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2012_天皇杯準決勝・・2試合からランダムにテーマをピックアップしました・・(2012年12月29日、土曜日)

観戦しているコチラの気合いが乗っていかない・・テレビ観戦した、ガンバ対アントラーズ戦でも、スタジアム観戦した、レイソル対マリノス戦でも・・

 何故なんだろうね・・

 その両勝負マッチともに、先制ゴールが、そのまま決勝ゴールになってしまったというゲーム展開だったけれど、全体的なゲームの流れとして、内容がヒートアップしていかなかったという印象が強く残るのですよ。

 そんなだったから、どうも、うまくテーマが脳裏に浮かんでこないってな体たらく。まあ、そんな静的な印象ばかりが記憶の大部分を占めるゲームだった・・とか、そうなった背景要因は?・・なんていうテーマはあるんだろうけれどね。

 そうそう、その背景要因だけれど、それには、一発勝負ということで、また一方のチームが先制したことで、「虎の子」を死守しようとする守備ブロックの緊張感と集中力がハンパじゃなく高揚しつづけたという心理・精神的なファクターもあるだろうね。

 だから、1点を追いかける方のチーム(アントラーズとマリノス)が、ほとんどといっていいほど、相手守備ブロックを崩して決定的スペースを攻略するというエキサイティングなシーンを作り出せなかったのですよ。

 また、両ゲームともに、仕掛けのプロセスにおいて、個人勝負の方が目立ち過ぎていた(もちろんネガティブに・・ネ!)というファクターもあるだろうね。気合いの空回り・・!?

 そんなだから、仕掛けプロセスにおける「ボールがないところでの動きの量と質」もダウン傾向になってしまうのも道理だよね。

 そして、個人勝負プレーを「ブツ切り&ツギハギ」していく中途半端なサッカーになってしまう。

 そんなだから、相手の守備ブロックが、余裕をもって対処できちゃうのも道理。なんたって、「次の勝負所」が明確に見えるわけだからね。

 とはいっても、ガンバに先制ゴールをブチ込まれてからのアントラーズの攻めには(特に後半・・)ある程度の勢い(高い実効レベル)が感じられた。

 その意味合いは、この両ゲームでは、もっとも個人勝負と組織サッカーが高みでバランスした攻めを魅せていたのがアントラーズだった・・っちゅうことですかネ。

 でも、そんな(興梠慎三も入ったことで組織的な仕掛けの流れがアップする傾向にあった!)アントラーズだったにもかかわらず、後半から登場した「レナト」が、そんなアントラーズの仕掛けの流れに「水を差した」んだよ。

 とにかく、彼のプレーぶりはひどかった。とても良いリズムで流れはじめていたアントラーズの組織サッカーを、一人で乱していた・・っちゅう印象。これだったら、先発し彼と交替した遠藤康の方が何倍もよかった。

 ドリブルでガンバ守備ブロックを切り裂いていけるわけじゃないし、パスにしても、コースやタイミングなどで落第点。また、攻守のハードワークにしても、推して知るべし。ホントに、ちょっとミスキャストだった・・と思った。

 あっと・・ガンバの家長昭博。

 準決勝での彼は、「天賦の才が炸裂した!!」っちゅうプレーを魅せたね。そう、最前線でのポストプレー(タメ)。本当に、ヤツのボールタッチ(トラップとコントロール)は天才的。

 「あの」強力なアントラーズのディフェンダーたちも、おいそれと「飛び込んで」いけないんだよ。とにかく、ボールを持つ家長昭博がかもし出す「異質な雰囲気」には、鳥肌さえ立ったね。

 準々決勝のコラムで、彼のことを、セレッソの柿谷曜一朗と比べ・・

 ・・たぶん家長昭博の「危険ポテンシャル」の方が、柿谷曜一朗よりも高いんじゃないだろうか・・

 ・・なんて書いた。ちょっと失礼だったね。彼の才能は、柿谷曜一朗とは比較にならない高いレベルにある。

 だからこそ、惜しい。

 彼が、攻守にわたるハードワークに目覚めたら・・。まあ、めぐり会いだよね。もし「あの才能」が若かった頃に良いコーチに恵まれていたら・・と思うと、本当に惜しい。

 そうそう・・。聞くところによると、レイソルの天賦の才、水野晃樹が、ヴァンフォーレ甲府へ移籍するかもしれない・・ということらしい。そう、もちろん、城福浩監督の下へ。期待が膨らんじゃう。

 「あの」才能が、城福浩監督に鍛えられ、ハードワークという鎧(よろい)をまとったら・・。そう考えただけで、期待に胸が震えちゃうよ。城福さん・・頼みましたよ。

 ということで、最後は、やっぱり中村俊輔で締めよう。

 この試合でも、一人「気を吐いていた」。攻守にわたるハードワークだけじゃなく、タイミングよく仕掛けていくコンビーションのコアになったり、正確無比のロングパス(効果的なサイドチェンジ)を送り込むなど、一人で、マリノス攻撃の危険度を高揚させていた。

 特に、セットプレー。とにかく、彼の足から繰り出されるボールは危険そのもの。相手守備にとって「嫌なスポット」へ向けて、ボールが、まさに意志のある生き物のように吸い込まれていくんだよ。

 でも、このゲームじゃ、そんな「天才セットプレー」が、決定的チャンスに結びつくことはなかった。さて〜・・

 多分それは、レイソルディフェンスが、中村俊輔のセットプレーというだけで、緊張感と集中力が何倍にも跳ね上がったからなんだろうね。そのことは、その瞬間の、両チーム選手が入り乱れる最終勝負ゾーンの雰囲気からも明確に感じ取れた。

 要は、レイソル守備が、自分たちにとって一番イヤなスポットを、「特に」集中してケアーしていた・・っちゅうことです。だからマリノスも、そう簡単には、相手ディフェンダーの背後スペースを突くことが出来なかった。フムフム・・

 さて、決勝のガンバ対レイソル。

 この試合には、出場停止明けの「両」レアンドロが戻ってくる。ガンバのレアンドロと、レイソルのレアンドロ・ドミンゲス。

 またレイソルでは、主力の橋下和や茨田陽生も戻ってくる。たしかに、この試合での決勝ゴールを決めた工藤壮人が二枚目イエローで出場停止になってしまっ たのは痛いけれど、代わりは、意地でも良いプレーを(やろうと!)するに違いない田中順也がいる(ケガからの回復具合は??)。

 またガンバでは、中盤の底へポジションを一つあげた今野泰幸のプレーに注目したいね。決勝では、多分、明神智和と今野泰幸で組むスーパー・ダブルボラン チの前に、遠藤ヤット、二川孝広、佐々木勇人(倉田秋とか武井択也も!?)が攻撃的中盤トリオとして、ワントップのレアンドロを「うまく使う」でしょ。そして、もちろん家長昭博も控えている。フムフム・・

 ということで、決勝は、見所豊富なビッグマッチになること請け合い。お互い、とことんサッカーを愉しみましょう。あっと・・決勝は、例によって、ラジオ文化放送で解説します。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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