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006_ナビスコ予選リーグ・・守備が堅くなったことで、攻撃にも勢いが乗るようになったFC東京・・(レッズ対FC東京、2-0)・・(2006年3月29日、水曜日)

この試合のポイントは、何といっても、守備を堅牢にすることで、逆に攻撃の実効レベルを大きく高揚させているFC東京・・ってなことでしょう。

 レッズのワシントン、ポンテ、そしてエスクデロに対し、FC東京ストッパーの一人(ジャーンか増嶋)と、今野、そしてエースキラーの伊野波が、常にピタリと寄せつづけるオールコート・マンマークで抑え込んでしまうのです。そしてレッズが、FC東京の術中にはまりこんでいく。

 FC東京のガーロ監督は、守備を堅くすることで、逆に攻撃が活性化するというメカニズムをしっかりと理解しているようです。傍目には、6人から7人で守備ブロックを組んでいるFC東京だから、「強化守備によるディフェンシブなゲーム戦術」というふうに映りますよね。でもね・・逆に、ガーロ監督自身が言うように、それを基盤にしているからこそ、よりアグレッシブな攻撃を仕掛けていくサッカーが展開できるようになっていると「も」することができるのですよ。本当にサッカーのメカニズムには、様々な「傍目のパラドックス(逆説)」が満載です。

 そんなFC東京に対して、レッズの攻撃は、十分なアイデアに支えられているというわけじゃなかった。前線の三人がガンガンにマークされているのだから、そこへタテパスを付け、ショートパスによるコンビネーションを決めようったって、そんなに簡単にいくわけがない。何せ、マンマークを仕掛けているのは、「あの」今野と、いま話題の伊野波なんですからね。そして逆に、(周りの味方が前へ重心をかけた状況など)悪いカタチでFC東京にボールを奪い返され、効果的なカウンターを食らってしまう。

 厳しいマンマーク戦術への対抗策は、何といっても、ロングボールやクロス攻撃「も」効果的にミックスしていく攻撃です。もちろん、ドリブルでマーカーを抜き去ることが出来れば、それに越したことはありません。そうすれば、自然と数的に優位な状況が演出されるわけだからね。だけど、この日のレッズは、相手のマンマークにはまってしまって・・。たしかに前半は、クロスボールや、相手守備ブロックのウラスペースへのロングタテパス(鈴木啓太からワシントンへの一発タテパスは見事の一言!)からチャンスを作ったけれど、逆に後半は、中盤の高い位置でのボール奪取がうまく機能していたFC東京が、立ち上がりから完全にペースを握るというゲーム展開になっていきます。レッズは、いったい何回決定的ピンチを迎えたことか。山岸のファインセーブや身体を張った「飛び込み」がなければ、2-3点はブチ込まれていたことでしょう。

 マンマーク対抗策には、もちろんタテのポジションチェンジもあります。鈴木啓太やトゥーリオが、タイミングを見計らい、味方のトップまでも追い越していく勢いでオーバーラップを仕掛けるのです。マンマークだからこそ、そんな「見慣れない相手」への的確な対処が難しくなるのも道理。でも、この日のレッズは、どうもうまいタイミングで、攻撃ゾーンへサポート要員を注入することができない(よいカタチで攻撃に人数をかけていけない!)。わたしは相馬に期待していたのだけれど、彼もまたうまくスペースを使えていませんでした。タッチライン際で縦方向にばかり勝負していちゃ、相手に潰されてしまうのも当たり前だよね。ボールを持った時点で、既に「詰まった状況」なんだから、得意のドリブル突破に勢いを乗せられないのも道理・・ってな体たらくなのですよ。

 そんなレッズだったけれど、押されながらも、後半17分に先制ゴールを挙げるのです。そのキッカケは、トゥーリオからの「ロング縦パス」。それがワシントンに合い、そのポイントに何人かの東京ディフェンダーが引き寄せられたことで、「チョン!」というワシントンのラストパスが、エスクデロの眼前に広がっていた決定的スペースに出てきたというわけです。見事な、ロングパスからの最終勝負コンビネーションでした。たまに繰り出されたロングパスだったからこそ、東京ディフェンダーたちが、そのパスを受けたワシントンに引き寄せられたというわけです。

 昨日はあまり眠っていなかったもので、いま、もの凄い睡魔に襲われています。この試合については、まあ、こんなところですかネ。




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