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05_コンフェデ_2・・ジーコジャパン(60)・・クリエイティブで堅牢な守備ブロックをベースに、実質的なサッカーコンテンツでは互角だった日本代表・・だから残念・・(メキシコvs日本、2-1)・・(2005年6月16日、木曜日)

どうも皆さん。昨夜ベッドに入ったのは午前0300時をまわった頃。でも、グッスリと夢のなかだった早朝の0600時には日本からの電話でたたき起こされてしまいました。ラジオ局の出演依頼。コンフェデレーションズカップについて、どうしても私のハナシを聞きたかったらしい。まあそれはそれで有難いことなのですが・・。

 話した内容で一番大切だったのは、今回のコンフェデが、本当の意味で勝負の大会に成長するベクトル上に乗ったということです。来年のドイツW杯は、フットボールネーションの中心であるヨーロッパでの大会。でもその後、再びW杯がヨーロッパへ戻ってくるまでには16-20年もの歳月を経なければなりません。だから世界サッカーにとって、来年のドイツW杯は本当に重要なイメージ価値があり、そのプレ大会である今回のコンフェデにも格別のリキが入るというわけです。このことは、各国のジャーナリスト連中も感じていることです。だからこそ、ホストカントリーのドイツだけではなく、ブラジルやアルゼンチンもベストに近いメンバーで大会に臨んできた・・。

 それ以外にも、ジーコジャパンにとっての意味(もちろん世界との距離の体感!)とか、例によっての日本の課題とか、色々なテーマについてリキを入れて話しました。そんなハイテンション状態になってしまったから、それから目を閉じたって眠れるはずがない。3時間睡眠で、ハノーファーまでの移動か・・なんてちょっと気が重かった湯淺でした。

 でもまあ、スタートしたら、道路上で繰り広げられる「ドライバー同士の意図と気合のコンフロンテーション」を心から楽しみながら運転していた湯浅でした。あまり追い越されることはないのですが、一度だけ、ものすごくブッ飛ばしているBMWスポーツ2シーターにカーブでブッちぎられました。そのとき私は、追い越し車線を空けるために中央レーンへ移動したのですが、そのときの私のクルマのスピードは220キロ。その左側(追い越し車線)を、そのスポーツカーが、素晴らしくスムーズにカーブをトレースしていったのですよ。上手いっ!! 思わず声が出ていた湯浅でした。そんな、ある種のチキンゲーム「も」楽しみながら、ハッと気付いたらもうハノーファーまで50キロというところまで(全移動距離は約350キロ)到達していたという次第。でもハノーファーのプレスセンターに着いてから、急に眠気と疲れが襲ってきた・・。フ〜〜ッ。でも、そこはサッカーですからネ。とことん楽しむぞっ!ってか〜〜!!

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 そんな気合とともに観はじめたメキシコ戦。終わった後の感想は、ホントに惜しかった・・とにかく残念で仕方ない・・というものでした。攻守にわたり、あれほどの組織的なゲームコントロールを魅せつづけた日本代表だったのに(たしかに攻めでの最終勝負コンテンツには例によっての大きな課題を抱えているけれど・・)、メキシコ選手たちの個の一発勝負に沈んでしまって・・。もちろんそれもサッカーだし、そんな個の爆発アタックまでも、危険因子を取り除くという意味でのコントロールができていなければ、決して世界と互角に戦えないということなのですがネ・・。

 立ち上がりの数分間、右サイドから危険なクロスを送り込むなど、メキシコはガンガンと押し込んできました。ちょっと不安な気持ちにさせられた時間帯。でもその後の日本は、素晴らしいゲームコントロールを魅せはじめるのです。たしかに押され気味ではあるけれど、効果的な組織ディフェンスを基盤に、スッ、スッという擬音がふさわしい流れるようなスマート攻撃を仕掛けていく。まさに爽快なクレバーサッカーじゃありませんか。このクレバーなゲームコントロールというのが、この試合でのテーマですかネ。

 たしかにメキシコ選手たちは、個のチカラで日本を上回っているけれど、組織プレーでは完全に日本の方が上。メキシコの攻めは、日本選手たちにとって、まったく怖いものではなかったに違いありません。何せ、個人プレーのぶつ切りサッカーですからね。ボールを動かすにしても、横への安全パスを積み重ねるばかりだから、タテ方向へのボールの動きと、ボールがないところでのパスレシーブの動きが重なり合うなんていうシーンなど皆無です。メキシコは、日本守備ブロックの眼前で横パスを回し、チャンスを見計らってワンツーコンビネーションを仕掛けていったり、ドリブル勝負へチャレンジしたり、はたまた勝負のタテパスを通そうとするけれど、とにかく単発だから、日本守備ブロックにしっかりと対処されてしまうというわけです。要は、日本の守備ブロックは、メキシコの攻撃意図を、常に視野とイメージのなかで完璧に掌握しつづけていたということです。

 もちろんそれは、日本の守備ブロックが大きく発展したことの証でもあります。組織的なディフェンスが、とにかく素晴らしい。ボールをチェックする者、協力プレスをイメージする者、その周りでインターセプトやトラップの瞬間でのアタックを狙う者・・等々。それらの組織守備プレーの要素が、見事なハーモニーを奏でつづけるのです。そんな、クリエイティブで確実なディフェンスをベースに、中村、中田、小笠原たちが自由に動きまわってタテのポジションチェンジを演出し、人とボールが活発に動きつづける危険な攻撃を仕掛けていく日本代表。何度メキシコ守備ブロックの穴(スペース)を、組織パスプレーでうまく突いていくといった実効ある仕掛けを魅せたことか。たしかに仕掛けの頻度ではメキシコに劣るけれど、内容では、確実に日本に軍配があがるといった展開だったのです。まあとはいっても、実際のシュートチャンスとなると、内容で、どうしても他のフットボールネーションからは見劣りするけれどネ・・。

 そんな進歩的な雰囲気のなかで生まれた、小笠原、加地、柳沢が絡んだ素晴らしいカウンターゴール。そしてその後の、自信あふれるゲームコントロール。そんなサッカーを観ながら、日本代表が着実に進歩していることを実感したものです。だから前半39分の一発ロングシュートには大いに落胆させられました。もちろんそれもサッカーではあるけれど・・。ちょっとしたバランスの崩れで完全にフリーでボールをコントロールした7番のシーニャ。見事なロングシュートではありました・・。

 そして後半。同じような展開のなか、徐々にメキシコが、シンプルな仕掛けにもトライしはじめます。中距離シュートに積極的にトライしたり、素早いタイミングでクロスを送り込んだり・・。そのうちの何本かが、ポストに当たったヘディングなど、決定的なシーンにつながり、その流れが、後半19分に飛び出したフォンセカの逆転ヘディングゴールとなって結実した次第。まあ、仕方ないね。

 全体的なゲームコンテンツの流れでは、バランスの取れた堅牢な守備ブロックをベースに、試合を勝ち切る大きなチャンスを手中にしていた日本代表。でも結局は逆転されてしまった。たしかに世界の一流と比べたら、まだまだ、プレーのダイナミズム(1対1の競り合いにおける闘う意志のほとばしりレベル等々)でも、細かな戦術的なところでも「僅差」が明確に存在しているということなのでしょうネ。その僅差は、もちろん全てのサッカー要素に大なり小なり存在するけれど、昔とは違い、選手たちが「僅差の本質」を具体的に把握しつつあることが頼もしい・・なんて感じていた湯浅でした。それにしても、残念・・。

 



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