湯浅健二の「J」ワンポイント


2025年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第7節(2025年3月29日、土曜日)

 

ゲームを観ながら、不確実なサッカーが、究極の「心理ボールゲーム」だってな根源テーマについて、語りたくなった筆者だった・・(レイソルvsヴェルディ、0-0)

 

城福浩・・

このゲームでは、とにかく、ヴェルディ監督、城福浩の、優れた仕事をピックするしかない。

何せ、相手は・・

「あの」優れたプロコーチ、新任監督リカルド・ロドリゲスに率いられ、素晴らしくダイナミックなサッカーで、存在感をアップさせているレイソルだからネ。

積極的&攻撃的なボール奪取プロセス(守備)を絶対ベースに、しっかりと人とボールを動かしながら攻め上がる、リカルド柏。

試合前、わたしは、どんなゲームになるのか、心おどらせていたよ。

そして、フタを開けてみたら・・

城福浩ヴェルディが、完璧に、席巻しつづけたんだ。

まあ、城福浩にしたら、選手たちの「主体性プレーの内実」からすれば、まさに、理の当然のゲーム展開だったんだろうね。

ダゾン試合後インタビューでも・・

・・選手たちは、素晴らしいアラート感をもって、ボールを奪いにいった・・

・・たしかに、その後の攻撃では、まだまだ課題はあるけれど・・

・・とにかく、あれ程の(覚醒した!?)サッカーだったら、どことやっても、変なゲームにはならないと確信できた・・

そんな内容を、胸を張って語っていたっけ。

とにかく城福浩ヴェルディは・・

たしかに、レイソルに攻め込まれる短い時間帯(特にゲームの最終版)はあったけれど・・

それでも、ゲーム全般にわたり、積極的&攻撃的ボール奪取プロセス(守備)を絶対ベースに・・

いや、もっといえば・・

ものすごく忠実でダイナミック、そして抜群の実効レベルに支えられた、素晴らしい協力プレスを(そして、その集散メカニズムを!)ベースに・・

素晴らしく魅力的なサッカーを、魅せつづけたんだ。

そして、城福浩ヴェルディは・・

ゲーム全体のイニシアチブを掌握しつづけただけじゃなく・・

次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、しっかりとゴール機会と呼べるようなチャンスまで創りだした。

そこで、城福浩が示した、監督の「ホンモノの良い仕事」。

それは、何といっても、選手たち自身が、攻守にわたって、仕事を探しつづける「主体的な闘い」だったと思う。

その、主体性プレー・・

このところ、私のコラムでも、そんな表現を使うコトが多くなっているけれど・・

イレギュラーするボールを足であつかうことで、不確実なファクターが山積みのサッカーでは・・

それこそが、監督にとっての、根源的テーマなんだよ。

とにかく選手たちは・・

不確実なファクター満載というコトで、最後は、自由にプレーせざるを得ない。

そこでは、ボール奪取プロセス(守備)における、自ら闘う「姿勢」こそが、問われる。

もちろん、互いのポジショニングバランスを執りながら、局面デュエルへ向かうコトは、言うまでもない。

選手たちは、そのバランス感覚をベースに、自分の「仕事」を、積極的&攻撃的(主体的に!!)探し回るわけだ。

そこで、もっとも大事になってくる「心理ベース」が・・

一人の例外もない全員が、「まずオレが行くっ!!」ってな、覚悟(強烈な意志!)をもっていること。

まあ、自己犠牲とか、いろいろな表現はあるけれど・・

とにかく、「まずオレが!!」っていう、積極的&攻撃的(主体的!!)な姿勢こそが、絶対ベースであるっちゅうコトが言いたかった。

そんな「主体性プレー」だけれど・・

(心理)マネージメントにおいて、選手たちを脅したり、厳しいルールで仕切ったりしたって、その「主体性レベル」を、「限界まで」高揚させることなんて、出来ない。

そう、最後は、選手たち「個人」が、「やりたい・・」、「やらなければ・・」ってな「意欲や欲望」を、自らかき立てるように、心理マネージしていかなきゃいけないんだよ。

わたしは、「セルフ・モティベーション能力」って呼ぶけれど・・

優れたプロコーチは、選手たち自身が、自ら「ヤル気」を高揚させられるように、「導く」コトができなきゃ、いけない。

そんな心理マネージメントに関する「ケーススタディ」は、もう、星の数ほど、多岐にわたる。

でも、目標イメージ(その表現!?)は、一つに集約できるかもしれない。

それは(繰り返しになるけれど)・・

選手たちが、「こうやりたい・・やらなきゃ」って、自ら、自分自身を奮い立たせられるかどうか・・

そこまで、チームの「マインド」を高めるプロセスには・・

前述したように、星の数ほど多岐にわたる「状況」や「パーソナリティのぶつかり合い」といった、マネージメント要素が、立ちはだかる。

そう、そんなマネージャーの仕事内容は、一般生活と、まったく同じなんだよ。

そりゃ、血湧き肉躍るほど、魅力的な(困難な!?)マネージメント・コンテンツが、待ち構えているってな現実は、皆さんも、ご存じの通りだよね。

ということで・・

このテーマについて、城福浩さんと、いちど、語り合いたいね。

そこじゃ、わたしも・・

ヘネス・ヴァイスヴァイラーとか、リヌス・ミケルスといった、世界サッカーのレジェンド連中から授かった「KFS」を、お伝えしますよ。

KFS = Key Factor for Success・・ね。

ということで・・

不確実なサッカーが、究極の「心理ボールゲーム」だってな根源的テーマについて、語りたくなった、筆者だったのでした。

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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