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2012_ヨーロッパの日本人_宮市亮_ボルトン移籍は大正解!?・・(2012年2月26日、日曜日)

さて、日本代表にも招集された宮市亮。今朝おこなわれたチェルシーとのアウェーゲームです。

 彼のプレーを観ながら、ボルトンへの移籍は、「ブレイクスルー・ステップ」として大正解だったのかもしれない・・なんて考えていた。

 まず、ボルトンのチーム戦術イメージだけれど・・

 ちょっと基本ポジションが固定してしまう嫌い(きらい)はあるけれど、リーグで当たる多くの対戦相手がチカラ的に「上」というわけだから(要は、相手に対処するゲーム戦術を徹底しなければならないということで・・)まあ、仕方ないという側面もある。

 強いチームだったら、自分たちのやりたいサッカーを前面に押し出していけるだろうから、様々な視点で「攻撃の変化」もどんどんと演出できるでしょ。でもボルトンの場合は、相手の良さを消すところからゲームに入っていかなければならないとか・・とにかく、対処療法的なゲーム戦術に徹しなければならないわけです。

 ということで、宮市亮も、左サイドハーフエリアを中心にプレーするわけだけれど、前述した「次の段階へ進むためのステップ」としては、ある意味、とてもポジティブだと感じるわけなのです。強いチームに入ったら、そうはいかないからね。

 宮市亮がボルトンへ移籍したことによる(彼自身にとっての)ポジティブな現象・・

 ・・まず何といっても、ゲームに出つづけられそうなコトが大きい・・また、前述したように、ゲーム戦術(対処戦術)を徹底しなければならないということで、攻守にわたってやるコトが決まっているという現象(集中して負わなければならない戦術的な義務があるということ)・・

 ・・ということで、もちろん守備にも全力を傾注しなければならない・・この試合でのディフェンス集中力は、とても良かった・・まあ、ボール絡みでは、何度か相手のドリブル突破にブッちぎられちゃったけれど、ボールがないところでの忠実マーキング(≒次の展開をアタマに描写するイメージ力)は、とても良くなっていると思う・・

 ・・また攻撃でも、(チームメイトたちも期待しているからこそ!)ボールがないところでの宮市亮の爆発的な飛び出しに、しっかりとタテパスが送られてくる・・また宮市亮も、(チームメイトたちの期待に応えて!?)積極的にドリブル勝負を仕掛けちゃったりする・・

 ・・宮市亮のドリブル勝負だけれど、なんか、異様なほどの自信が放散されていると感じる・・決して根拠のない過信ではなく、ドリブルのアクションを形作る一挙手一投足を、自信オーラが包み込んでいるってな感じ・・だから対応する相手ディフェンダーも余裕を持てない・・相手はチェルシーの強者ディフェンダーだぜ!!・・フムフム・・

 そんな宮市亮に、日本代表もステージ(ブレイクスルー機会)を与えた。ザッケローニ監督の正しい判断だったと思う。あの天賦の才を本当の意味でブレイク(開花)させるためには、本物のチャレンジ機会と成功体感が欠かせない。

 ウズベキスタンとの公式戦。いまから、とても、とても楽しみでっせ。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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