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- 2010_日本代表・・まあ、仕方ないね・・(日本vsセルビア、0-3)・・(2010年4月7日、水曜日)
- セルビア選手は、監督やコーチから、こんな檄を飛ばされていたに違いない・・。
「相手は、オマエたちよりも大きくランクが下のニホンだ・・そんな二流の国に、オマエたちは国内組だって甘く見られているんだゾ・・そんな状況で無様なサッカーをやったら、オマエたちの南アフリカワールドカップへのチャンスは完全にゼロだ・・とにかく、ニホンに、目にモノ見せてやれ!」
もちろん、ホントにそんな檄が飛ばされたかどうかは知らない。それでも、セルビア代表の「国内組」が、最高のテンションで(緊張感をもって)ゲームに臨んでいたことは確かな事実だったし、実際には、それに輪を掛けた激しい言葉がぶつけられていたのかもしれない・・。
とにかく( アンティッチ監督がスタンドで観戦していることで極限まで高揚した!?)セルビアのハイレベルな闘う意志は、局面でのディフェンス姿勢に如実に現れていた。
チェイス&チェックの勢いがレベルを超えていた・・そして、絶対に置き去りにされないという固い意志もあった・・抜かれても、抜かれても粘り強くチェイスしつづける・・そして、少しでも日本のボールの動きが鈍くなった次の瞬間には、瞬間的な爆発ダッシュで数人の選手が集中して激烈な協力プレスを仕掛けてボールを奪い返し、そのまま超速の(ショート)カウンターをブチかます・・
日本代表は、願ってもない学習機会を得たわけだけれど、結局は、それを「次」へ活かすところまでいけなかった。要は、相手の「やる気」と「スピード」に対する「準備」という意味合いでのイメージトレーニングが十分ではなかったということだったのかもしれない。
相手が国内組ということで甘く見ていた!? まあ、そんなことはないとは思うけれど、とにかく、イメージ的な準備が整っていれば、もっとギリギリの闘う意志を魅せてくれたはずだし、「あんな無様な失点」もなかったに違いない。フ〜〜・・
それにしても、前半15分の先制ゴールシーンでセルビアが繰り出した、カウンター気味の一発スルーパス勝負は、見事!の一言だった。もちろん、ゴールを叩き込んだセルビアの「スピードスター」ムルジャをマークしていた栗原勇蔵のポジショニングは完全なミスだったけれど・・。
栗原勇蔵は、立ち上がりの三分に、ムルジャの「速さ」を体感していたはずなのに、(この失点シーンでも)セルビアが余裕をもってスルーパスを出せる状況だったにもかかわらず、下がらずに、マーキングポジションをボカしていた(その背景に、マリノスのチームメイトでもある中澤佑二とのイメージ的なコンビネーションがあったのか!?)。
そりゃダメだろ〜。たぶん、「J リーグ」の感覚で、タテへのスルーパスをカットしたり、ムルジャを「オフサイド」に陥れるつもりだったのかもしれないけれど、後方からのバサーが、あれだけ余裕をもっていたんだから、それは、基本を無視した「いい加減なポジショニングだった」と厳しく糾弾されても仕方なかったね。
たしかに、立ち上がり三分に、ムルジャに走り抜けられたシーンでの栗原勇蔵は、ムルジャを完全にオフサイドに陥れていたし、相手も「余裕をもって」タテパスを出せる状態じゃなかったから、そのポジショニングは正解だったとは思うけれど、そのときは、逆サイドの徳永がポジションを修正せずに寝ていた・・。その意味では、栗原勇蔵はツキにも見放されたと言えないこともないけれど、それでも先制ゴールのシーンは、本当にいただけなかった。
ただし、栗原勇蔵が、フィジカル的な視点で「世界」と闘えるチカラを持ち合わせていることも確かな事実だよね。この失敗を、次のポジティブなステップアップにつながる「ネガティブ体感」と捉えるのか、このまま彼を切ってしまうのか・・。難しい判断だよね。とにかく、日本のレギュラー・センターバックコンビは、スピードという意味で、とても大きなハンディを背負っているわけだし、バックアップも「薄い」からね。さて・・
あっと・・この試合での日本代表の守備。とにかく、後半になって阿部勇樹が最終ラインに入るまでは(まあ・・稲本潤一が前気味のリベロ的なアンカーポジションに就くまでは、とも言える・・)、ボールを奪い返してからの展開パスの不確実さも含め、守備ブロックは不安定きわまりないプレーを展開していた。
また攻撃にしても、人とボールの動きが、うまく噛み合わなかった。たしかに、ある程度はボールは動くし、選手も、しっかりとパス&ムーブを実行していた。でも、何かが違う。中村憲剛と長谷部誠の不在という「何か」が・・。
そんなディスアドバンテージ(不利な要素)に加え、前述したように、セルビアが仕掛けてくる抜群にダイナミックで積極的なディフェンスという高い壁もあった。だから、組織コンビネーションがうまく機能せず、セルビア守備ブロックのスペースを突いていくのもままならなかった。フ〜〜・・
そんなジリ貧の展開のなかで、一人気を吐いていたのが、左サイドバックの長友佑都だったと思う。何か・・ロベカルを彷彿させる・・!?
守備で魅せつづけた、スーパー超速スプリントのチェイス&チェックは、とにかく見応え十分。遠くからでも、その戻りのスピードと迫力だけで、すぐに長友佑都だと分かる。もちろん、ボール奪取勝負でも、抜群の競り合いの強さとスキルを発揮する。
それだけではなく、攻撃でも、気を吐きつづけていた。極端に言ってしまえば、チャンスは、彼のところからしか生まれなかったとも言える。彼が魅せつづけた、「エイヤッ!」の超速ドリブル勝負からのクロスボールは、この試合では唯一、日本代表の「活きた兵器」だったと感じた。
このことは、もう書くまでもないことだけれど、長友佑都は、確実にフットボールネーションで通用するだけの「本物のブレイクスルー」を果たしていると思う。かなり前のことになるけれど、ジェレミー・ウォーカーが、私に、こんなことを言ったことがある。「ボクは、いまの日本代表メンバーのなかで、ヨーロッパで通用する最も大きな可能性を秘めているのはナガトモだと思う・・」
まあ・・そういうことだね。とにかく、長友佑都が、この試合での唯一のポジティブポイントだったということですかネ。まあ、仕方ない。
実は、この試合については、久しぶりに「スポナビ」でもコラムを書く約束をしているのですよ。ということで、私のHPでは、ここまでということでご容赦アレ。それにしても、このゲーム内容だからネ、スポナビの原稿でも苦労するだろうな〜〜・・あははっ・・
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