湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第4節(2025年3月1日、土曜日)
山口智ベルマーレが魅せつづけた、攻守にわたって「仕事」をさがしつづける主体性プレーに、舌つづみを打っていた・・(マリノスvsベルマーレ、1-1)
山口智ベルマーレ・・
とっても、強くなっている。
強い!?
もちろん、その意味は・・
サッカーの全体的な内容がアップしているからこそ、勝負プロセスにおいて重要なファクターも、大きく充実しはじめているっちゅうニュアンスだよ。
とにかく彼らが、リーグランキング首位に君臨しているのは、決して、フロックじゃない。
その視点から、コラムを書きはじめることにした次第。
そんな「充実した強さ」を魅せているベルマーレの絶対バックボーンは、何といっても・・
選手たちのイメージングが、「オーソドックスで高質な、組織サッカー」という概念で、統一されているっちゅうコトかな。
あっ、分かりにくい!?
スミマセン・・
要は、攻守にわたって、選手たちが、その「目的」を達成するための「仕事」を強烈に意識し、常に、自分から「その仕事」を探しつづけているっちゅうコトだね。
えっ、もっと分かりにくくなった!?
も〜〜っ・・
とにかく・・
攻守ハードワークとリスクチャレンジの機会を、自分から「探そう」としなきゃならない・・
「そこ」で、積極的に「バラランスを崩していこう」とする姿勢も、重要な成功ファクター・・
・・ベルマーレでは、そんな、攻守にわたって、最高の「主体性プレー」をブチかまさなきゃいけないという雰囲気が、チームのなかに、充満しているっちゅうことだね。
だから・・
そう、ボール奪取プロセス(守備)における、特に、チェイス&チェック(寄せ)をブチかましていく勢いが、ハンパないんだよ。
またスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、一人の例外もなく、決定的スペースを突いていく(探し出そうとする!)ってな「意志」も、ハンパない。
そんな、ボールがないところでのアクションの(闘う意志の!?)量と質の素晴らしさを体感させてくれたのは、ベルマーレ同点シーン。
最後にシュートを決めたのは、後半から交代出場した石井久継だったけれど(こぼれ球を押し込んだ、典型的なゴッツァンゴール!)・・
実は、そのゴールを生み出した(陰の!?)ヒーローは、平岡大陽だったんだ。
彼は、そのゴッツァンゴールの直前に、マリノスGK、名手パク・イルギュが弾いたシュートを放った張本人だったんだよ。
彼は、(その時点での)ボールホルダー鈴木雄斗からのタテパスを受けようと、後方から少なくとも30メートルは、全力スプリントで、決定的スペースへ、走り抜けていった。
そして平岡大陽は、鈴木雄斗からのタテパスが「こぼれた」ところを、そのままダイレクトで、シュートをブチかましたっちゅう次第。
そうなんだよ・・
その同点ゴールプロセスの主役は、見まがうことなく、平岡大陽だったんだよ。
平岡大陽がブチかました、ボールがないところでの、3人目の、全力フリーランニング。
それは、もちろん、サッカーじゃ、当たり前の「プレー姿勢」なんだけれど・・
それを、「やりつづける」コトは、そんなに、簡単じゃない。
だからこそプロコーチ(監督)は・・
選手たちが、自ら、「仕事を探そう・・探したい」と、チャンスを渇望するように、心理的にマネージする(モティベート)するわけだ。
わたしは、ベルマーレ監督、山口智を、皆さんもご存じのように、高く評価している。
まあ私は、山口智と、直接コミュニケートしたわけじゃないけれど・・
そりゃ、選手たちの、グラウンド上での「プレー姿勢」を観ていれば、分かるよ。
とにかく、そんな主体性プレーの「ポジティブな内実」は、心地よいコトこの上ない。
あっと・・
もろちん、マリノスも、徐々に、調子を上げているよね。
でも、このコラムでは、山口智ベルマーレにスボットを当てようと思ったのさ。
マリノスサポーターの皆さん、ご容赦あれ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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