点も含め、より「個」を前面に押し出すようなスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)が目立っていた。

まあ、そこには、マテウス・カストロとか、後半から登場した永井謙佑とか、とにかく「個の勝負」に特徴があるチームというコトもありそうだね。

そこでは、チームメイトたちによる、「いかにヤツらの特長を(テメーたちのためにも!!)活かしていくのか、具体的にイメージしている・・」などといった発言も紹介されていたよね。

さてリーグ優勝争い・・

今節では、アントラーズが岡山に苦杯を喫し、リカルド柏レイソルが快勝をおさめるなど、混沌としてきた。

まあ、それは、ミヒャエル広島サンフレッチェにとっては、ポジティブな展開だよね。

とにかく・・

降格リーグも含め、これからのリーグ展開を、より気を引き締めて観察していこう。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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