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2012_クラシコ(その2)・・勝負に徹するゲーム戦術を選択したバルセロナ!?・・また、オメデト〜、香川真司!・・(バルセロナvsレアル、1-2)・・(2012年4月22日、日曜日)

フ〜〜ッ・・

 やっぱり、バルセロナの現場が何を考え、期待していたのか、その本当のところを知りたいね。

 ・・どうしてテージョを先発させたのか・・彼には、左サイドからのドリブル突破を期待したんだろうけれど・・それでも、完璧に左サイドに張り付いていたことには、何か、とても重要な戦術イメージが込められていたような・・

 ・・そのコトについては、右サイドに、これまた張り付いていたダニエウ・アウベスの存在もあった・・そう、この試合でのバルセロナは、前戦のブロックが縦横無尽にポジションチェンジを繰り返すというのではなく、限りなくポジショニングプレー(限られた役割!?)に徹していた!?・・

 ・・もちろん、両サイドのダニエウ・アウベスとテージョは、必要ならば、サイドバックとしても機能していたけれど・・

 ・・やっぱり、ジョゼ・モウリーニョが、バルサの「ワン・ツー・スリー・フォー」というレベルを超えたコンビネーションを知り尽くしていることが(その対抗策を、実効あるカタチで確実にブチかましてくるに違いないという確信が!?)大きかったのかも・・

 ・・要は、モウリーニョが、バルサが仕掛けるコンビネーションで決定的に重要な、3人目、4人目のフリーランニングを確実に抑えるイメージ作りに徹するに違いない(その対抗イメージを完成させる!?)と、グアルディオラが考えていたということなんだろうね・・もちろん、その後の(レアルの)必殺カウンターへの対処も含めてネ・・

 ・・だから、中央ゾーンでのコンビネーションではなく、サイドゾーンからの勝負ドリブルを、レアル守備ブロックを崩していくキーポイントに据えた!?・・

 ・・たしかにモウリーニョは、人数を掛けて(ボールがないところでの勝負イメージを徹底させることで!)中央ゾーンのディフェンスを完璧に機能させた・・メッシのドリブル突破に対する守り方イメージも含めてネ・・

 ・・メッシのドリブルには、突破&シュートという意味合いだけじゃなく、『動的なタメ』っちゅうニュアンスも含まれている・・彼がドリブルで進んでいくことで、相手守備ブロックの組織バランスは崩れ気味になっていくからね・・

 ・・そして、ボールウォッチャーになった(というか・・メッシのドリブルで、その状態に追い込まれた!?)相手ディフェンダーの背後スペースへ抜け出す、味方の3人目、4人目フリーランニングへの必殺スルーパスを決める・・でもこの試合では、そんな夢のようなコンビネーションは見られず仕舞いだった・・

 ・・そんなジリ貧の展開に、バルセロナのベンチは、最後には、セスク、アレクシス、そしてペドロをも投入し、いつものバルサのやり方に戻した!?・・でも、その代わりに、シャビを外してしまったんだぜ・・フムフム・・

 ・・もちろんこの試合(バルセロナのサッカー)は、私がイメージするバルセロナとは違う・・私は、そこで展開された「勝負重視のゲーム戦術と人選」を観ながら、グアルディオラは、数日後のUEFAチャンピオンズリーグ準決勝セカンドレグを意識して「これ」を選択したのかもしれないとも考えていた・・

 ・・まあ、とにかく、チェルシーとの第二戦を楽しみにしよう・・

 ・・美しく勝つ、スーパーなサッカー・・組織と個が、これ以上ないほど見事にコラボレートする・・ただそこでは、入り組んでいる様々な要素が完璧に噛み合わなければ、すぐにでも機能不全に陥ってしまう・・だから、その寿命を長く保つことは、とても難しい・・この試合が、「バルサ的な現象」の終わりの始まりにならないことを願って止みません・・フ〜〜ッ・・

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 それと、もう一つ。

 香川真司・・ オメデト〜〜ッ!!・・

 とにかく、素晴らしくハイレベルな内容のプレーをつづけ、ドルトムント連覇のもっとも重要なキーマンの一人として輝きつづけた香川真司に、カンパ〜イッ!!

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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