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2010_WM準備マッチ・・日本代表は、もう、迷うことなく「究極の組織プレー」を突き詰めていくべき!・・(日本vs韓国、0-2)・・(2010年5月24日、月曜日)

タイミングを逸してしまい、結局は質問できなかった・・。岡田武史に聞きたかったことは、最初やられまくっていた日本代表が、徐々に「闘うエネルギー」をアップさせていったという事象についてでした。

 それが、この試合での最初のポイントです。立ち上がりから、韓国のボール奪取プロセスの勢いが、日本の「それ」を完璧に凌駕していたのですよ。わたしの立ち上がりのメモも・・

 ・・「闘う意志の強さ」で、明確に韓国が上・・だから、局面の競り合いでも、ほとんどケースで韓国が日本を打ち負かしてしまう・・攻守にわたる、局面での強さ(フィジカル)と巧さ(テクニックと戦術能力を含む!?)でも韓国が微妙に上・・「個」の才能レベルでも、パク・チソンを筆頭に、韓国の方が上・・高さでも、前半立ち上がりの韓国コーナーキックからの絶対的ピンチシーンに代表されるように、ここでも韓国の方が上・・これでは・・

 でもサ・・、時間が経つうちに、日本代表の闘う意志が、どんどんとアップしていったからビックリさせられた。そして頼もしく思い、ヤルじゃネ〜か・・なんて、ちょっと見直していた。

 闘う意志のレベルが如実に現れるシーン・・。ルーズボールを「奪い合うギリギリの闘い」・・諦めず、全力で追いかけつづけるマーキング(一度抜かれたパク・チソンが、長友佑都を全力で追いかけつづけたチェイシングは感動的でさえあった!)・・攻撃でも、ボールがないところでの(パスレシーブの)動き出しが、日本よりも格段に早く、そしてパワフル(全力ダッシュの量と質にこそ、その選手のイメージ描写力と意志の強さが直接的に表現される!!!)・・等々。

 そんなポイントで、徐々に、闘う意志のポテンシャルを高揚させていく日本代表。わたしは、日本代表が試合のなかで魅せた「心理パワーの増幅」のバックボーンに、いったい何があったのだろうかと自問自答していた。長谷部誠や遠藤ヤットによるリーダーシップ!? 岡崎慎司が忠実に仕掛けつづける、最前線からの全力チェイス&チェック!? さて・・。

 わたしは、この試合に対する総合的な評価として、「あの」強い韓国を相手にガップリ四つの勝負で、立派な闘いを展開したと思っているのですよ。少なくとも、前回の東アジア選手権での韓国戦よりは、内容的に良かった。まあ・・そのときも「ガンバレ岡田ジャパン・・」なんていうコラムになったけれど・・

 ということで、この試合でのプラスは、韓国のレベルを超えた闘う意志に触発された(!?)日本代表が、どんどんと、局面での競り合いの「内容」をアップさせていった・・自分たち自身で、闘う意志を高揚させていった・・ということだろうネ。でもネ・・

 次がネガティブなテーマになるわけだけれど、そこには、自分たち自身で「十分に」シュートチャンスを作り出せなかったという重い事実もある。

 どうだろうか・・ゴールを奪えそうだったチャンスシーンは、前半の、こぼれ球からのダイレクトミドルシュート、後半の、本田圭佑の振り向きざまのシュート、そして、これぞフットボールネーションの本格マインド!・・なんていうふうに、こちらの気持ちをかき立てる積極プレーを魅せつづけてくれた(もちろん、その実効プレーには本格感が満ちあふれていた!!)森本貴幸の強烈なシュートシーン・・くらいだったですかね。

 まあ、韓国も(彼らの実力からすれば)十分にシュートチャンスを作り出せていたとは言えなかったけれど、それでも彼らが、一度仕掛けのエネルギーレベルが高まれば、とても危険な雰囲気をかもし出せていたことは確かだった。明らかに、日本の「それ」を上回るほどに・・と思う。もちろん実際に、日本がイニシアチブを握った後半でも、何度か、優れた仕掛けの流れをブチかましていたことも含めて。フムフム・・

 ということで、ゲーム全体を通した「危険なニオイのレベル」という意味では、「やはり強い!」韓国に軍配が上がるわけだけれど、それでも、後半に中村憲剛が出てきてからは、しっかりと人とボールが動きつづける「得意の組織リズム」が高揚し、日本の攻めに勢いが乗っていったことも確かな事実だった。

 そこで、中村憲剛が登場する前の日本代表のサッカーというテーマに入っていくわけです。そこでのブレーキは、やはり本田圭佑だったネ。

 たしかに守備にもエネルギーを注ぐようになった。ただ、それも中途半端というシーンの方が多かった。チェイスするならば、最後までしっかりと「寄せたり」タックルを仕掛けるところまでいかなければ、相手ボールホルダーが自由にプレーしてしまう。長友佑都とか岡崎慎司のように、しっかりと追い詰めるようなチェイスを仕掛ければ、仲間が「次」でボールを奪い返せるのに・・。

 また攻撃での本田圭佑だけれど、結局は、彼に期待されているプレーは、まったくといっていいほど表現されることはなかった。ドリブル突破しかり・・スペースでタテパスを受けてからのドリブルシュートしかり・・

 それに、彼にタテパスを通したところで、結局は「そこ」でボールの動きが停滞してしまうからネ。もちろん韓国選手も、協力プレスを仕掛けてくる。そんな状況で「逃げの横パス」を出されても、そのパスのレシーバーが困るだけなのですよ。そして、本田圭佑のところで組織パスのリズムが「中断」してしまうことは言うまでもない。

 もちろん「そこ」で、しっかりとした「タメ」を演出し、韓国選手たちの足と意識(視線)を引きつけ、韓国選手のプレッシャーを余裕をもって「受け止め」、その中から裏のスペースへスルーパスを通してしまったり、「タメ」から、プレスを掛ける韓国選手をフェイントで振り回し、勝負ドリブルで置き去りに出来るならば、誰も文句を言えないし、チームメイトたちも、彼にボールを「預ける」ようになるよね。でも現実は、まさに『前戦のフタ』だからネ。

 たしかに、能力はある。でも結局は、彼も「国際舞台で活躍できるような個の才能」ではないということです。攻守にわたる組織プレーでも、本田圭佑の何倍もの「ハードワーク」を繰り返す韓国の天才パク・チソンとは比べものにならない。だからこそ彼も、もっともっと守備の効果レベルを高めるだけではなく、攻撃でも、シンプルプレーやパス&ムーブ、ボールがないところでの動きの活性化などに取り組まなければならないのですよ。

 そう・・彼の天賦の才を、極限まで効果的に表現するために。組織プレーの流れに乗り、最後に彼が、スペースでタテパスを受けられれば、それは、シュートにつながる最高の「ドリブル最終勝負チャンス」ではありませんか。彼には、止まって相手と対峙した状態からドリブルで抜いていけるだけのチカラはないということです。

 このところ、本田圭佑がメディアで注目されているらしい。マスメディアは「分かりやすいスター」を作り上げたいのだろうけれど、あまり「事実無根の持ち上げ」をしていると、ドイツワールドカップのときの二の舞になるよね。そして我々ジャーナリストが、現地まで応援にきた日本のファンの方々に罵倒される。

 「アンタたちは知っていたんだろ!?・・日本の実力の現実を・・それでも、我々を惑わすような希望的な報道をするんだ・・それって詐欺じゃネ〜かっ!・・」

 でも、本田圭佑が退き、中盤の「組織プレー・リンクマン」中村憲剛(=牛若丸)が出てきてからは、日本代表のサッカーの流れがガラリと変わった。牛若丸のところで、どんどんと、ボールの動きが加速していくのですよ。だからチームメイトたちの「ボールがないところでの動き」も必然的に加速していく。そして、人とボールの動きが活性化することで、どんどんと韓国ディフェンスブロックの穴(スペース)を、パスで突いていけるようになる。

 そんな流れのなかで、森本貴幸や岡崎慎司、はたまた長谷部誠のプレー(動き)が、大きく増幅していき、日本代表のサッカーが、とても良くなっていった。それは、確かな事実だよね。

 もう何度も繰り返しているように、わたしは、稲本潤一をアンカー(≒前気味リベロ)に、その前に、中村俊輔と牛若丸、遠藤ヤットと長谷部誠という最高の守備意識を持つ「才能あふれる」ダイナミックカルテットを配置する。もちろん、ワントップも含めた、ゼロトップの中盤のダイナミック・クインテットというのが実際のところになるわけです。

 とにかく岡田ジャパンには、最後の最後まで、確信をもって、究極の組織プレーを突き詰めて欲しいと心から願っている筆者なのです。

 いま、0200AM。乱筆、乱文、誤字、脱字・・などなど、ご容赦アレ。とにかく今日は、こんなところです。この韓国戦は、とても興味深いから、もう一度ビデオを見直そうと思っています。もしかしたら、レポートを追加するかも・・

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 ところで明日の夕刻から(5月25日の1900PMあたりからスタート)スポナビが主催し、Ustreamをつかって討論番組を流すことになっています。

 テーマは「日本代表とワールドカップ」。まあ、ワールドカップをどのように楽しんだらいいのかな・・っちゅう感じの内容になるらしい。司会進行役(ファシリテーター!?)は宇都宮哲壱さんと島田かよこさん。参加者は、わたし以外では、後藤健生さん、小澤一郎さん、木崎伸也さんといった面々です。

 その「URL」は・・「こちら」。では・・

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 ところで、三年ぶりに新刊を上梓しました。4月14日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定したらしい。フムフム・・。タイトルは『サッカー戦術の仕組み』。岡田ジャパンの楽しみ方・・という視点でも面白いかもしれません・・たぶん。池田書店です。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。

 




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