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2010_WM(2)・・勝負は、ボールのないところで決まる・・今回のフランスは難しいネ・・(フランスvsウルグアイ、0-0)・・(2010年6月11日、金曜日)
この試合も、「構図」が明確な展開になりました。
イニシアチブを握って攻め上がるフランスに対し、しっかりとした組織的なディフェンスから、フォルランを中心にカウンターを仕掛けていくウルグアイ・・ってな感じ。
この試合でのポイントは、やはり、何故フランスは、あれだけイニシアチブを握っていたのに、明確なチャンスを作り出せなかったのか・・という一点に絞り込まれるだろうね。
そこでのキーワードは、何といっても、「ボールのないとろで、勝負は決まる・・」。要は、フランスが、ボールがないところでの人のアクションの量と質を原動力にした組織コンビネーション(最終勝負の流れ!)を、うまく機能させられなかったということです。
もちろんそれには、ウルグアイの守備がとても素晴らしかった・・特に、ボールがないところでの勝負のフリーランニングを、ことごとく抑え込んだ・・という要素も大きい。サッカーは、表裏一体のボールゲームだからネ、一つの現象は、常に「両面的」に分析しなければならないのですよ。
その結果として、フランスは、うまくボールを動かせない・・スペースを突いていけなくなってしまう。また、マークするウルグアイ選手の視線とイメージの逆(ウラ)を取ってスペースへ抜け出しても、タイミングよくタテパスが出てこない(ボールホルダーの局面ボールコントロールのリズムが、ボールのこねくり回しになっている!)。
そして、徐々に、ボールがないところでのアクションの量と質がダウンしていってしまう。そう・・心理的な悪魔のサイクル(悪循環)に陥ったフランス・・ということです。
まあ長くフランス代表を追いかけている方々にしてみれば、「そんなのわかり切っているさ・・問題は、攻撃の中心になるチャンスメイカーがいないことなんだよ・・」ということになるんだろうけれどネ。そう、ジネディーヌ・ジダンの不在。
ミッシェル・プラティニ・・エリック・カントナ・・そしてジネディーヌ・ジダン・・。強いときのフランスには、そんな、攻撃の流れを仕切る絶対的な存在がいた。もっと言えば、仕掛けイメージを効果的にリードするチャンスメイカーがいたからこそ、フランスの攻撃が、ボールがないところ「でも」光り輝いていたとも言える。でも逆に、そんな「コア」がいなくなると、どうも組織プレーがうまく流れなくなってしまう。
要は、それぞれの選手のプレーイメージが、うまく、有機的に連鎖していかなくなってしまうということです。「コア」がうまく機能しているときは、その選手がボールをもったら、周りがしっかりと動きまわる。そう、2006年ドイツワールドカップのときのようにね。
あのときは、ジダンを中心に、その周りを五人の選手がサポートしていたっけね。大会期間中に、そんな、チーム戦術的な「理想イメージ」を見出したからこそ、フランスは息を吹き返して決勝まで駒を進めた。そのことについては、カルロス・アルベルト・パレイラ率いるブラジルを、完璧に抑え込んだフランス代表の「覚醒マッチ」を題材にした「当時のコラム」を参照して下さい。いま読み返しても、なかなか面白い・・なんて自画自賛する筆者なのです。あははっ・・
もちろんフランス選手も、パス&ムーブはするし、ボールがないところでも動いているよ。でも、その『徹底度』が足りないのですよ。要は、アクションが、ぬるま湯。日本代表での本田圭佑も、この頃は、守備にも入るようになったけれど、そのアクションが(特に、ボールがないところでのチェイス&チェックが!!)徹底せずに中途半端だから、逆に周りが迷惑するんだよ。
あっ・・ちょっと脱線してしまった。要は、フリーランニングにしても、フランスの場合は「全力で走り抜ける」という雰囲気ではなく、ボールホルダーのアクションを見ながら(次のプレーを探りながら)ぬるま湯のランニングしか繰り出していかない・・ということです。
このフランスチームには、ほとんど、パスを「呼び込む」汗かきの全力フリーランニングがない・・とも感じる。要は、コアになるチャンスメイカーの不在が、ボールがないところでのアクションの徹底度をダウンさせてしまっているということだろうね。
結果という視点じゃ、チーム戦術的な「やり方」が徹底しているウルグアイの方が、より可能性を感じさせてくれるよね。まあ、この大会でのフランスは、難しいネ。
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ホントに、こんな素敵な開幕ゲームをスタジアム観戦できなかったなんてネ・・残念。さて、わたしの南アWM(=Welt Meisterschaft)遠征計画ですが、所用が重なっていることで、 現地への出発を遅らさざるを得ませんでした。だから開幕ゲームにも間に合わなかった・・。
日本を出発するのは、6月13日。そして、ヨハネスブルクの空港にランディングするのは、日本対カメルーン戦当日の朝、0730AMです。そこで、予約してあるレンタカーをピックアップし、SIMカードや水などを仕入れてブルームフォンテーンへ400キロのドライブ・・っちゅうわけです。
それだけじゃなく、ブルームフォンテーンに到着しても、まずアクレディテーション・センターへ行って、プレスIDを作ってもらわなければなりません(スタジアムとは別の場所!)。本当にゲームに間に合うのだろうか・・。
まあ、やるっきゃないよな。フ〜〜・・
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。
4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。
出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。
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