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2013_コンフェド杯_その7・・立派なサッカーで、日本のアイデンティティ(誇り)になった日本代表・・でも長友佑都が心配・・(メキシコvs日本、 2-1)(2013年6月22日、土曜日)

・・良かった〜・・ホントに良かった〜〜・・

 ・・あのまま「2対0」で終わっちゃっていたら・・と考えたら、そこでの奈落の失望がイメージされて鳥肌が立ってしまった・・

 ・・「2対0」で終わっていたら、あれほど立派なサッカーを展開した日本代表だったのに、そのイメージ(選手たちの自信と確信レベルの大幅なアップ!)の内実がガクンッと崩れちゃう・・

 ・・それにしても、メキシコの試合巧者ぶりは、見事の一言・・

 ・・前半の、「死んだふり」からの、ポスト直撃のヘディング一閃もそうだったけれど、最終勝負の瞬間におけるイメージングパワーに、もう脱帽・・

 ・・最初の失点シーン・・栗原勇蔵の背後スペースを、チチェリート(エルナンデス)が、瞬間的に加速して走り抜けた・・見事な、ニアポスト・ヘディング一閃・・溜息が出た・・

 ・・そして二つ目の失点シーン・・

 ・・そこでは、チチェリートと内田篤人のせめぎ合いが大迫力だった・・チチェリートの前後の動き・・そして「フリック・ヘッド」でボールが流されてきた瞬間に、内田篤人のマークを振り切り、アタマ一つ先にボールに触った・・

 ・・これはもう、最終勝負の瞬間に対するイメージングパワー(体感、経験の積み重ね)の差としか言いようがない・・

 ・・二つのゴールシーンでチチェリートが魅せた、小さな、そしてレベルを超えた鋭い「アクション」こそが注目ポイントだと思う・・

 ・・たぶん、「あのタイミングと状態」で、あのような鋭いクロスボールが送り込まれてくること自体が、日本守備陣にとっては想定外だったのかもしれない・・

 そして、そのボールの軌跡を読み切ったようなチチェリートの動き・・まさに、世界・・日本は、この二つのゴールから学ばなければいけません・・

 ・・ところで・・

 ・・私は、2対0にされた後、日本代表がどのようなサッカーを展開するのかが、とても重要だと思っていた・・そして、牛若丸(中村憲剛)が登場し、ゲームのテンポがアップしていく・・期待がふくらんでいく・・

 ・・要は、日本の組織コンビネーションの「雰囲気」がアップしたということ・・

 ・・人とボールの動きが、互いに刺激し合うようにアップしていったとも表現できそうな感じ・・もちろん、その潤滑油としての牛若丸の「動き」とシンプルプレーが見逃せない・・

 ・・そして、その「動き」の内実のアップが、追いかけゴールにつながる・・

 ・・香川真司が魅せた、左サイドでの見事な揺さぶりドリブル・・そして逆サイドスペースへオーバーラップしていた遠藤ヤットへのスーパーなサイドチェンジクロス・・

 ・・こうなったら、もう「先」は見えていた・・

 ・・ヤットにサイドチェンジパスが通った瞬間には、岡崎慎司が動き出していた・・彼には、明確に見えていた・・ヤットからのラスト・トラバースクロスが見えていた・・

 ・・そして案の定・・最後は岡崎慎司・・やった〜〜っ!!・・

 ・・これで、あのまま「2対0」で終わってしまうよりも、何100%もイメージの内実がアップしたゾ〜〜ッ!!・・

 ・・私は、岡崎慎司のスーパー(ピンポイント)ゴールを観ながら、岡崎慎司に感謝していた・・

 ・・シュツットガルトの友人たちも、みんな、岡崎慎司が大好きなんだよ・・女性が多いかな・・

 ・・とにかく、まさに極小と呼べるような小さな可能性に懸けて、緩急をつけながら「動きつづける」岡崎慎司・・まさに、「クリエイティブな無駄走り」の権化じゃないか!・・尊敬するし、大好きだよ・・

 ・・あっと・・もう一つ根源的なテーマがあったっけ・・

 ・・それは、大会を通して、チームとして、大きく進化した日本代表というテーマ・・

 ・・もちろん、その意味は、自分たちのサッカーが、世界最高レベルでも通用するという「事実」に対する確信レベルがアップしたこと・・そして、「意志」こそが、もっとも重要なファクターだという「事実」を、ブラジル戦を通して再認識「させられた」こと・・

 ・・不確実な要素が満載しているサッカーは、本物の心理ゲームなんだよ・・

 ・・ところで、ゲーム内容の変遷・・要は、両チームの間でのイニシアチブの揺動・・

 ・・立ち上がりから30分までは、完全に日本がベースを握った・・ただ、前半も残り15分というタイミングから、メキシコ攻撃も、やっと危険な雰囲気をかもし出しはじめる・・

 ・・この立ち上がりの30分だけれど、基本的には、日本が、メキシコの攻撃を、しっかりと受け止め、そこからのカウンターから決定的チャンスを作りだした・・という内実だったと思う・・

 ・・やはり、相手守備ブロックが整わない間隙を突いていく(ショート)カウンターほど、効果的な仕掛けはないんだよね・・

 ・・なかでも、開始4分に日本がブチかました、真ん中ゾーンをブチ抜いていった直線的な仕掛けが秀逸だった・・

 ・・ドリブルと素早いコンビネーションの組み合わせ・・そして最後は、香川真司が、粘りのボールコントロールから、メキシコGKと1対1のシュートをブチかました・・

 ・・結局GKの足に弾かれちゃったけれど、それでも、誰もが大いなる希望と期待を抱いた瞬間だった・・

 ・・その後も、これまたカウンターの流れから、決定機を作りだす・・

 ・・遠藤ヤットからの、鋭いグラウンダーのタテパスが香川真司の足許へ、正確に飛ぶ・・次の瞬間、香川真司は、大外を回った長友佑都の眼前スペースへ、ダイレクトのヒールキックでボールを流す・・見事〜〜!!・・

 ・・そして、ドリブルで持ち込んだ長友佑都から、素晴らしいラストクロスが、ピタリと本田圭佑の足に合う・・でも、うまくヒットしなかった・・誰もが息を呑んだに違いない惜しいチャンスだった・・

 ・・あっと・・ところで長友佑都・・

 ・・ヒザを痛めた・・そう、例の「半月板」のところ・・

 ・・報道では、保存療法と伝えられていたけれど、二度も半月板を痛めた経験のある筆者は、とても心配していた・・

 ・・とにかく、半月板は再生しないからね・・それに、(様々なタイプがある)半月板の損傷じゃ、まったく厳しくない(荷重がかかっていない)アクション でも、その動きによっては、ヒザ(上下の骨)が、カクンってズレちゃうんだよ・・そして、じん帯を伸ばしちゃう・・フ〜〜・・

 ・・半月板を患(わずら)った場合、とにかく、その「簡単にズレちゃう感覚」に対する恐怖から解放されるのに時間がかかるんだ・・

 ・・長友佑都・・これから、どうなるか・・とても、とても、とても心配・・何せ、長友佑都は、日本サッカーの星なんだから・・

 ・・ちょっと長友佑都のことを考えたら、気合いが沈滞しはじめてしまった・・

 ・・他にも、素晴らしいプレーを披露した前田遼一と本田圭佑が、「二つのタメどころ」として、とても効果的に機能していた・・とか・・

 ・・昔だったら、チンチンにボールを回されちゃったはずなのに、いまでは、まさに互角に局面でのボールを巡るせめぎ合いを展開できている日本代表を誇りに感じている・・別な視点じゃ、私がジジ〜だから、隔世の感を楽しめている・・とかサ・・

 ・・ブラジル戦での、ものすごく「悔しい体感」が、その後のステップアップの強烈なモティベーションになった・・とか・・

 ・・ドイツ人が、とても期待している酒井宏樹には、もっと、もっと、フッ切れた勝負をして欲しかった・・でも彼の将来はバラ色だ・・とか・・

 ・・まだまだ、様々なテーマはあるけれど、まあ、今回は、こんなところで・・

 ・・機会をみて、様々なメディアでテーマを展開するつもりです・・まあ、自分自身で、私のHP以外のメディアを作りだす・・なんていうことも考えているのですがネ・・

 ・・まあ、そのテーマについても、また次の機会に・・

 ・・さて明日は、スペイン対ナイジェリアだ・・

 ・・それにしてもブラジルは強いネ・・私は、皆さんと同様に、ブラジルとスペインの決勝を期待していますよ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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