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05_ジーコジャパン(67)・・行け、行け〜ジーコ!・・このまま、新しい風を吹き込みつづけてチームを活性化しようゼ!・・(日本vs中国、2-2)・・(2005年8月3日、水曜日)

さて、先発メンバー「総とっかえ」で中国戦に臨んだジーコジャパン。素晴らしい「刺激」じゃありませんか。もちろん(so called !?)レギュラー組にとっても控え組にとっても。そしてゲームがはじまってすぐに確信レベルが大きく高まっていく・・。

 「これだっ!これだよ!!・・この素晴らしくダイナミックな積極サッカーこそが大いなる刺激となってチーム内の健全なライバルメカニズムを活性化するんだよ・・それにしても、この試合ではまったくフラストレーションがたまってこない・・やはりサッカーは、走る(攻守にわたって自ら仕事を探しつづけ、リスクへもチャレンジしつづけなければならない)ボールゲームなんだ!・・もちろん意図をもった(考えることとイコールの!)走りのこと・・そんなクリエイティブな無駄走りを積み重ね、リスクにチャレンジしつづけることでのみ発展のための(物理的・戦術イメージ的・心理・精神的な)基盤を構築することができるんだ・・」なんて、どんどん発想が枝分かれし、次、その次へとポジティブに飛び火しつづけていた湯浅だったのです。それもこれも、立ち上がりの刺激的なダイナミックサッカーを魅せられたことによる当然のエモーションでした。でも・・

 日本は、しっかりとチャンスを作りつづけましたよ。右サイドから仕掛ける駒野のドリブル勝負や、左サイドで、ドリブルや抜け出しフリーランニングからスルーパスを受けて決定的クロスを送り込む村井・・後方からオーバーラップして中距離シュートを狙う阿部や、スルスルとカゲのように最前線スペースへ入り込んで決定的な仕事をしてしまう今野(それにしても前半に魅せた今野のフリーヘディングは決めなければ!)・・はたまた田中のドリブル突破や巻のアタマ(後半早々のヘディングシュートを決められなかったことには猛省を促したい・・とにかく何度も、何度もそのシーンを、自分自身のイメージトレーニングとしてビデオを見直し反省しなければならない!)・・。

 でもね、日本チームは最初からちょっと飛ばし過ぎだと感じられたのも事実。「ペース配分」という経験則という視点で、たぶん彼らも大いに学習したことでしょう。あれだけ厳しい気候条件だからネ、ガンガン前からプレッシャーを掛けて中国を押し込み「過ぎる」のではなく、ヤツらにも「全体的に押し上げさせる」というゲーム展開イメージ「も」持つべきだった!? でも、まあ、それも考え方だよね。落ち着いた試合展開になったら、「このチームでは」そこから急激にペースアップして「あのダイナミックな仕掛け」まで持っていけたかどうかは疑問だからね。まあそんなだから、私は、最初からフルパワーで押し込んでいくというプレー姿勢(ジーコの意識付け!?)にアグリーでしたよ。この試合は、とにかく勝たなければならなかったこともあったしね。

 それにしても中国に奪われた二つのゴールシーンでは、ものすごく大きな反省材料がテンコ盛りだったよね。最終勝負場面での「ディフェンス集中力」に大きな課題・・といったところ。例えば先制ゴールの場面。そこでは、最終ラインだけではなく、クロスを上げた中国選手をマークしていた本山が十分に相手のプレーを抑え切れず、結局うまいクロスを送り込まれてしまったし、またセンターゾーンでは、坪井の「相手に身体をあずけるタイミング」がほんのちょっと遅れたことで、その中国選手にフリーでヘディングされてしまった。また中国の二点目シーンでは、一度前へ突っかけ、スッと下がった相手の動きに、完全に、身体を寄せなければならないマーキングアクションを振り切られてしまった。そんなシーンを見ていて、(so called !?)レギュラー守備ブロックとの「僅差」を感じていた湯浅でした。もちろん守備ブロック全体の、プレーイメージシンクロ内容がうまく高揚しなかった(そのための時間がなかった・・)ということなんだろうけれどネ。やはり守備には「明確な戦術プランと相互コミュニケーション&コンビネーション」が必要なのです。そこが、自由と変化が絶対的コンセプトの攻撃と逆行するところなのです。

 さてもう一つ、このチームを批判しなければならないことがあります。それは、前半の中盤過ぎの時間帯から後半にかけての「足許横パスオンパレード」という現象。本当にフラストレーションがたまった。とにかく3点を奪いに行かなければならないチームのプレー姿勢じゃないよね。原因は、まず中国の守備ブロックがソリッドに固めはじめたこと、日本の前線選手たちのスペース活用の動きが鈍ってきたことなど。でも後方でパスを回す日本選手たちの心理が、「安全に・・安全に・・オレはミスをしたくないから・・」なんていう後ろ向きのモノだったことも確かな事実でしょう。あれほど鈍重な横パスを回されたら、前線の選手の動きだって止まり気味になるのも道理だよネ。ホント、だらしない・・。

 でもネ、全体的な仕掛けコンテンツは、本当によかったですよ。特にツートップが良かった。巻誠一郎も良かったけれど、やはり田中達也。とにかく彼のプレーからは、決定的チャンスのベースになる、確信に支えられた「爆発」が期待できるのです。そのことはジーコも感じていたに違いありません。代表に選ばれた達也が、「とにかく全力を出し尽くす・・そして代表に定着する・・」と目を輝かせていたシーンを思い出していた湯浅です。レスペクト!! これで達也は、完全に来年のワールドカップ候補に定着したことでしょう。

 結局引き分けてしまったけれど、全体的な試合コンテンツとしては、確実に次につながるものだと思っていた湯浅です(もちろん「あの」逃げの横パスのオンパレードには閉口していたけれどね・・)。ということで、最後の韓国戦では「こんなチーム」を見てみたい湯浅なのです。ゴールキーパーは楢崎。加地、中澤、宮本、アレックスで組むフォーバック(ここでは、守備的ハーフとのコンビネーションを基盤に、両サイドバックのオーバーラップの量と質を最大テーマにする!)。阿部と今野、または遠藤で構成するダブル守備的ハーフ。福西と本山によるダブル攻撃的ハーフ。そして言わずと知れた、田中達也と巻誠一郎のツートップ。中盤の四人と両サイドバックは、常に縦の(できれば縦横の!)ポジションチェンジをくり返す!! いかが・・?? (注釈:フォーバックにすることの背景については、ナンバーに発表したこの文章を参照アレ)

 



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