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- 2006_O.J.・・初戦を飾れて良かった・・また、才能に対するオシム流のメッセージについて・・日本代表vsトリニダード・トバゴ(2-0)・・(2006年8月9日、水曜日)
- まずは、オシム・ジャパンが(O.J.が)変なカタチで揚げ足を取られるような「内容と結果」にならなくて本当に良かったというポイントから入りましょう。
何といってもデビュー戦だからね。いくらオシムさんが「悪い部分を発見することを(試合に負けることを)ステップに次の発展を・・」なんていう発言をしても、ここは日本だからね、まだまだ環境は、オシム流(アイロニカルな)ラディカルに対する許容キャパが足りないだろうから・・。ということで、この試合に勝ってホントに良かった。
次のテーマだけれど、小気味よかった2点目が入るまでのサッカーと、それ以降のペース減退を取り上げましょう。
前半25分までのサッカーは、本当に良かったですよ。相手のレイスベルヘン監督も、記者会見で、拍手するくらいの勢いで誉めていた。私のメモでも、「攻守にわたる優れたアクションの量と質をベースにした主体的に仕事を探しつつける積極的なプレー姿勢」とか、「ここぞのボールがないところでの飛び出しには、確信のリスクチャレンジ意志を感じる」、「チェイス&チェックの量と質に、守備意識を高めることに対する明確な意志を感じる」、「そのチェイス&チェックを基盤に、全員が次のボール奪取勝負を狙っている」、「シュートを打つこと(リスクチャレンジ)に対する積極性が素晴らしい」、「田中達也のタテへの抜けだしが素晴らしい・・だから、トゥーリオや長谷部から大きなタテパスが飛ぶ・・チームメイトのイメージシンクロ!?」、「アレックスの二点目での飛び出し・・イメチェンか?・・あれは、オシムサッカーのイメージリーディングゴールになるかも」などなど、ポジティブな内容が目白押しでした。でも「それ以降」は・・。
「選手たちに走るチカラが残っているあいだは良いゲームを展開できたし、(パス&ムーブや三人目のフリーランも含む、動きのなかでの!?)コンビネーションも良かった。ただし、サッカーの試合時間は90分なんだよ・・」。
という具合に、オシムさんも「それ以降」のサッカー内容を課題として挙げていました。でも、まあネ。「90分間走りつづけられなければ・・」とは言うけれど、そのコノテーション(言外に含蓄される意味)については、もちろんオシムさんもよく知っている。走るテンポのメリハリを付けることの大事さとか(全力ダッシュとジョギングの効果的な繰り返し)、落ち着いて相手の攻撃を受け止める時間帯も必然的に出てきてしまうことを知っている。ただしオシムさんが「それ」を言ってしまったら、選手は、意図した以上に「見た目バランスよく休んで」しまうだろうからね。だから、とにかく「ラディカル」に・・なのでしょう。グラウンド上の選手のプレーは、コーチを映す鏡なのですよ。
90分間走りつづけられるような体力をつけるための解決策は単純な方法しかない・・ただし、(それを実行するかどうかという点や、実行の仕方などなどについて!?)しっかりと考えなければならない・・。フーム、意味深だよね。
ここで私は、「走るという結果のアクションが出てくるまでの考えるプロセスでもっとも大事なファクターは何だとお考えですか?」と質問したかった。でもタイミングを逃してしまった。まあ、まだまだこれから多くの機会があるだろうから・・。
あっと・・。オシムさんが、日本サッカーには「走ること」が特に大切だと力説する背景に、身体的に劣るところ(それは神様が決めたモノだから後天的には追いつかない!)や1対1での不利を補うためにも、動きの「量と質」を高めることが大事なんだと言っていたことを付け加えるのを忘れていました。
日本人のどなたもご存じのように、(例えばW杯オーストラリア戦での!?)ボール際の競り合いの弱さ(オーストラリア選手は、身体中のすべての部位を駆使してギリギリの勝負を仕掛けていた!)とか、勝負のドリブルで相手を抜き去れないとか(相手のアタックをかわすのは勝負ドリブルではない!)、それらは厳然たる事実ですからね。
この試合では、それ以外にも、山瀬功治やトゥーリオの実効レベルはやはり抜群だ・・とか、長谷部誠はもっと積極的に「行って」よかった・・とか、この試合での鈴木啓太は「前気味のストッパー」的な機能を果たしていたから、実質的にはスリーバックだった・・とか、取り扱いたいテーマは多いのですが、明朝は早いモノで(早朝5時と7時にラジオでしゃべらなければならない!)、最後に一つだけテーマを選びました。
それは、今回代表に選ばれなかった「才能に恵まれた」選手たちが、オシムさんが出しつづけるメッセージを真摯に受け止め、再チャレンジして欲しいということです。
やはり理想は、才能レベルの高い選手がしっかりと「走る」ことなのですよ。そのテーマは、これまで何度も何度も繰り返してきました。ときには、刺激的なクリティックとともにネ。もちろんそれは、その後に多くの「クレーム・メール」や「ストーカー・メール」が、物陰から投げつけられるように送り付けられてくることを覚悟の上です。それもこれも、彼らの才能が惜しいからに他なりません。
もちろんこのことは、今回選出された選手たちの才能レベルが低いという意味では決してありませんよ。フ〜〜ッ。
例えば、福西や小笠原にしても、これから真摯に(基本中の基本に立ち戻って!)サッカーに取り組めば、必ずオシムさんも認めてくれるはずです。ボールを足許パスで回しているだけならば誰でも出来る。そうではなく、人とボールを極限まで動かすことで(動きの量と質!)ダイナミックなコンビネーションを決めるのですよ。もちろん「次に厳しい守備が待っている」という現実を十分に意識したうえでのリスクチャレンジのことですよ。だからこそ「守備意識」なのです。それが全ての基本なのです。
もし今回選ばれなかった「中堅の才能たち」が立ち上がったら、それはもちろんオシム・ジャパンにとっても、この上ない「ポジティブな刺激」になることでしょうしね。とにかく私は、彼らに対して、「このまま」終わっちゃっていいのかい?と問いたいですね。それじゃ、選手キャリアが終わった後に残る「価値」も格段に低いモノになってしまうゼ・・湯浅は、フットボールネーションの事情をよく知っているから、そのことを確信をもって彼らに勧めるのですよ。(リスク)チャレンジなきところに、感動も発展もないのです。何せ、「あの」アレックスが、「この」アレックスに変身しちゃうんだからね。失礼・・。
とにかく日本の才能たちに、オシムさんの「人選」を明確なメッセージと捉えて欲しいというのが、今日のコラムの締めでした。かしこ・・
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