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2011_・・宮市亮には、正しく積極的に仕事を探せるようになるためのイメージトレーニングが必要だね・・(フェイエノールトvsウィレム?、 6-1)・・(2011年4月18日、月曜日)

このところ、宮市亮について、ちょっと厳しめニュアンスのコメントがつづきました。そのことについては「このコラム」を参照して下さい。

 そんなところに、「宮市亮が、2ゴール、2アシストの大活躍〜〜っ!」なんていうニュースが飛び込んできた(このゲームは、別件でライブ観戦できなかった・・)。

 こちらは、日本サッカーにとっての期待の星である宮市亮という天賦の才が、本当の意味でブレイクスルーを果たしてくれることを心から待ち望んでいるのですよ。だからこそ彼のパフォーマンスを厳しい目で観察する(そして、パフォーマンスに応じて厳しいニュアンスのコラムも発表する)のと同時に、ポジティブコメントを書きたいと「も」心から願っているわけです。ということで、宮市亮の大活躍ニュースに心躍り、ビデオを観るのが楽しみで仕方なかった。でも・・

 相手がダントツ最下位の「ウィレム?」ということで、ちょっと不安でもありました。そして、その予感が的中してしまって・・。

 たしかに、宮市亮が蹴ったコーナーキックからのゴール(前半27分と後半10分)では、彼にアシストポイントが記録された・・また、その直後(前半29分)の勝ち越しゴールシーンでは、素晴らしいクロスボールに合わせて見事なダイレクトシュートを決めた・・そして後半36分には、ダメ押しの(漁夫の利の!?)6点目をゲットした・・でも・・

 ・・とにかく、(チーム戦術で仕方ないのかも知れないけれど・・)左サイドに張り付きすぎ・・もっと(特にボールがないところで)動き回ってパスを要求すれば、もっと、もっと良いカタチでボールに触れる・・要は、スペースで、ある程度フリーでボールを持てる(仕掛けの起点になれる)ということ・・そうすれば、突破ドリブルなど、彼の才能も、より効果的に光り輝くはず・・

 ここからは可能性に関する議論になるけれど、彼のプレーを進化させるためには、もっと「守備からゲームは行っていく」べきかもしれない。

 要は、もっと守備意識を強化すべき・・ということです。ディフェンスは、すべてのスタートラインなんだよ。もちろん(ほとんどの宮市亮のディフェンスがそうであるように!?)いい加減な「アリバイ守備」ではなく、あくまでも忠実な汗かきディフェンスをベースに、チャンスを見計らって全力のボール奪取勝負を仕掛けていく・・っちゅう実効プレーのことだよ。

 そんな「ゲームの入り方」をイメージし、忠実に実践していけば、必ず次の攻撃プレーでも、(ボールがないところでの)動きが活性化したり、自分が「引っ張る」組織コンビネーションだって、より効果的に機能させられるようになるはず。

 もちろん、このゲームでの宮市亮は、何度も、決定的スペースへのフリーランニング(スルーパスを要求するボーがないところでの動き!)を繰り出していたし、自分がコアになった、味方とのワンツー(組織)コンビネーションも仕掛けようとしていた。

 でも、チームメイトである「才能ヤングスター」たちが乗ってこない。例外なく彼らは、宮市亮からの「ワンのパス」を無為にトラップし、そこでボールをこねくり回してしまうのですよ。だから宮市亮の、パス&ムーブアクションが無駄になってしまう。それは分かっている。

 でも、だからといって、ボールがないところでの動きの量と質がダウンしてしまうのでは、お先真っ暗じゃありませんか。とにかく宮市亮は、守備アクションの量と質をアップさせることを絶対的なベースに、攻撃でも、どんどん「ボールがないところでのアクション」をブチかましていかなければならないと思いますよ。そう、彼の才能を、より光り輝かせるために・・

 イレギュラーするボールを足で扱うという、不確実な要素が満載のサッカー・・だからこそ、守備でも攻撃でも、まず自分からアクションを起こしていかなければならないのです。そのアクションが無駄に終わったとしてもね。優れたサッカーは、クリエイティブなムダ走りの積み重ねでしか演出できないのだから。

 宮市亮は、例えばバルセロナとかが展開する優れたサッカーをビデオ観戦することでに、「イメージトレーニング」を積み重ねるべきだろうね。イニエスタとかシャビ、はたまたビジャやペドロといった天才連中が、いかに、攻守にわたって汗かきプレーを繰り返しているかを、しっかりとイメージに焼き付けるのです。

 あふれる天賦の才に恵まれているからこそ、守備でしっかりとした質実剛健プレーを展開し、攻撃でも(特に)ボールがないところでのプレーの量と質をアップさせられれば、宮市亮のドリブル能力が、何倍にも増幅していくはずだよ。そう・・バルセロナが誇る天才たちのようにネ・・。

 ところで、フェイエノールトのチーム戦術。もう、それについて言及することは止めます。後は、宮市亮の「意志」が問われるのですよ。監督だって、仕掛けの組織コンビネーションが機能すれば、それに対して「ノーッ!」なんて言うはずないでしょ。それが機能すれば、「才能ヤングスター」たちのプレーが、もっと光り輝くはずだからね。

 前回も書いたけれど、宮市亮には、チーム内に「イメージ革命」を巻き起こしてやる・・なんていうアンビシャス(大望・・意欲・・強烈な意志)までも持って欲しいと、心から願っている筆者なのです。この試合の相手は、すでに「諦めムード」が支配するような「終わったチーム」なんだから、様々な意味を内包するチャレンジがしやすかったはず。その意味でも、ちょっと残念でした。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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