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ヨーロッパの日本人・・稲本潤一! 稲本潤一!・・(2005年4月23日、土曜日)

一年ぶりにプレミアへ戻ってきた稲本潤一・・そして魅せた初心の全力プレー・・もちろん経験に裏打ちされた「実効レベルアップ」のクレバープレーが基調になっている・・いいじゃありませんか・・。

 初心に戻ったような「汗かきマインド」を前面に押し出しながらも、攻守にわたって、鮮明に勝負所をイメージしつづける実効プレーマインドということです。ウエストブロムウィッチ・アルビオン。懐かしい名前です。テレビ東京のダイヤモンドサッカー以来?! そのチームで復活の雰囲気をふりまく稲本。いや頼もしい。

 例に漏れず、ウエストブロムウィッチ・アルビオンも「4X4」のボックス守備ブロックを組んでいます。要は、互いのポジショニングバランスをベースに、要所でバランスを「ブレイク」して勝負アクションへ入っていくという、ポジショニングバランス・オリエンテッドな守備のやり方。常に考えながら、タイミングのよい判断と決断、そして勇気をもった行動が求められるという、比較的難しいディフェンスのやり方です。その基本的なメカニズムについては「こちらのコラム」を参照してください(長〜〜いからご注意!)。

 稲本は、その中盤センターを任されることになりました。リチャードソンがケガで離脱したために巡ってきたチャンス。そして稲本は、攻守にわたって、なかなか高質な存在感を示しつづけたのですよ。相互のポジショニングバランスを「ブレイク」するのは、例えば相手ボールホルダーに対する素早いチェックアクションとか、次の相手パスレシーバーがトラップの瞬間を狙ったアタックの準備アクション(間合いを空けたマーキング)とか、ボールがないところで後方から飛び出してくる相手の忠実(汗かき)マーキング等々、様々なディフェンスアクションがあるわけですが、稲本は、それらを効果的に、そして(初心マインドで)忠実に正確に実行しつづけるのですよ。もちろん、「ブレイク・アクション」と「再び相互ポジショニングバランスを取るアクション」を激しくくり返しながらネ。この、バランシングアクションと、勝負所でのブレイクアクションの素早く正確な繰り返しこそが、ポジショニングバランス・オリエンテッドな「ボックス守備」の効果レベルを左右するもっとも重要なファクターなのです。

 相手のパスを狙い、ズバッと(パス・インターセプトの)アタックアクションに入ったかと思ったら、そこにパスがこなかったことで、すぐにターンして次の「バランシング・ポジション」に入る・・そこでは、激しく首を振りながら次の勝負所を探しつづける・・もちろんボールホルダーへのチェイス&チェックアクションや効果的なマーキングアクションも織り交ぜながら・・また、相手にタテパスを通されてピンチになったら、誰よりも先に全力ダッシュで最終ラインまで戻るという、忠実で創造的な(主体的な)ディフェンスマインドも振りまきつづける・・そしてボールを奪い返したら、まさに「蜂の一刺し」という爆発アクション(多くはボールがないところでの、後方から最前線への飛び出しアクション!)を魅せる・・多くの場合で、チームメイトのトップ選手を追い越して決定的スペースへ飛び出していく・・ってな具合かな。

 まあ確かに攻撃へも積極的だし実効もあるけれど(後半7分の、味方全員を追い越していく決定的フリーランニングからタテパスを受けて放ったダイレクトシュートは見事!)、やはり彼に期待されるコアのプレーは、何といっても中盤での「汗かき&起点&勝負所ディフェンス」ですからね。その部分で、忠実なアプローチプロセスの結実としての効果的ボール奪取アクションも含め、相変わらず高い実効レベルのディフェンスを魅せてくれるのですよ。とにかくボール奪取勝負でのコンテンツは「強いし効果的」だと感じます。何度、ここが見せ場!という場面で、相手からフェアにボールを奪い返したことか。またボールを奪い返した後の展開プレーも確実。そんな何気ないプレーにも、彼の自信レベルの高揚を感じます。信頼できますね。もちろん、ギリギリの肉を切らせて骨を断つ闘いに臨む日本代表の中盤ディフェンスリーダーとしてもネ。たしかにまだ、「ちょっとした気抜け空白プレー」という課題はあるかもしれないけれど・・。

 一年ぶりのプレミアで、様々な意味を内包するポジティブな存在感を発揮しつづけた稲本潤一。そのことで久しぶりのハイテンション創作パワーに駆られて「爆発的なフリータイピング」をつづけていた湯浅だったのです。

 



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