これを書き上げたら、次はスポナビの原稿にとりかからなければ・・フ〜〜。でも、頑張るゾ。それでは・・
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いや、本当にセネガルは、素晴らしいチームでした。強い、強い・・。
スタジアムの雰囲気は、もう完全に「アウェー」。観客は3000人弱ということでしたが、そんな空っぽの雰囲気を感じさせないセネガル人の迫力ある応援だったのです。スタンドに陣取ったバンドが、試合を通して、セネガルの「リズム」を、強烈なボリュームで奏でつづけます。
もしこの試合が、パリのスタジアム(パルク・ド・プランスか、サン・ドニ競技場)でやられていたら、客席は、立錐の余地がないほど満杯だったに違いありません。何といっても、フランスには、本当に多くのセネガル人が出稼ぎにきていますからネ。
選手たちにとっても、アフリカ予選の突破がフロックではなかったということを証明する良い機会でもあったんですよ。たしかに観客は少なかったですが、フランスのメディアの注目度は高く、地元のテレビ、雑誌、新聞などの記者が多数詰めかけていました。そしてセネガル代表チームは、そんなエキスパートたちの前で証明してみせました。彼らのワールドカップ予選突破が「順当」だったことを、ハイレベルのサッカー披露することで、見事に実証したのです。
それなんですよネ。セネガルチームのモティベーションの一つは。とにかく今の彼らは、世界に存在感を示さなければならないのです。それも相手は、ホストカントリーの日本代表。いやが上にも「やる気のポテンシャル」が上がりつづけていたというわけです。
特に「守備」。その強さは本物です。ナルホド、これだったら、強豪との予選ゲームでも安定した戦いを展開できたに違いない・・、そんなことを思ったものです。確実なラインコントロールから、ココゾ!の場面でのタイミングのよい「ブレイク」。中盤ブロックの、互いのポジショニングバランスをうまく活用した「読みベース」守備。もちろん「一対一」の強さもレベルを超えています。
また攻撃も一流。そのボールの動きは、フランス代表を彷彿させる!? そう書いても大袈裟ではないと感じられるほどの素晴らしさなのです。「組織プレー」のなかで、ディウフ、カマラ、ファティガ等の「才能」たちが、タイミング良く、迫力ある単独勝負を仕掛けていく。強いはずだ・・
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「たしかにセネガルには、能力の高い選手はいるよ、でも、チームとなると、どうかな・・」。試合前、ヴァンサン・マシュノーが言っていたのですが(それまで彼は、セネガルの試合を見たことがなかったそうで・・)、でも試合後は、「いや、素晴らしいサッカーを見せてもらった。監督のメツに、おめでとうと言わなければ・・」なんて、試合前の懐疑的な発言が180度、転換してしまって・・。
ヴァンサンは、メツの長年の友人のようで、試合後のミックスゾーンでは、なにやら談笑していました。私も、ある方に紹介されたセネガル関係者からハナシを聞くことが出来ました。「セネガルのサッカーは、個人プレーに奔りがちなアフリカンサッカーとは完全に一線を画するだけの洗練されたレベルにあると思うのですが、その要因は・・?」、そんな私の質問に、「まず選手たちのほとんどが、フランスリーグで活躍していることが大きいネ。それにメツ監督の手腕もある。彼の下ではまだ10試合くらいしか戦っていないのだけれど、試合毎に内容が良くなっていくんだヨ。選手たちは、メツ監督に対して絶大な信頼を寄せている。彼の人心掌握術は傑出しているネ・・」。
ナルホド・・。まあ、「戦術的な規律の厳守」と「リスクチャレンジ(チャンスを見計らった、戦術を超えるプレー!)」の絶妙のバランスなど、あのサッカーを見ていれば、監督の手腕の高さは推して知るべし・・ということですかネ。
そのことについては、ヴァンサンも、メツ監督の言葉を披露してくれましたヨ。「三日間の合同トレーニングでも、とにかく選手たちとのコミュニケーションを大事にしようと思っているんだ・・」。
試合後のミックスゾーンでは、とにかくメツ監督がモテモテ。フランス人ジャーナリストたちの注目の的でした。長髪で、美男子。とにかくカッコいいですヨ。
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対する日本代表。前半は、低レベルのサッカーに終始してしまいます。
それでも、立ち上がりだけは良かったんですよ。最終ラインがしっかりと押し上げるなかで、中盤の高い位置でボールを奪い返し、組織的な攻めを仕掛ける・・。そんな彼らの意図が、ある程度は、うまく機能していました。特にフラットスリーの「イランコントロール」は、上手い!の一言。でもその守備ブロックが、前半5分の、中田浩二のパスミスからの決定的ピンチ(都築のファインセーブで命拾い!)、そして11分、12分と立てつづけに作り出されたピンチを境に、急速に不安定になっていきます。もちろん、チャンスを得たセネガルが、(心理的に、やれるゾ!という確信を持ち始めたことで!?)徐々にペースを上げたということもありますけれどネ。
そしてセネガルが、完全にゲームを支配しはじめ、次々とチャンスを作り出していきます。
14分の左サイドからの崩し・・。波戸がマークし切れなかったことで、またカバーに入った松田も振りきられたことで、左サイドから決定的センタリング(ラストパス)を上げられてフリーシュートを打たれてしまいます(幸いにもシュートミス)。また19分には、中央をパス一本で突破されて決定的ピンチを迎え、35分には、右サイドから崩され、最後はヒールキックで決定的なシュートチャンスを作り出されてしまいます。
とにかく前半の日本は、セネガルの協力サッカーにタジタジといったところでした。
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それでも後半は、日本代表のサッカーが持ち直します。そこでのキーポイントは、トリプルボランチ。良いところがなかった藤本に代えて伊東を、鈍いプレーに終始した高原に代えて柳沢を、そして最初のミスから立ち直れずに不安定なプレーに終始した中田浩二に代えて服部を投入します。そして、下がり目の戸田、ちょっと上がり気味の右サイドの伊東と、左サイドの稲本で「中盤の守備ライン」を構築し直したのです。
覚えていますよネ。これは、大敗したフランス戦の後、スペイン戦で「ある程度」功を奏した守備ブロック構成です。そして、その甲斐あって、試合が完全に拮抗したものへと変容していきます。
攻撃では、後ろ目から、伊東、稲本が積極的に押し上げ(たまには、最前線とタテのポジションチェンジ!)、前線では、柳沢と鈴木が、上手いトラップからのクリエイティブなキープや崩しのドリブルなど、前半には見られなかった効果的な「展開プレー」を魅せはじめます。
特に柳沢。後方からの相手のアタックサイドをしっかりと意識することでトラップの方向を巧妙に「変化」させ、マーク相手を振りきって前線で「起点」を作るなど、抜群にクリエイティブなプレーを展開します。そんな「安定したプレー」が、後方からの押し上げを「心理的にサポート」しないはずがありません。稲本が、伊東が、どんどんと押し上げていきます(それによって、前線スペースをうまく活用できるようになった!)。
また守備に入れば、三人の中盤、両サイド、そしてフラットスリーが、「実効ある組織守備プレー」を展開します。「これは、行けるゾ! やっと良いサッカーになってきた・・」。プレスゾーンで私の隣に座る、フランス・フットボール誌のバレット記者に、そんなことを話しかけていました。
一進一退の展開。受け身の守備から、前線への「アバウトな放り込み」終始するという、前半での創造性のカケラも感じられない攻撃からすれば、しっかりとボールを動かしながら相手守備の薄い部分を突いていくなど(うまいタイミングのサイドチェンジ、右サイドの波戸のオーバーラップ等々)、クリエイティブで、危険なニオイを放散する攻めを演出できるようになった日本代表。そんな彼らを見ていて、やっと安心した湯浅でした。
また、奥に代わって出場した広山も、かなりのレベルで存在感を示すことができていました(伊東とのコンビで、何度も右サイドの決定的スペースを活用する攻めを展開できていた!)。
とはいっても、決定的なシュートチャンスは、後半開始早々の伊東の一本くらい(左サイドから攻めた稲本からの、抜群の精度の「ラストサイドチェンジパス」!)。それに対してセネガルも、前半のようには決定的場面を演出できません。
これは引き分けかな・・そんなことを思っていた後半の31分。やられてしまいました。セネガルのスーパースター、ディウフに・・。ゴール正面からのフリーキックを、右上角に決められてしまったのです。
その後、日本代表の前へのエネルギーが倍加され、ロスタイムには、福西が、セネガルゴールのバーを直撃するミドルシュートを放ってしまったりして。でもその直後、カウンターから、最後は、左サイドのチャウへパスが回され、森岡が対応しきれずにゴールを割られてしまうのです。森岡は落ち着いて対応していたのですが、チャウの「切り返し」があまりにも鋭くて・・、また誰も森岡のカバーに入ることがなくて・・。これで万事休す・・
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セネガルは、日本代表よりも明らかに強いチームでした。個々の能力でも、また戦術的なレベルでも。その、クリーンでスマートなサッカーに心動かされてしまった湯浅は、本日からセネガルのファンになってしまったかも・・
中田ヒデ、中村俊輔、そして名波。そんな「攻撃のクリエイター」たちを欠いた状況での、「強い」セネガルとのトレーニングマッチ。それもアウェー。
この試合が、日本代表にとって、かけがえのない「次のステップへの経験(体感)」になってくれることを心から願っている湯浅です。
いま朝方で、それもまだ時差ボケ状態。だんだん意識がもうろうとしてきました。ちょっと寝てからスポナビの文章に取りかかろう・・。では、次のナイジェリア戦まで・・