湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第32節(2025年9月27日、土曜日)
浦和レッズの、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)には、「意志の爆発」が足りない・・彼らは、城福浩ヴェルディが魅せた、強烈な「闘う意志のサッカー」を見習うべき・・(ヴェルディvsレッズ、0-0)
試合のイニシアチブを(ボールを!?)握りつづけるレッズ・・
それでも・・
そう、肝心のゴール機会を、うまく創りだせない。
それには・・
城福浩ヴェルディが展開した、粘り強く、積極的&攻撃的ボール奪取プロセス(守備)が素晴らしく機能しつづけたという側面もある。
そんな城福浩ヴェルディは、実効レベルが高い守備だけじゃなく・・
次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、勇気をもって押し上げるコトで人数をかけ、組織と個を、高質にバランスさせながら、しっかりとゴール機会まで創りだしていた。
たしかに、冒頭に書いたように、ポゼッションでも、シュート数でも、レッズが上回ってはいた。
それでも・・
そう、肝心の「勝負所」で、レッズが展開した、最終勝負コンテンツの「弱々しかった」こと。
対する城福浩ヴェルディが、ボール奪取プロセス(守備)においてブチかましつづけた、力強い局面デュエルやカバーリング・・
その絶対ベースは、言わずもがなの、最後の半歩ファクター(読み)なのだが・・
その視点では、確実に、レッズに勝るとも劣らないコンテンツを魅せていたヴェルディだったんだ。
そんな、強烈な「闘う意志」に支えられたヴェルディ守備に対して・・
前述したように、レッズのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)は、選手たちの「闘う意志(覚悟)」が、あまりにも脆弱すぎた。
そう、最終勝負でブチかましていかなきゃいけない、勇気に支えられた、主体的な「フッ切れたリスクチャレンジ」・・
そんな、積極的&攻撃的マインド(闘う意志)が、足りなすぎだと感じたんだ。
例えば、ワンツーを積み重ねる、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション・・
それを成功に結びつけるためには、まず誰かが、勇気マンマンの「ワンの縦パス」をブチ込まなきゃ、何もはじめられない。
もちろん、それは、スリキーなパスだよ。
でも、「それ」がなければ、「何か」を起こすコトなんて、できやしない。
彼らは、そんなリスクチャレンジの縦パスをブチかますのではなく、肝心なトコロで、失敗を怖がって(!?)安全な横パスに「逃げる」ようなプレーに終始したんだ。
もっと、もっと、リスクチャレンジを・・
そんな彼らの「弱気のプレー」をみせられ、フラストレーションが、限界を突き抜けたモノさ。
また、人とボールの動きと、その優れた「リズム」が機能していれば、個の勝負プレー(ドリブル勝負ね)だって、もっと有利なカタチで仕掛けられたハズ。
でも結局は・・
そう、相手ディフェンダーを恐怖に陥れるような、勝負ドリブルは希だった。
それじゃ、相手を圧倒するパワーなんて、夢のまた夢さ。
わたしは、中島翔哉に期待したけれど・・
フ〜〜・・
もちろん、スピードスターの松尾佑介は、何度か、リスクチャレンジをブチかました。
それでも、そんな彼の「タテへの突破アクション」を、積極的に「サポート」するような「主体性リスクチャレンジ・マインド」を魅せたチームメイトは皆無だった。
彼らは、もっと、もっと、ボールがないところでのアクションの量と質を高めなければならない。
そう、「クリエイティブな無駄走り」の「格段の充実」こそが、今、彼らが(そのマインドに!!)充填しなきゃいけない課題なんだよ。
とにかく・・
浦和レッズの、消化不良のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)に、フラストレーションが、限界を突き抜けてしまったっちゅうわけさ。
まあ、このゲームについては、こんなところかな。
あっと・・
もちろん、城福浩ヴェルディが、最後の最後まで魅せつづけた、素晴らしい「闘う意志」については、同じサッカー人として、心からの称賛と感謝の拍手をおくりますよ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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