湯浅健二の「J」ワンポイント


2025年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第22節(2025年6月29日、日曜日)

 

後半ヴェルディの、ボール奪取プロセス(守備)で魅せつづけた、意識と意志の爆発・・素晴らしかった・・また、目を見張る活躍を魅せつづけたキャプテン、森田晃樹にも、万雷の拍手を・・(ヴェルディvsフロンターレ、1-0)

 

じっと、ヴェルディのボール奪取プロセス(守備)に、目を凝らしていた。

もちろん・・

ボールがないところでのアクションの量と質。

それが、守備での「最後の半歩」の実効レベルを、大きくアップさせる。

そう、相手パスレシーバーを抑えるコトで、次の「勝負所」が、より鮮明に見えてくるんだ。

それが、最後の半歩というファクターが意味する、効果的な「予測」にチカラを与える。

とにかくヴェルディは、最後の最後まで、マークする相手を、フリーで「行かせ」なかった。

また、行かれたとしても、「そこでの次のインターセプト」を狙う、強烈な「意志」があった。

試合後のダゾンインタビューで、決勝ゴールを決めた左サイドバック、深澤大輝が、こんな素敵なコメントを放散していた。

・・ゴールは嬉しかったけれど・・

・・(それ以上に?)最後の最後まで、しっかりとフロンターレの攻撃を抑え切れたコトが嬉しい・・

良いネ〜・・

そんなコメントをする深澤大輝の、確信に充ち満ちた意思の発露は、とても感動的だった。

とにかく、ヴェルディは、最後の最後まで、(闘う!)意識と意志を爆発させつづけたんだ。

そんな彼らを観ながら、思った。

・・そうだよな〜、究極の意志のボールゲームであるサッカーだから・・

・・そんな最高の集中力を炸裂させつづけた「闘う姿勢」もまた、観ている方に感動を与えるんだよな〜・・

ダゾン解説の、松木安太郎も、同じニュアンスで、ヴェルディの闘いを、絶賛していたっけね。

もう一つ・・

コレについては、ダゾン解説陣、松木安太郎、水沼貴史も、口を揃えていたけれど・・

それは、フロンターレの、「タテの仕掛け」へのチャレンジ姿勢の変遷。

前半では、両人が言っていたように、たしかに、フロンターレの、タテの裏スペースへの仕掛けが、うまく回らなかった。

というか、「アナタ任せ」になったフロンターレの誰も、「それ」にチャレンジしなかったんだよ。

それには、左サイドの必殺仕事人、マルシーニョがケガで交替してしまったことも大きかった。

そう、マルシーニョが抜けたことで、タテへ「リスキーな仕掛け」へのチャレンジ精神が、完璧に、萎んでしまったんだ。

それが・・

そう、後半になって出場した山田新の、タテの決定的スペースへの「飛び出し」が、チームメイトに勇気と活力を与えた。

とはいっても・・

たしかに後半の立ち上がり時間帯では、ヴェルディ守備陣は、少し、受け身に立ってしまったけれど・・

それも、10分も経った頃には、そんなフロンターレの「アグレッシブな変化」にも、しっかりと対応できるようになっていた。

そんなポジティブな対応力については、全体的な「闘う姿勢のアップを牽引した」というニュアンスも含め、チームリーダーの存在が、とても大きかったと思う。

そう、森田晃樹。

彼がミッドフィールドで魅せつづけた、攻守にわたる仕事(ハードワーク)を探しまくる、抜群の主体性プレーは、チームメイトにとっても、素晴らしいポジティブ刺激になっていたはず。

ダゾン試合後インタビューで、森田晃樹を前にした水沼貴史が、褒めちぎっていたけれど・・

森田晃樹は、攻守スプリントなどで、リーグ一位を占めているらしい。

そう、攻守にわたる、ボールがないところでのアクションの量と質で、ダントツの「意識と意志の爆発レベル」だったというコトだ。

立派なキャプテンじゃないか。

ということで、城福浩ヴェルディ・・

勝つことは、簡単ではないという感性を、思いだしたはずだし、それによって、勝者メンタリティーも、再び、大きく強化できたはず。

これからの彼らの活躍に、期待しましょう。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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