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2006_U21_日本vs韓国・・立派なゲーム内容でした・・反町オリンピック代表も着実に発展している・・そして千葉選手への謝罪・・(日本vs韓国、1-1)・・(2006年11月21日、火曜日)

ちょっと、ビックリ。ゲーム立ち上がりに日本チームが魅せつづけた自信あふれるプレーぶりに対して、反町監督には悪いけれど、「意外な出来事」という感覚の方が先に立っていたのですよ。そこでの日本オリンピック代表は、まさに格上チームといった趣だったからね。相手が「強い韓国オリンピックチーム」にもかかわらず・・。

 「その現象」は、立ち上がり15分間のこと。例によって、闘争心を前面に押し出して「厚く」押し上げようとする韓国の攻撃を、(韓国を凌駕する!?)闘う意志をベースにした忠実&ダイナミックな守備で抑え込むだけではなく、そのままの勢いで、攻撃でも韓国を押し込んでいく日本代表なのです。正直、頼もしく思ったものでした。「ナーバスなスタートになった・・最初の15分間で日本に先制ゴールを奪われなかったことはラッキーだった・・」。韓国、ピム監督の弁です。

 そんなゲームの流れは、前半15分に起きた、青山の、ハイボールをヘッドせずにそのまま流してGKへ・・という判断ミスからの絶対的ピンチを境に、逆流しはじめます(注釈:昨日のコラムでは、千葉の判断ミスと書きましたが、それは青山選手の間違いでした。千葉選手には謝罪します!)。まさに、サッカーはホンモノの心理ゲームといったところ。その決定的ピンチでは、韓国選手の信じられないヘディングミスで事なきを得たけれど、そのシーンは、日本選手に対して微妙なネガティブインパクトを与え、逆に韓国選手たちに勇気を与えた・・。

 この現象を言葉に置き換える作業は難しいのですよ。まあ、その偶発的なチャンスによってポジティブなスピリチュアルエネルギーを与えられた韓国選手が、ボールのないところでのプレーの量と質をアップさせ、そのことで逆に日本選手が「受け身」に立たされるシーンが増えた・・という表現に落ち着くのかな。

 それまでは、韓国の仕掛けの流れを完璧に抑え込み、自分たちのイメージ通りにボール奪取勝負を仕掛けるといった善循環が、韓国選手のボールがないところでのアクションの量と質がアップしたことで、思うように回らなくなり、そのことで、逆に、攻守にわたるアクションのダイナミズムも少し減退傾向に陥ったということなんだろうね。だからこそ、イレギュラーするボールを足で扱うという、不確実な要素が満載されたサッカーは、「意志のボールゲーム」と呼ばれるのですよ。

 とにかく、そんなプロセスを経て、ゲームは「動的な均衡状態」に入っていきました。一進一退。そんな展開のなか、前半タイムアップ寸前に韓国の先制ゴールが生まれます。それは、個人勝負能力のパワーとクオリティーの差を見せつけられたシーンでした。韓国25番、ヤン・ドンヒョン。日本のディフェンダー3人をかわして決定的スペースへ抜け出し、落ち着いて、日本ゴール左サイドネットにキャノンシュートをブチ込む。韓国的な、勇気あるエゴイストプレー(自己主張パワーの炸裂!!)。フムフム・・。

 後半は、逆に韓国が実質的なペースを握るといった展開になります。それには、たしかに日本も押し返しはするけれど、そこでは、前半に見られたような、韓国守備ブロックの背後スペースを突いていく実効ある仕掛けが見られなくなったということもあります。前半は右サイドで素晴らしく機能していた水野のドリブル突破も、後半は抑えられるシーンの方が目立つ。微妙なニュアンスだけれど、韓国守備ブロックも、日本の仕掛け意図(イメージ)に対してしっかりと対処したということです。さすがに、ピム監督です。

 だからこそ私は、反町監督が繰り出した、選手交代という「変化」と「刺激」が素晴らしい効果をもたらしたと思っているのですよ。それこそが、この試合でもっとも重要なテーマでした。

 後半15分から20分にかけて繰り出された三人の交代。中村北斗に代わって細貝萌、家長昭博に代わって伊野波雅彦、そして苔口卓也に代わってカレン・ロバート。本当に、良い交代でした。それまで、ちょっと沈滞気味だった人とボールの動きが、この交代によって抜群に活性化したのです。沈滞気味というのは、人とボールの動きが「単発で寸詰まり気味」だったから、韓国のディフェンダーに「次」を読まれてうまく対処されていたという意味です。そして、日本オリンピック代表の攻撃が、再び「ホンモノの危険なニオイ」を放散しはじめる・・。

 交代出場した三人は、大きくみた場合、三角形を形づくっていたと言えるでしょう。カレン・ロバートを頂点に、右の角が細貝で、左の角が伊野波。特に、両角の二人(細貝と伊野波)は、左右からの仕掛けに大いなるエネルギーを注ぎ込みました。そんな二人に対してカレン・ロバートは、その後方からのエネルギーを前方で「展開し増幅させる」機能を果たしていたのです。

 右サイドでは、細貝のサポートによって、再び水野晃樹が輝き出します。また左サイドからは、(足の速い韓国の右サイドが交代したこともあって!?)伊野波も、吹っ切れた攻め上がりを魅せつづける。何度、この「両方の角プレイヤー」から、ダイナミックな仕掛けフローがスタートしたことか。もちろん、その「フロー」を増幅するのがカレン・ロバートというわけです。

 日本オリンピック代表が挙げた同点弾は、まさに、必然のゴールだったのです。私は、そのゴールを観ながら、反町監督の采配に拍手をおくっていました。

 「プラン通りのサッカーが展開できた・・良いゲームだったと思う・・だから勝ちたかった・・」。反町監督の弁です。その気持ちは、本当によく分かります。とにかく、今後のオリンピックチームの発展にとって、ものすごく重要な価値が内包されたゲームだったということです。この試合内容をクレバーに編集し、自信&確信の増幅モティベート「装置」として活用しましょう。

 ところで平山相太。

 「何やってんだ・・もっとしっかり守備をしろ・・オマエは全力ダッシュのチェイシングをしたことなんて今までにないんだろう・・あっ、また、ガチッと当たらずに、ぬるま湯の寄せだ・・あっ、また、スライディングせずに、軽く足を出すだけの気抜けディフェンスをやりやがった・・そんなアリバイ守備じゃ、周りが迷惑するだけじゃないか・・等々」、何度そんなことを叫びそうになったことか。まあ、誰もが感じていたことだろうけれどね。

 ただ攻撃では、高さやポストプレーなど、効果的に活用できそうな高いポテンシャルを秘めている部分も多い。「平山には、攻撃のコアになって欲しいという期待がある・・ただ、やはりもっと鍛えなければならない・・それについては、クラブに委ねるしかないわけだが・・いくら(潜在的に)素晴らしいナイフでも、研ぎを怠れば、切れ味が鈍るのは当然の帰結だから・・」と、反町さん。まあ・・そういうことだよね。

 とにかく平山には、攻守の目的を達成するために、勝負をかけた(ボールがないところでの)全力ダッシュを増やしてもらいたい。その全力ダッシュこそが本物のプロの自己主張であり、そこにこそ、個人事業主の存在価値が秘められているのです。クリエイティブなムダ走りこそが、良いサッカーの絶対的な基盤・・。でも、まず何といっても、体重を落とすことが先決だゼ。

 




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