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05_ヨーロッパの日本人・・遅ればせながら、中村俊輔と稲本潤一です・・(2005年12月13日、火曜日)

強〜い「ハイバーニアン」相手に、攻守にわたって素晴らしいプレーを展開したと伝えられた中村俊輔。遅ればせながらビデオで観戦しました。たしかに中村が繰り出す「魔法」の存在感は高みで安定しています。中村のパスから、多くのチャンスが演出されましたしね。そのチャンスメイクコンテンツのほとんどは、まさに中村にしか出来ないというものでした。タメの内容にしても、パスが出てくるタイミングにしても、そのコースにしても。まあ、チームメイトたちが、中村の「仕掛けイメージと微妙なプレーリズム」を理解してきたから、仕掛けプロセスが有機的に連鎖するようになったということなんでしょう。チームメイトたちが展開するボールがないところでの勝負フリーランニング(パスレシーブの動き)の量と質も善循環に入っていることで高揚していると感じますよ。うまくいくから、パスを呼び込む勝負フリーランニングにも勢いが乗る・・だから中村からも良いパスが出る・・だからより高い確率で結果もついてくる・・だから・・ってな善循環。

 そんなボール絡みのクリエイティブプレーだけじゃなく、ボールがないところでの「汗かき」でも存在感が増していますよ。シンプルプレーの効果レベルも上がっているし、忠実なパス&ムーブの動きにも勝負意図がプンプンするし。まあこの二年間におけるイメチェン(彼のなかでのプレーイメージの発展)ベクトルが順調に太くなりつづけているということですが・・。

 また守備でも、実効レベルの着実な高揚を感じます。特に、前半22分の、ねばり強いディフェンスで自らボールを奪い返してそのままドリブルで突っかけ、最後は倒れ込みながらペトロフへ出したラストパスのシーンは素晴らしい迫力でした。また何度か、スライディングでボールを奪い返すなんていうシーンもありました。とはいっても、まだまだ、ボール奪取意図が込められた全力ダッシュと、ボール奪取勝負のイメージを描写しながらのジョギング状態との「メリハリ」が緩い。要は、まだまだ「意図が、実際のアクションに投影される頻度」が低いし、ボール奪取勝負へ向かうダッシュにも確信の全力パワーが足りないことの方が多いということです。勝負イメージは描けているけれど、実際のアクションが遅れてしまうというシーンを何度目撃したことか。やれば、もっと出来るゾ・・中村俊輔!ってな期待が高まります。

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 さて、これまた最高の出来だったという高評価が伝えられた稲本潤一。いや・・ホント・・いまの彼は、確実にホンモノの「プレイクスルー・プロセス」にいると実感しますよ。とにかく目立つのは、「イメージの空白」が格段に少なくなったことですね。前に何度も書いたけれど、以前の彼は、ボール奪取勝負のイメージを描写するのに四苦八苦していたと思うのですよ。だからボールがないところで動きを止めてしまうというシーンばかりが目立ってしまっていた。それが、ここにきて、「イメージの空白状態」がまったくといっていいほど目立たなくなったのですよ。そして魅せつづける、実効レベル抜群の中盤ディフェンス。

 組織ディフェンスの「起点」としてのチェイス&チェックは言わずもがな。それだけではなく、前述したように、味方が「守備の起点」になっているときのボール奪取勝負イメージの描写における「量と質」が格段に進歩したことで、インターセプトや相手トラップの瞬間を狙ったアタックチャレンジにも格段の進歩が見られるようになったということです。1対1勝負での強さには定評があったけれど、その状況に「入る」までのプロセスに難があった稲本潤一。それが今では・・ってな具合なのです。たぶん彼は、「何か」を掴んだに違いありません。もちろん、ボール奪取勝負のプロセスイメージでの「何か」を。たぶん「イメージ・トレーニング」の成果かもしれない・・。この変化プロセスについて、本当に興味が湧いてくるじゃありませんか。これを、何とか「文章」で残しておくことには、大変な価値があると思うのです。そのうちに、稲本自身が語るという機会も出てくるでしょう。聞いてみたいよネ。まあ、また再びスランプに陥るようなことがあったら、そのときはネガティブな要因も語ってもらいましょう・・。どんなコトも「学習機会」にしてしまうという姿勢こそが人生を意義深いモノにするというわけです。

 とにかく、中村俊輔や稲本潤一、そして中田英寿などのプレーを見るにつけ、日本代表チームにおける「守備意識」が進化する可能性を実感し、頼もしく思っている湯浅なのです。W杯での日本代表のミッションは、世界にアピールできるだけの魅力コンテンツと、充実した勝負強さを、できる限り高い次元でバランスさせることですからね。そのための絶対的なベースが、ホンモノの守備意識というわけです。




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