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06_ジーコジャパン(76)・・この試合のメインテーマは、何てったって長谷部誠でしょう・・(日本vsインド、6-0)・・(2006年2月22日、水曜日)

先日のフィンランド戦。その前半のサッカー内容を誰も反省していなかった?! まあ・・ね、勝ったからね・・。でも結果だけじゃ、絶対に発展ベクトルには乗れない。勝ったからこそ、内容を「突き詰め」なければならないのに・・。

 この試合の立ち上がりも、フィンランド戦同様に足が止まり気味の日本代表だったのですよ。そんな低級サッカーじゃ、レベルが低いインドを相手にしてさえ「ウラのスペース」を突いていけないのも道理。日本選手たちの個人で打開していくチカラはたかが知れているからね(それには心理・精神的な弱さが大きい!)。だからこそ、人数を掛け、ボールがないところでの動きベースに、人とボールの動きが「有機的に連鎖」する組織プレーを機能させなければならないのですよ。それが、足許パスばかりが目立ってしまうし、パスレシーブの動きも緩慢。

 要は、日本が、インド守備ブロックの「眼前」で、インド選手たちの視野とイメージの範囲内でしか仕掛けていけていないということです。これでは、人数をかけてブロックを厚くしたインド守備陣はまったく怖くない・・。

 立ち上がりはそんなネガティブな展開だったけれど、徐々に日本の攻撃にも鋭さが表現されるようになっていきます。アレックスのドリブル突破&クロスから久保が強烈なヘディングシュートを見舞ったり、長谷部や加地が鋭いクロスを送り込んだり、小野伸二が惜しい中距離シュートを放ったり・・。そんなポジティブな変化の仕掛け人が、小野伸二と長谷部誠のコンビでした。彼らだけは、常に「一つ格上のダイナミック組織プレーイメージ」でチャレンジしていたと思います。特に長谷部の存在感の急激アップにはビックリ。みんなが長谷部を探している・・なんてことまで感じてしまう。

 この日の長谷部の存在感は、中田英寿が代表にデビューしたときのプレー内容を彷彿させた?! まあ、ちょっと褒めすぎかもしれないけれど、とにかく、勇気のカケラも感じられない安全志向の足許パスが横行しているなかで、彼だけが、しっかりと動いてパスを受け、シンプルに「仕掛けパス」を展開してから忠実なパス&ムーブを繰り返していたのですよ。そのプレーテンポが、小野伸二のプレーもポジティブに刺激した?! まあ逆かもしれないけれど、とにかく小野と長谷部のコンビが、日本代表の仕掛けを引っ張りはじめたことは確かな事実でした。

 長谷部と小野が展開したプレーのバックボーンは、何といってもスペース感覚。自らスペースを使うというイメージだけではなく、味方のためにスペースを作り出すというイメージもある。ちょっと展開が停滞したら、すぐに長谷部がスペースへ動き出すのですよ。自らパスを受ける中継プレーだけじゃなく、長谷部の動きに対応したインド選手たちの動きによって出来たスペースへ小野が入り込んでコンビネーションの起点になる・・等々。いや、小気味いい。

 長谷部のプレーコンテンツをまとめると、こんな感じですかね・・

 とにかくディフェンスが素晴らしい・・もちろん、レッズでの基本タスク(守備的ハーフ)によって培われたボール奪取勝負への鋭い感覚が存分に活かされている・・とにかく「まず自分が」守備の起点になろうとする!!・・また、レッズ監督ギド・ブッフヴァルトのコンセプト(攻撃的なプレッシングサッカー)によるポジティブな影響も大きい・・そこでは、主体的な守備意識という自己責任ベースの「自由」なリスクチャレンジ姿勢が常に要求される・・やはり、本当の意味での「自由」を手にするためには、守備と、攻撃におけるボールなしの(汗かき)プレーコンテンツの量と質を高めなければならない・・

 ・・そして素晴らしい攻撃プレー・・その絶対的なベースは、もちろん前述した「守備コンテンツ」にある・・それがあるからこそ(汗かきに対する自負があるからこそ!)、攻撃でも、積極的にリスクにチャレンジしていける(強烈な自己主張!)・・とにかく、ボールがないところでのプレーコンテンツが抜群・・またボールを持ったときのプレーが積極的なことも特筆モノ・・もちろん基本的にはシンプルにプレーするけれど、それでも勝負しなければならないところでは、決して臆したりしない・・ミスをしてもいい、とにかくチャレンジするという吹っ切れた姿勢・・また、シンプルなタイミングでパスを出した後のバス&ムーブも、とにかく忠実でダイナミック・・そして魅せつづける、最後の最後まで「走り切る」フリーランニング」・・素晴らしい・・

 ・・また、タイミングの良いドリブル勝負も威力抜群・・それにチャレンジしていく思い切りの良さもまた、汗かき組織プレーに対する自負という心理・精神的なバックボーンが支えている?!・・

 ・・長谷部の「解放された」チャレンジマインドこそが、本来あるべきサッカー選手の姿勢・・何度も書くけれど、その心理・精神的なバックボーンは、汗かき組織プレーに対する自負だと思っている湯浅なのです・・そんなチャレンジマインドだけれど、『人は、行動した結果として失敗したことよりも、チャンスに行動しなかったことをより強く後悔する・・』なんて言ったのは誰だったけ??・・とにかくサッカーは、イレギュラーするボールを足で扱う、不確実性ファクターてんこ盛りのボールゲームなんだから・・

 ジーコに長谷部のことを聞いてみたのですが、「アメリカ戦での出来も良かった・・後方から飛び出していける・・ゴールへ向かっていける・・運動量が豊富・・スペースを作り出すこともできる・・選手選考でわたしを悩ませる存在になって欲しい・・間違いなくこれからの日本代表を背負って立つ選手・・去年も代表に呼びたかった・・でも、そのときはケガで戦線離脱中だった・・」と、かなりポジティブな反応が返ってきました。さて、日本代表での楽しみ(自分にとっての学習機会)がまた一つ増えた。

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 さて湯浅は、明日、ヨーロッパへ出発です。ドイツでは、日本代表のゲームだけではなく、ブンデスリーガも観戦するし、友人たちとも情報交換します。今回は短い滞在だけれど、有意義に、有意義に・・。得られた情報については、折を見てレポートします。では・・。

 



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