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2011_U22_帰国して早々に、関塚ジャパンの爽快サッカーに舌鼓・・(U22日本代表vsマレーシア代表、 2-0)・・(2011年9月21日、水曜日)

いいね〜、関塚ジャパン。

 ・・攻守にわたって、一つひとつのアイデアが、まさに有機的に連鎖しつづける・・だからこそスムーズに「動き」を活性化できる・・そして、だからこそ相手ディフェンスの「ウラ」を攻略できる・・

 要は、攻守にわたって、ボールがないところでの動きの量と質が素晴らしいということです。もちろん、その絶対的バックボーンは「意志」のチカラに他ならないわけだけれど(関塚隆というストロングハンドによる心理マネージメント=モティベーション=に拍手!)、それこそが、U22日本代表の真骨頂ってことです。

 ホントに、この試合をライブでテレビ観戦できて良かった。えっ・・!?

 実は、今日の午後、台風のなかを成田にランディングしたのですよ。午後1600時。それは、ちょうど成田地方で台風が佳境に入ったところだった。

 強烈な風雨を受ける機体はガタガタ揺れている。かなりビビッた。それでも、このフライトのキャプテンはランディングを決意した。こちらは、「オイオイ、ホントに着陸しちゃうの〜?」なんて、最後の最後まで手に汗握っていた。それでもキャプテンは、ガタガタという振動だけじゃなく、横揺れも抑えながら、最後はスムーズに着地した。

 その瞬間、私も含めて、「グレイト・ランディング!!」ってな大声だけじゃなく、拍手も飛び出し、それにつられるように、機内が拍手につつまれた。後で、世界中を飛び回っているという外国人の方々と話したけれど、旅慣れた彼らも、やはり、かなりビビッていたそうな。

 でもさ、我々のフライト以降は、ほとんどがキャンセルになったり、他の空港へ向かったということだから、成田にランディング出来て、とてもラッキーだった。もちろん私は、関塚ジャパンの試合をテレビ観戦するつもりでこのフライトを選んだわけなのですよ。でも・・

 そう・・、成田から都心への交通手段が全くなくなっていたのです。鉄道もバスもキャンセル。まあ、あれだけ強い風雨だから仕方ないけれど、私は、とても落胆して、動き出さない電車のシートに身を沈めていた。何せ、テレビ中継に間に合いそうになかったわけだからね。

 でも、ほとんど諦めかけていたタイミングで朗報が飛び込んできた。友人が、空港近くのホテルを探してくれたのですよ。成田周辺のホテルはどこも満杯だと聞いていたから、ハナから諦めていた。それでも友人が、「キャンセルはありませんか?」と、しつこく聞いてくれ、そして「これしかない・・」というキャンセル部屋をゲットしてくれたのです。

 ちょっと前段が長くなってしまった。スミマセン・・

 とにかく、素晴らしいサッカーを展開してくれた関塚ジャパンだからね、かなりのエネルギーを注入した甲斐があったというモノじゃありませんか。そして筆者は、とてもハッピーな気持ちに包まれていたのでした。

 何か、前段を書くだけで(時差ボケで)睡魔におそわれている。フ〜〜・・

 関塚ジャパンの真骨頂は、何といっても素晴らしい組織サッカーにあるわけです。もちろん、その絶対的なスタートラインは、素早い攻守の切り替えと、爆発的なチェイス&チェック(守備の起点プレー)をベースにした、アイデア(イメージ)が有機的に連鎖しつづける協力ディフェンスにあることは言うまでもありませんよね。

 そして、攻撃となったら、人とボールが、素早く、そして広く動きつづけるわけです。彼らのサッカーじゃ、ワンツースリー(&フォー)なんていうコンビネーションは当たり前なんだから、爽快だよね〜。

 そして、ここからが重要なポイントなんだけれど・・、組織プレーが素晴らしいからこそ、個の才能プレー「も」効果的に光り輝かせることが出来る・・。

 大迫勇也や原口元気の勝負ドリブル・・清武弘嗣の、タメからのスルーパス(相手守備の視線と意識を独り占めにして送り込んだ、東慶悟へのウラ取りの決定的スルーパスは見事の一言!)・・などなど・・

 まあ、選手たちは、あれだけの(相手守備のウラを攻略した!)チャンスがありながら、結局2ゴールしか奪えなかったことで、ちょっと落胆の表情はしていたけれど、それでも、あのサッカー内容をつづけていけば、チームのモラルはアップするだろうし、志向するサッカーにも、着実に近づいていけるに違いない。

 とにかく、彼らのサッカーからは、もっとサッカー内容を良くしたい・・という強烈な意志を感じるわけです。

 まあ・・ネ・・とはいっても、BS中継の解説を担当していた長谷川健太さんも言っていたように、最終勝負プロセスで「も」、相手守備を引き出してスペースを攻略したり、相手を一方に引きつけてからサイドチェンジでスペースを突くなど(仕掛けのリズムやテンポに変化を付けるなど)、相手ディフェンスブロックを「いなす」ような余裕が出てくればいいよね。

 確かに、積極的にタテパスを送り込む姿勢は素晴らしい。

 彼らは、このタテパスを「スイッチ」にして、周りの3人目、4人目も、忠実に全力アクションを起こしていくからね。でもサ・・タテへ行き「はじめて」しまうと、その勢い「そのまま」で最後までいってしまうシーン「も」目立っていたよね。だから、最後の最後で相手に潰されてしまう(マレーシアの粘りの守備は本当に素晴らしかった!)。

 サイドで起点を作ったのに、そこから「中」へワンのパスを出し、そのままコンビネーションで、集中している相手ディフェンスへ向けてゴリ押しに突っ掛けていったりサ。

 もちろん「それ」でも相手守備をブチ抜いちゃうんだからスゴイけれど、相手が強くなったら、そりゃ、そんな猪突猛進だけじゃ心許ないよね。だから、もっと、リズムや「仕掛けコンテンツ」に変化を付けなきゃいけないということなんですよ。

 もちろんこのチームには、原口元気や大迫勇也、はたまた永井謙佑や清武弘嗣といった「個の才能」という効果的な「変化ツール」も備えているわけだけれど、それだけじゃなく「組織的な変化ツール」も備えれば鬼に金棒っちゅうわけです。

 もう限界だね・・今日は。とにかく帰国しました。また、よろしくお願いします。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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