トピックス
- 2008_北京オリンピック_その2・・この流れに乗って、オランダに対してもブチかましてやろうゼ・・(ナイジェリアvs日本、2-1)・・(2008年8月10日、日曜日)
- 強いナイジェリアを相手に、立派な、本当に立派な「闘い」を展開した若武者たち。胸を張って帰ってきてください。
あっと・・まだオランダ戦が残っていたっけ・・そうか・・もう一回「世界に対して日本サッカーをアピールする機会」があったんだ・・こりゃ大変だ・・よ〜し、こうなったらオランダを完膚無きまでに叩きのめしてしまえ〜〜っ!!
スミマセン、ちょっと気合いが入りすぎた。とにかく、ナイジェリア戦でのU23日本代表は、持てるチカラを、まさに120%発揮できていたと思うのですよ。攻守にわたる全力の(最高の集中力での)組織プレーだけじゃなく、「それ」を基調に、チャンスとなったら、後ろ髪を引かれることなく、両サイドの安田理大や内田篤人が、「二列目の究極の汗かき」である谷口博之が、香川真司が、本田圭佑が、はたまた守備的ハーフの細貝萌やホンダ拓也が、そしてもちろんワントップの李忠成も(また交替出場した岡崎真司と豊田陽平も!)、勇気と責任感をもって個人勝負にもチャレンジしていく。とにかく、頼もしい限りでした。
私は、彼らを誇りにさえ感じていました。
この試合での先発メンバーでは、長友佑都の代わりに安田理大、梶山陽平に代えて、攻守にわたる「最高の主体的フルパワープレー」を信条にする細貝萌、そして、アメリカ戦の途中から出場し(大きなボディランゲージや怒号など)強烈な刺激を放散することでチームのスピリットを掻きたてた李忠成が森本貴幸をリプレイスしました。
それは、まさに私が望んでいた交替(指揮官のゲーム戦術的考え方の変化)でした。
オリンピック初戦のアメリカとの勝負マッチだけれど、反町監督は、内容ではなく、とにかく勝ち切ること「のみ」を具体的なターゲットにして選手のイメージ作りをしたと聞いています。
オリンピック本大会へ向けた地域予選での(守備での)実績を考えても、その「ゲーム戦術的オプション」に対する文句などあるわきゃないし、実際、前半には(意図していた通りに!)セットプレーやサイドからの必殺カウンターで何度か先制チャンスも演出した。まあ、ここからはタラレバになってしまうから止めるけれど・・。
ただ私は、その方向性の(ゲーム戦術的)イメージ作りをした場合、「より」マインドが消極的になってしまう危険性が大きいと思うのですよ。より「注意深くなる」と表現した方がいいかもしれないけれど・・。そして、リスクへチャレンジしていくべきチャンスにも「注意深く」なってしまう。要は、言い訳の余地があるということ。特に、日本人の場合はその傾向が強い。それがアメリカ戦だったと思っているのです。
サッカーでは、勝負シーンへ積極的に絡みに行かなくても、その行為が目立つことはないからね。ミスをしたくなければ、ミスにつながるような「状況」に入ることを意図的に(うまく)避けることもできるのがサッカーだということです。未必の故意・・。
だからこそ『クリエイティブなムダ走り』という自己犠牲も含む「前向きな意志」こそが、チーム成功のためのもっとも重要な要素になる。不確実性要素が満載されたサッカーの(だからこその!)限りない自由を謳歌できるのは「前向きな意志という絶対的ベース」を持った者のみなのです。あっと・・もちろん「ディエゴ・マラドーナ」は別物の存在だけれどネ・・あははっ・・。
また「寄り道」が長くなりそうになった。ここでもう一度、アメリカ戦に臨む反町監督が意図したゲーム戦術的オプションについて繰り返すけれど、それが「結果として正しくなりかけた」ゲーム展開もあったことも確かな事実なのですよ。でも結局は・・。
だからこそ私は、予選リーグを勝ち抜くために絶対に(何らかの)勝ち点をもぎ取らなければならないナイジェリア戦での反町監督の「姿勢」に注目していたのです。そして彼は「行く」という決断をした。それがメンバー構成に現れていたのです。
私が考える「キーマン」は、梶山陽平でした。私は、サッカー選手としての彼の才能を高く評価しています。だからこそ、彼の「姿勢」というか「意志」というか、その心理・精神的な部分に対して、常にネガティブな評価をしているのです。要は、いまの彼は、ギリギリまで闘うことができない中途半端なマインドをもった「似非テクニシャン」だと思っているのですよ。
この試合でも、後半になって細貝萌と交代して出場したけれど、もう「行くしかない」という(相手にリードされた)状況にもかかわらず、最後まで、攻守にわたって「ギリギリまで闘い抜くような強い意志」が感じられなかった。それは、攻守にわたる全力ダッシュの量と質に如実に現れてくるからね。
それに、全力でチェイス&チェックしなければならないとか、後方から抜け出してきた相手をしっかりとマークするとか、そんなシーンでの気抜けプレーも「まだ」目立っていた。もちろん大方の勝負シーンでは走っていたけれど・・。
私は、アメリカ戦での戦犯の代表は、やはり、チームリーダーとしての大きな期待を担っていた梶山陽平だったと思っているのですよ。だからこそ、その彼を先発メンバーから外したところに、反町監督の「意志」を明確に感じていたというわけです。そして細貝萌は、その期待に見事に応え、攻守にわたってチームに活力を注入してくれた。
残念ながら最後は競り負けてしまったけれど、ナイジェリア戦を観た人々の多くは、日本の若武者たちが魅せつづけた立派な闘う意志を頼もしく思っただけではなく、誇りにさえ感じたことでしょう。
よ〜〜し、この流れに乗って、オランダに対してもブチかましてやろうゼ!!
=============
ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。
基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。
いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。
蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。
-
[ トップページ ] [
Jワンポイント ] [湯浅健二です。
]
[ Jデータベース ]
[トピックス(New)] [
海外情報 ]